2011/02/24

ロングビーチ、ワシントン


Copalis Beach から、また湾沿いに2時間ばかり南下して、ワシントン州の西南端近くの「Long Beach(ロングビーチ)」 へ。
 ロングビーチはカリフォルニアのが有名だけど、ここは「世界一長いビーチ」と豪語している。でも実際の長さは半島の端から端まで、26マイルだから40km強。

九十九里浜(66km byウィキ)のほうが長いんですけどーー。

土曜日の夜はここに宿泊。

なんとか、サンセットに間に合った。チェックインする間もなく、浜辺へ急行。

 

広い浜では、潮干狩りの人々が砂を掘っていた。
ここで穫れるのはアサリじゃなく、コパリス・ビーチにもあったレイザークラム(マテ貝)。


貝の呼吸穴をみつけたら、このような筒状のシャベルを砂に突き刺して、まわりの砂ごと貝を捕獲する。このお嬢さんはちょうど1個ゲットしたところで、嬉しそうにみせてくれた。

貝を掘るには許可証をオンラインで購入(州の住民は年間1人9ドル)せねばなりません。収穫は1日につき、ひとり15個まで。

まだシーズン初めなので、そんなにザクザクはとれてなさそうだった。


だんだん日が落ちる。空の中を歩いているような、豪華な夕やけ。



潮干狩りって、春先の水のぬるくなった頃に裸足で入っていくものだと思っていたが、razor clam は水の冷たいうちがおいしいのかも…。

次はこの丸いシャベルとバケツと長靴を完備して行こう。

日本のマテ貝とりのこんな記事をみつけますた。こっちのほうが面白そう。東京でも穫れるんですねえ。


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2011/02/23

海からの贈り物


Copalis Beach には、砂浜にプチ飛行場がある。もちろん定期便が通ってるような空港じゃなくて、「飛行場」といって良いのかどうかも迷うような、細い砂地の滑走路が一本。
しかも満潮時には波の下になって、使えない。


そこで、小さな黄色い飛行機が何度も離着陸の練習をしていた。
あんまり小さくてエンジン音も軽〜いので、最初、巨大ラジコンかと思って感心してしまった。

浜辺に落ちているもの、その1、「sand dollar」。この浜はこの「砂のドル貨」がたくさん打ち上がっていて、欠けてないのを5枚みつけた。半分に割れて「ハーフダラー」や「クオーター」になっちゃってるのは、いたるところに散らばっている。
日本名は「タコノマクラ」目の「カシパン」。タコのマクラっていいなあ。絵が浮かびますね。ヒトデかと思ってたら、そうじゃなくてウニの仲間だそうだ。

 よく、オサレな雑貨やさんにバスルーム用インテリアとして並んでたりするけど、砂浜でゲットしたのは始めて。この「カシパン」を浜で拾うというの、小学生のときに図鑑で見ていらい、長年の夢でした(ちいせぇーw)。すごく嬉しい。

 その2、razor clam (マテ貝)の貝殻。
ここはカシパン以上にマテ貝の産地として有名なのだそうだ。1940年代には、シーズン中に百万トンも収穫したとか。このあと行った別のビーチでも、マテ貝掘りが繰り広げられていた。
現在は、決まった日に決まった量しか穫ることはできないように決められている。

日本のマテ貝よりは幅も広くて、がっしりした感じ。大変おいしいとのことです。食べてみたいですね。


その3、プラレール。

…なぜ?
息子は「日本から来たんじゃない?だってあっちは(と太平洋の水平線を指差し)日本でしょ?」というのだが。そ、そうかなあ。
ゴミというよりは漂流者の風格を漂わせて、なんとなく満足そうに見えた。

 うーん、リンドバーグ夫人のような思索に富んだ考察は、かけらも出来ませんでしたねぇー。せっかく飛行機まで頭上を飛んでいてくれたというのにw

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チドリたち

 

Copalis Beach (コパリス・ビーチ)のすぐ北側からカナダまでの海岸沿いは、160kmにわたってwildlife refuge (野生動物保護区)に指定されていて、いろんな鳥の繁殖地になっている。

Copalis Beachにも、何百羽ものチドリやイソシギが波打ち際に右往左往して、わきめもふらずに砂の中から何か探してお食事中だった。

 

このひとはSnowy Plover  。Sanderling (ミユビシギ)。大きさは手のひらにのるくらいで真っ白な可愛らしい鳥。せわしない歩き方がおかしい。

 

