2012/04/17

「お疲れさまです」


ちょっとの間またオフィスの仕事に戻っています。

きのう、同僚のMさんが、ボスに休暇を知らせるメールを送ろうとして悩んでました。


「メールが1行で終わっちゃうー」


日本だったら少なくとも

    お疲れ様です。
    さて、来月○○日から○○日まで、所用のため休暇を取らせて頂きたいと存じます。
    何卒よろしくお願いいたします。

…など、定型文句で1行か2行は埋まりますよね。

ビジネスメールは用件のみ、という人もいるにはいるけど、日本では少数派でしょう。

社内なら「おつかれさまです」、得意先や取引先なら「いつもお世話になっております」、などのテンプレート挨拶を、辞書登録して「はんこ」のように使っている人も多いはず。

わたしもハワイで日本企業に勤めていたときは、「よろ」→「よろしくお願いいたします」
「おせ」→「お世話になっております」とパソコンに覚えさせて、一日何度も使ってました。

以前いた会社では、社長が「疲れてないんだからお疲れさまなんて言ってはいけない令」を出して、社内が軽くパニックになったことがありました。上司に対してお疲れ様ですというのは確かに失礼にあたると考える人もいれば、社内メールには必ずつけろという会社もあるようです。

この「お疲れ様です」&「いつもお世話になっております」、英語でなんていうの? と時々話題になります。

Thank you for your business とか Thank you for your patronage/ continuous support とかは、ビジネスから顧客への紋切り型メールなら良いけれど、ビジネスメールでも個人から個人への立場で出すには違和感があります。 

じゃあ「お疲れ様」「お世話になっています」ってどういう意味なの? というと、意外とよくわからない。

「お疲れ様」にはきっと、まともな大人ならば疲れているのが当たり前だ、という前提があるんだと思います。ほんとに社会って疲れるけど私らちゃんとやってますよね、お互い大変ですね。というような気分を共有する言葉ではないでしょうか。

「お世話になっています」は、その人に具体的にお世話になっていることへの感謝以上に、わたしはあなたを含め周りに支えられて生きているのを理解しており、そのことに大変感謝しております、という態度の表明であるように思います。

どちらも、文面以上のニュアンスがあり、でも個別の意味はほとんどない。


個別のメールの文面としては、「私はフォーマルなビジネスの相手としてあなたを尊重しています」という意味の記号(はんこ)だと考えて良いと思います。
 
日本の企業の方が米国人に出すメールを見ると、みなさん必ず何かしら最初に1行、苦肉の挨拶を付け加えていることが多い。その気持ちはすごくわかります。何か言わないと、ぶっきらぼうすぎる気がしてしまうんですよねー。

でも米国人のメールは簡潔です。
せいぜい Hi  がついてれば良いほう。 いきなり用件です。
 
「用件のみにて失礼」という言い方さえ英語にはありませんよね。

あ、でも、あんまりサンプル数が多いわけじゃないんですが、英国人から来るメールって

I hope you are well

などの挨拶がついてる場合が多い気がします。英国との取引が多いかた、いかがでしょう?


ちなみにMさんへの上司からの返信は、

Have fun!

の一行だけでしたw

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6 件のコメント:

  1. 読んでて、社会人1年生の時に感じた違和感を思い出しました(笑)同期の男の子が「ご苦労様です」と社長の奥さんに言っちゃって大目玉をくらい、「あ、それは言ってはいけない言葉なのね」と学んだ事も。
    日本で最後に働いた会社が、日本人ばかりが働くアメリカの会社だったんです。「アメリカの会社なんだから」と上司に言われ、NY本社の日本人宛のメールさえも英文で書かされて、皆苦労してました。どのような出だしで書いていたか憶えてないけど、きっと回りくどく分かりにくいメールだったんでしょうね。仕舞いには、「日本語でいいんですよ」とそのNYの日本人の方々に言われてたような記憶があります。

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    1. 「ご苦労様です」ってつい言っておこられる新人、多いみたいですねw 
      上下関係、外とウチの関係でいろいろ使い分けなきゃならなくて、それができるのが洗練された企業人、てなっていたけれど、日本の企業でも社内が英語って会社がこれから多くなると、敬語の文化にも影響して来るんでしょうね。 日本企業もあんまりまだるっこしいことをしてる余裕はなくなって来る気がします。

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  2. 「まともな大人ならば疲れているのが当たり前だ」というのに激しく同意すると同時に、そんな社会だったよな~(遠い目)と・・・

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    1. 疲れてるのが当然というか、ちゃんとした人の証明みたいな、疲れることを善しとするとこがありますよね。だから過労死しちゃうんですよ!
      アメリカでは逆に、疲れてたら負けみたいな感じがありますね。

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  3. 思わず、笑ってしまった記事でした!超のつくドメスティック企業で働いていたので、お疲れ様・お世話になります、は完全に口癖でした~(笑)
    社内メールで、結局、何が用件なのかわからないものもよく廻ってきて、箪笥の肥やし文章と呼んでたり(^_^;)
    海外の方とやり取りすることがあると、すんごい前口上の長い文章を送っちゃう人、普通にいました。でも、相手は、ほんとに用件しか書いてこないんですよね~。

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    1. 箪笥の肥やし文書www わかります〜〜! 
      前口上の長い文書、日本企業と取引の多い企業や日本企業の海外部署や現地法人なら慣れっこでしょうけど、いきなり海外の人がみたら「は?」て思うでしょうねえ。

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