2015/11/01
フリーモントのAgrodolce チキン&ワッフル
フリーモントにあるレストランAgrodolce。
ウォーリングフォードにあるサステナブル自然派レストランの有名店「Tilth」のMaria Hines さんのお店です。ブランチメニューがおすすめだと聞いたので行ってみました。
地元の食材を使ったカジュアルな南イタリア風料理。
店の中にあるのはオリーブの木かな?天窓があってとても明るく、大勢でわいわい行くのに良いレストランです。
同行の友人がアレルギーがたくさんある人で、いろいろと注文たいへんだったんだけど、スタッフは超親切でとても感じが良かった。
ここのブランチの名物は「ボトムレスミモザ」。シャンパン&オレンジジュースの「ミモザ」が15ドルでお代わりし放題というメニュー。デカダンなブランチを楽しみたい方はどうぞー。
うちの息子が食べたのは「チキン&ワッフル」。
フライドチキンとワッフルという組み合わせはアメリカ南部風、なのだと思ってたんだけど
ディープサウスの人にいわせるとそんなのウチの近所でみたことないという人も多く、どちらかというと「西海岸など都会の南部料理レストランで人気のメニュー」なんだそうです。
それはアメリカのそこら中に日本にはない「テリヤキ」レストランがあるようなものかもしれませんね。または、日本の洋食メニューのいろいろとか。
他の場所の想像力をろ過したご当地料理。
私はエッグ・ベネディクトを注文しました。オシャレでサステナブルなんだけどとってもボリューミー。
オランデーズソースはルッコラが入っていて、きれいな緑色でした。
2015/10/30
道ばたの本の家
うちの近所を散歩していると、こんなちっちゃい本箱が道端に設置されてました。
ここに置いてある本は誰でも自由に持って帰ってよく、いらない本があったら誰か他の人のためにここに置いていっても良いというシステム。
コーヒーショップやバックパッカー向けホテルなんかによくそういう本棚がありますが、近所の道ばたに突然立っているのは新鮮でした。
この小さな家の形の本箱設置は、ウィスコンシン州のハドソンさんという人が始めたものだそうで、Little Free Library というNPOになっています。この団体では本箱の販売もしてる。作って設置した本箱を「チャーター」として登録するとマップに載るそうです。
自分ちの前にコミュニティ用の「マイクロ図書館」設置なんて、いかにもシアトルの人が好きそうなアイデア。
あちこちのネイバーフッドにたくさんあって、うちの近隣だけでも4つはあります。
近所にはこの「リトル・フリー・ライブラリー」というサインがついてる本棚も、そうでないのもありますが、いずれも手入れが行き届いてる。
こちらは「Little Free Library」のチャーターである看板を誇らしげにつけた本棚。
この間はナショナル・ジオグラフィックの古い号をここからもらってきました。
カフェの2階からぶら下がっているもの
2015/10/28
スチームパンクの夕べ
先週、友人Mの出演するバンドをみに、Hale's Palladium というホールに行ってきました。フリーモントとバラードの真ん中あたりにあるブリュワリーHale's Breweryの裏手に、ひっそりと怪しげな入り口がある。倉庫か広いガレージを改装した感じの、天井が高くてサーカスのテントのような雰囲気の建物。
この日は、「スチームパンク」の人々が集まるライブ大会でした。
いろいろ変なアクセサリーを売っているブースが出ていて(カラスの頭蓋骨の形のブローチや指輪とか触手の部屋飾りとか、歯車やガラスが何枚もついている役に立たないメガネとか) ベリーダンサーの人々もいた。
この日のメインフィーチャーは スチームパンクバンド、Nathaniel Johnstone Band。
主宰のナタニエル・ジョンストン氏は、作詞作曲、ギターとバンジョーと歌を担当の才人。中央はナタニエル氏の奥様でベリーダンサーのマダム「テンペスト」。
女性ボーカルはケイトAKA「ダグウッド」ちゃん。彼女の声は本当にパワフルで凄いです。
ギリシャ神話とか民話とかを題材にしたナタニエル氏の曲も面白いのだけど、アイルランド民謡などをアカペラで歌ってみてほしいと思った。
スチームパンクというのがどういう分野なのか、いまいちよくわからない。これは本当に分野なのだろうか。パンクといいつつ音楽はまったくパンクじゃなくて、エスニックなカラーやジャズやポップの要素が強いバンドも多いみたいだし、この夜集っていた人々も、たとえば、1)ヴィクトリア朝風のドレスにカラスの羽根やなにかをつけたコスチュームの、たぶん40代〜60代の淑女の一群。2)それよりもう少し肌の露出が多く、パンク的要素の強いコスチュームの20代くらいの淑女の一群。3)素肌に毛皮をまとい、顔や腕にペインティングをほどこしたどこかの部族風の男女4名。4)ガイコツの描かれた黒いスーツに身を包み、楽しそうにダンスフロアで踊っていた初老のカップル。……など、年齢層も服装傾向もてんでんばらばらでした。
