Tolkienの『The Lord of the Ring』を読み返していたら、ホビットのことを「Halfling」と呼んでいる箇所があった。
これはトールキン先生の造語のようだけど、評論社刊の瀬田貞二さん訳ではなんて訳してあったかな、と思って探してみたが、どうやら引っ越しのときに処分してしまったらしくて手元になかった。なんてことだーーー。指輪物語を処分してしまうとはー。
どなたかお手元にお持ちの方、教えていただけたら幸いです。「小さき人」だったかなあ。
トールキン先生はこのほかにも、東国の野蛮な人民に「Easterling」という別称をつけている。これは「東夷」とでも訳すのかな。ああ気になる。
Easterlingは悪の権化サウロンの手先になって「西の王たち」と戦う軍団で、どうもフン族とかの香りがぷんぷんする感じ。南の国の人も、まあ問題にするほどもないワイルドピーポーとして書かれている。
今読んでみると、「中つ国」(Middle-earth の瀬田訳、ほんとに格調高い名訳だと思います)にはかなり、執筆当時の1920年代〜40年代の西ヨーロッパ人の世界観がにじみでているのだなあ、と少し驚かされる。
南や東の、あまり信用ならない人々は色が浅黒く、西の海の彼方から来るエルフや高貴な人間は色白く金色の髪をしている。
もちろん、そんなのは壁の下塗りのようなもので、深い教養に裏打ちされたとてつもなく壮大かつ精緻な世界、70年代に熱狂的に愛されることになる革命的なプロットやテーマがそれで減るわけもない。
むしろ、20世紀後半から21世紀になっても同時代の作品として!愛されているからこそ、気になるのかもしれない。
ところでこの「-ling」という縮小辞、duckling (あひるの子)くらいしか思いつかないけど、「ゆうこりん」とかの「りん」も、もしかしたら同じ機能をもつ縮小辞なのではないだろうか!