このひとたちはsandpiper (イソシギ)だとおもう。

鳥たちは、砂の中の食べ物を探してついばんでいるときは、3倍速再生みたいなスピードで動く。実際、人間の3倍速か5倍速か、もっと速いペースで生きているんだろう。

疲れると片脚を仕舞って、波打ち際で突然ヒルネに入る。一度格納してしまうとまた出すのが意外と面倒らしくって、脚をたたんだまま群れの中をぴょんぴょん移動している鳥もある。

波が来ると、ぎりぎりまで待ってから、あぁもうしょうがないなあ、というような感じで全員わらわらと退避する。


波打ち際の総退却のようす。



チドリって百も千も群れているから千鳥っていうんだ、としみじみ思いださせてくれる光景だ。(この人たちはチドリ目シギ科というファミリーらしいので、まあ遠縁ということで…)


むかしは日本でも、どこの水辺でも見られる光景だったのだろうけど…まず都会では水辺がなくなってしまったよね。千鳥が淵にも、昔はこのくらい鳥が群れていたのか。

千鳥っていうと、お茶碗や着物の図柄で使われる千鳥もよう。かわいい図柄だけど、どちらかというと鳥よりマンタに似ていると思いませんか。

 昔、おばあちゃんの家の茶の間にあった茶箪笥にも、貝細工の千鳥がちりばめられていた。子どもの頃、「イカ」みたいな形の鳥だなあ、と思ったものだった。




千鳥格子っていうのもありますね。あれを鳥に見立てるのもすごいと思っていたけど、こうして見ると、何百もの鳥が群れて飛んでいる図と見えなくもない。




この砂浜は、野生動物保護区のすぐ手前なわりに、鳥たちにはけっこう過酷な環境であるかもしれない。



 

鳥の群れの中に突っ込んでいくジョガーとか。

 

海に出て超ハイテンションになった犬に追いかけ回されたり。



 犬を連れてお散歩している人は多かった。大型犬10頭をつれて散歩に来ている人もいた。10頭ともオフリーシュで海岸をかけまわり、鳥を蹴散らし追いかけ、もうそれはそれは嬉しそう。

鳥よりも、むしろ犬にとって天国なビーチかも。
チドリさんたちは、3秒後には以前のことなんか忘れちゃってる感じなので、ま、それほど気にしていないのかもしれない。

このあたりは渡りの中継地点で、お休み処になっているため、春になるともっといろいろな海鳥がやって来て、保護区の鳥は百万羽にもなるそうです。今度は双眼鏡も持って、もうちょっと北のほうにも行ってみたい。もうちょっと大きなレンズもほすぃなあ。



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2011/02/21

砂丘へ


快晴の週末、砂丘に行った。

ワシントン州の南西部、オリンピック半島の左下端に近いあたりにある小さな州立公園Copalis Beach (コパリス・ビーチ)。小さな川が太平洋に流れ込んでいて、川の左側が砂州、右側が「州でいちばん大きな砂丘(dunes)」を横切って浜に出るトレイルになっている、とハイキングガイドには書いてあった。

砂丘というからサハラ砂漠とか鳥取砂丘のような、さらさらと砂が風に崩れる山をぼんやり想像していたら、ここのdunesには草も木も生えているのだった。もちろん、ラクダもサンドワームも、いませんでした。




砂地にしっかり根を張る乾いた草、海からの強い風を踏ん張って受ける潅木。

写真や映画で見てあこがれた、まだ行ったことない米国北東部海岸に似てる。誰の写真だったか、こういう乾いた草の生えた海岸へ続く道のモノクロ写真が、昔、強烈に好きだった。草がぼうぼう生えていて、木と針金でできた傾いた柵の向こうに、物寂しい砂浜が広がっている。 ウディ・アレンの映画にもそんな海が出てくるのがありました。 




草の砂丘を1キロ弱あるくと、太平洋の荒波打ち寄せる、広ーーーい海岸に出る。
やはり、アルカイビーチとは、スケールが違う。

 

 



この海岸まではシアトルからは220kmくらい、ノンストップで約2時間半のドライブ。
スープのようにまったりしたピュージェット湾の海面とは違う、砕ける波を久しぶりに見た。


 

 なぜだか波は、ところどころわかめのような色に濁っていて、水に入りたい感じでは全然ない。


 いったいどこから流れてきたのか、ダイナミックな流木が広すぎる空間にごろごろしていて、シュールな風景が出来ていた。

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2011/02/19

スノードロップ


スノードロップが咲き始めた。

Snowdrop ってなんて可愛らしい名前なんでしょう、と、小学校の頃、「フラワーフェアリー」の絵を見て思った。

東京の住宅街ではスノードロップは(少なくとも当時うちの近所では)みかけなかったから、ホンモノを見たのはもしかしてこっちに来てからかもしれない。名前のとおりの小さな可愛らしい花。