唯一共通しているのは、オリジナルなフィクションとしてコスプレを楽しんでいるということ。アニメの人たちのコスプレは誰かの作った作品世界のキャラを演じるけど、スチームパンクな人たちはスチームパンク的な世界に、それぞれの見解に基づいて、自作のコスチュームで参加しているようです。この「なんでもあり」な感じは大変面白い。
そしてこのバンドに合わせて時々舞台にも登場するベリーダンサーの方々も凄い迫力でした。なにがって、ベリーダンサーって妖艶なおねえさんばかりなのかと思ったら、たっぷりしたベリーの方のほうが多かった。自分が楽しいことが第一で人がどう思おうが構ったこっちゃないという姿勢を、皆さん清々しいまでに貫かれているのです。
この夜の観客もパフォーマーもみんな。
最後の曲は「Frog and Toad」。アーノルド・ローべルの「がまくんとかえるくん」シリーズをモチーフにしたロックンロールな歌で、ケイトちゃんの絶唱がナマハゲ級に恐ろしい迫力の曲。小さな子が聞いたら泣くかもしれない。それとも一緒に踊り出すかもしれない。バナナガールも登場して観客にダイブしてました。
2015/10/23
MIRO TEAの魔女の鍋
バラードのダウンタウンの真ん中にあるお茶の店、Miro Tea。
先日シネラマの売店でここのお茶があったのに、ちょっとびっくりした。
量り売りで紅茶、ウーロン茶、緑茶までいろいろ売ってる本格的な専門店です。
これはかなり前に撮ったものですが、季節はめぐり、また秋がきた。
秋は紅茶の季節。
むかし、吉祥寺にTea Clipperという紅茶専門店があって、10代のとき、よく通った。
たしか最初は中学を受験した帰りに、母に連れていってもらったような。
喫茶店ばかり並んだ小道の奥の地下にあって、むき出しの煉瓦の壁に、大きな木のテーブルが3つとカウンター席だけのこぢんまりした店。
テーブルの上にはホーローの傘のペンダントランプが低く吊られていて、奥のテーブルには、いつもホーローの水差しいっぱいに、変わった花が活けてあった。ねこやなぎとか、マンサクとか、大きな枝ぶりのものばかり。たいていは名前も知らない、ワイルドな感じの植物だった。
白い長いエプロンをつけた男性の店員さんがテキパキと運んできてくれる紅茶は背の高いポットに入っていた。大倉陶園のマグカップで出してくれるシナモンティーも絶妙においしかった。
大人になったら絶対このカップを買おうと思っていたのだけど、まだ買ってません。
きりりとした美意識のある空間で呼吸したくて、こどもの癖に背伸びをして。何度も何度も階段を降りて行ったものでした。この店にいるだけで何か自分の理解できない能力が身につくような気がして(もちろんそんなことはありませんでしたがw)。
ホーローのペンダントの下で、小難しい顔をして、何か一生懸命に悩んでいるつもりだった小娘を、お店の人は暖かく無関心に見守ってくれたものだと思う。
だいぶ前に残念ながら閉店してしまったと聞きました。
Miro Teaにはいつも5種類くらいのお茶が試飲用に置かれてます。
クレープのメニューもあるので、いつも店の中にはバターの香りが漂ってます。
お客さんは、コーヒーの店よりも女子率が高い。
季節メニューらしい「パンプキン・チャイ」というのがレジの前に書いてあったので頼んだら、こんな魔女の鍋みたいなカップに入って出て来ました。
2015/10/21
シネラマで火星人を見た
シアトルのベルタウンにある映画館「CINERAMA」で『The Martian』をみてきました。
邦題は『オデッセイ』だそうです。「火星人」じゃないのね。
ところで、皆さまもお気づきのことかと思いますが、マット・デイモンが遠く離れた場所で迷子になって助け出されるのは、これが3度目だよね。
(『プライベート・ライアン』、『インターステラー』に続き)。
つくづく運の悪い人なのか、とてつもなく運の良い人なのか。
こんなに迷子になりやすい人を宇宙に連れて行くべきではないのでは。
リドリー・スコット監督の、ちょっと前の『悪の法則』は殺伐とした人間世界をあまりにも無慈悲に描いていてトラウマになったし、79年の『エイリアン』も、世界には話の通じない凶暴な力が跋扈しているのだよそれが宇宙なんだよという、やりきれない辛い話だった。
でも、この「オデッセイ」はすごくポジティブで、GO GO 人類!て感じの、元気の出る話だった。
結論は、「科学と勇気と友愛があれば人類は生きのびられる」という話、です。
少年ジャンプか鉄腕アトムみたいだけど、でもあのトラウマ映画『悪の法則』をつくった監督が、皮肉抜きに、しかも明るくジョークを交えて、語ってくれるこのテーマは頼もしかった。おすすめ!
そしてサントラが素晴らしい!
70年代ミュージック満開! 70年代といえば、火星といえば、宇宙船の旅といえば、絶対この人でしょ!というあの人の名曲もここぞというところでかかる。感涙。(´;ω;`)。
そして、最後のクレジットに流れる曲も最高。
映画が終わってこの曲のイントロがかかった途端に、場内から笑いと喝采が起こっていたよ。
この映画館「シネラマ」は、1963年に完成したシアトルのアイコン的映画館を、EMPの持ち主でもありシーホークスのオーナーでもあるポール・アレンさんの会社「バルカン」が買って去年の11月に改装オープンした名物映画館です。
ロビーにはSF映画のコスチュームが。左の2つは『砂の惑星』の(黄色いのは若きカイル・マクラクランが着てたスーツ)右の2つはスター・トレックのテレビ版と映画版の。
『ラスト・サムライ』で真田広之が着用していたヨロイカブトもあった。かっこいい。
(ラスト・サムライもいわばSFだったと思う。いつの時代の話なんだよ!というつっこみどころが満載でした。)
全席指定で、オンラインで席を選んでチケットが買えるので、ギリギリに行っても安心。
席は15ドル(訂正:オンラインで買うと手数料込みで16ドル50セントです)とふつうの映画館よりもややお高めではある。
でも座席はビジネスクラス並みにゆったりしてるし、音響も「全米一すごいシステムにした」と豪語するだけあって、古い映画館を改装したとは思えない、歪みのない気持ちよい音。
シアター内の天井が星空みたいになってるのも素敵。
外観も内装も60年代的「レトロな未来」な感じで統一されてて、ロビーにはいるとチョコレートの甘い香りでいっぱい。
ふつうのポップコーンのほかにチョコレートがけポップコーンが売ってるのでした。
ご飯を食べたばかりだったので今回はパスしたけど、強い誘惑にさらされる売店。
売店は、Theo Chocolateのチョコ、Cafe Vita のコーヒー、Miro Teaの紅茶、そして地ビール、と、強力なシアトルの地元ブランドがそろってます。
この日はMiro Teaのハーブティーを飲みながら火星で奮闘するマット・デイモンを鑑賞。
予告編の最後は、12月18日から公開の『スターウォーズ・エピソードVII』。
帝国軍の母艦が廃墟になってるのを見た瞬間に涙出そうだった。ハンソロも登場〜!場内ざわざわ。
スターウォーズはぜひぜひこの映画館で見たいと思ってたんだけど、きのう売り出されたばかりのチケットは公開日から3日間はどの時間帯もすでに完売。しまったーーーー。
2015/10/15
ダメになりたい
うちのアパートのリビングは狭い。
アトランタのYちゃんとこのようにラブラドール犬がかけまわるほどの広さはありませんので、アメリカでいう「カウチ」もソファも置きたくなかった。
ここに引っ越してきた2年前からずっと欲しかったもの、そして今も引き続きほしいもの、それは無印良品の「体にフィットするソファ」、別名「人をダメにするソファ」。
日本に帰ったときに店頭で座ってみて、即時ダメになりそうなそのパワーを体感し、心からほしいと思った。
でも残念なことにシアトル近辺の車で行ける場所には、MUJIがない。
そこでウェブで見つけたのが、アメリカ版の人をダメにするソファ、Yogibo君。
特大サイズのYogibo Maxは全長6フィート、180センチ強。
横たわって眠れるサイズです。お値段は239ドル。
「ビーンバッグ」だと思うと高いが、ソファだと思えば安い。
ウェブで注文したら、ある日、巨大な箱がやってきた。ぎゅうぎゅうに詰めれば人間3人くらい入る箱を、配達の人は放置していった。
MUJIのにくらべると中に入ってるビーズはもっと大きくて、座るたびに大雨の日のような音がします。
あとカバーのカラーはやっぱりMUJIのほうがオシャレです。グレーを選んだのに実際の色は紺に近くて、ちょっと思っていたトーンと違った。
でもサイズ的には満足。
一度ここに落ち着いてしまうと、起き上がるのがかなり困難になります。
やはり人をダメにする実力は充分にそなえているのであった。
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