今朝はまた冷え込んで霜が下りて、花も氷漬けになってしまった。


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2011/02/18

謎の線路

Ballard の14th Avenue に残る廃線路。
20世紀初頭に、バラードからシアトルダウンタウンまで伸びていた市電があったというから、その名残りだと思われる。
その頃の写真アーカイブをみつけた。1920年代、何にもない〜〜。道が広い!!
たとえばこんな

1920年の写真にも、たぶんできたばかりと思われるテキサコガソリンスタンドが写ってる。ていうかたぶん新築のガソリンスタンドの写真を撮ったんだろうな。
市電は車との競争に負けて、1940年には廃線になった。

…はずなのに。
なぜか14th AvenueとNW Leary Way の角に残る、「電車踏切り」の標識。これは一体…?
1930年代から残ってるとも思えないので、何かのシャレなのだろうか。

シアトル市は今、市電をまた建設していて、ダウンタウンから、今絶賛再開発中のサウスレイク地区までの路線がつい3年くらい前に開通したばかり。
予算がないので滞ってるのだろうけど、バラードまで来る路線も青写真には載っている。
…から、この近所の人の「ここに市電を来させてみせる、絶対」という自主的な宣言なのかもしれない。

それとも、単に線路が好きな人が建てたのかもw

アメリカ人は、意外と古いものをそのままとっておくのが好きな人たちだ。

新しいものを建てたければ、わざわざ古いものを壊さなくてもほかに建てれば済むっていうくらい土地の余裕があるから、日本みたいにいちいち取り壊す必要ない、ていうのもあると思うけど。

シアトルの古い住宅街を歩いていると、 住人が古いものたちに愛着をもって住んでいるのだなと感じる。
地区によっては、ほとんどが築60年は超えた家ばかり。バラード地区では、半世紀以上前に建てられたそういう小さな古い家を、これから子育てをしようという若い夫婦が買って引っ越してくるケースがとても増えている。30代の若い夫婦が自分たちの2倍以上年取った家を大事にメンテナンスして住んでいるのは、はたから見ているだけでもなんだか嬉しい。家も嬉しそう。

このオイル会社の看板も、どのくらい古いのかわからないけど現役で、バラードの住人ご自慢の、ランドマークのひとつ。

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2011/02/17

Witch-hazel


桜も咲き始めちゃって、このまま春に突入なのかと思いきや、またキューッと寒さが戻ってきたシアトル。夜の気温も久々に氷点下近くに下がって、明日は小雪かみぞれの予報。
 
寒桜はまだ弱々しくおぼつかなげに花を開いてみた、て感じで満開という感じにはならない(その分、花の時期は桜らしからぬ長さで、何週間かは保ちそう)。
近所でいま満開なのが、金縷梅、マンサク。


この花、東京では庭木としてあまり見かけなかった気がする。このあたりの住宅街には、古くから日本の庭園師/植木屋さんが活躍したとみえて、日本や中国の庭木がとても多い。桜もモミジも豊富で、これまで見たことのないような種類もたくさん見かける。


春一番に花を咲かせるマンサクも人気の庭木。でも梅の木をまったく見かけないのはどういうわけなんだろう。 それからもうひとつ、ぜひ近所に植わっててほしいのに一度も見た事がないのが、秋に咲くキンモクセイ。もしかするとあまり香りの強い花木は敬遠されるのか、何か別の理由があるのか…。

マンサクの花にも、強くはないけれど沈丁花に似た品の良い香りがある。


 この花、私が勝手に写真の師匠の一人として崇めているフォトグラファーのジャンヌさん(とてもセクスィーにお花を撮る方です)の日記で以前に「錦糸卵みたい」と言われていて、それ以来、「錦糸卵の花」としてインプットされてしまった。たしかに見つめていると、ちらし寿司が食べたくなってくる。


 赤いのは、新年の日に路上に散らばる爆竹の包み紙みたい。


 英語名はWitch-hazel。魔女のハシバミ、というまた魅力的な名前。
 花の見た目が魔女っぽいからかと思ったら、そうではないらしい。


 ワシントン大近くの植物園にはいろんな種類のマンサクや、そのほかこの時期に花の咲く木をあつめた「Winter Garden 」がある。日本で「冬の庭」といったらまず思い浮かぶのは梅と沈丁花なのに、この二つはないらしい。日本庭園のほうにあるのかな?

梅探しの旅は続く…。



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