2015/02/01

あやかり商法


というわけで、スーパーボウル前夜、超絶盛り上がっているシアトルです。

ダウンタウンのビルはみんなチームカラーの青と緑のライトをつけていて、スタバ本社もセイレーンの頭の上にでっかい12の旗をたててるし、コロンビアタワーにも旗が出てるし、スペースニードルは緑の帽子になってます。

カフェにもでっかい「12」が書かれているし、スーパーマーケットに行くとほとんどの店員さんはシーホークスのジャージを着てます。

ほんとはダウンタウンのビルとスタバの旗の写真を撮りに行きたかったんだけど、今週はどうにも動きがとれず、無理でした。スーパーに食品を買いに行く以外、ほとんど家から出ていない。

旗を立てて走ってるクルマも多いのだけど、上のは先日みかけた、しばらく洗ってない荷台のドアにやたら綺麗にGO SEATTLE SEAHAWKSと書かれたトラック。とても綺麗に揃った書体で書かれているので、不精なんだか几帳面なんだかわかりません。あ、洗車などで水を無駄に使わないエコ派なのかもしれませんね。



昨日の金曜日、スーパーマーケットに行ったら、スーパーボウル観戦用のスナックと飲み物が山積み。ビールもシーホークスファン仕様になってる。


お店は観戦パーティーのための買い出しとみられる人びとで、午後早めからもう混み始めてました。


こちらは紙パック入りのシーホークス仕様ワイン。

去年スーパーボウルに進出したときは、これほどのあやかり商法は見なかった気が。

今年はもう早くから見計らってたんでしょうね。これの商品担当の人は、この間のカンファレンス決勝試合を見ながら大変なスリルを味わったことでしょう。

シアトルの人びとの盛り上がりも、前年比30%(推測)くらいの気がする。

スーパーボウル特製のジャージは超品薄状態で、うちの息子のガールフレンドのお姉さんがシーホークスのプロショップでバイトをしているんですが、彼女によると、品物を出して来た途端に人が殺到して商品を奪い合うような殺人的状況なんだそうです。

すごいなー。落ち着け、みんな。

そうそう、あやかり商法といえば。

よくハイウェイの出口なんかにホームレスの人が立っていて「おなかが空いています」などと書いたダンボールを掲げていたりするのですが、先週見かけた人は「12」の旗をつけて「GO HAWKS!」という手描きのプラカードを持っていました。そして、目の前のトラックから何ドルかもらってました。全然意味不明なんですが、正しいマーケティングですね。

では、楽しい試合になりますように。



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2015/01/28

異世界の浜 リアルトビーチ


寂しい海岸探訪記の最後です。



河口をはさんでLa Pushの向かいにあたる、細長いくちばしのような岬の付け根にあるRealto Beach (リアルト・ビーチ)。



この川、Quileute River (キルート川)は、オリンピック半島のレインフォレストから太平洋に流れ出しています。
河口あたりでは沼のよう。川とは思えない動きの緩慢な水面で、ルイジアナの沼地みたい。


これが河口。ここにもフルサイズの流木が。



リアルト・ビーチはハイキングコースになっていて、干潮の時は浜辺づたいに何マイルも歩いていけます。
キャンプをしながら数日かけて歩くハイカーもいます。

が、この日はほんとうに横殴りの雨。全身雨具に身を包んで歩いていく強者ハイカーも見かけましたが、私のようなヘタレハイカーの出番ではありません。


La Pushのリゾートの目の前に見えていた「シースタック」たちが、遠くに見えます。


なんだか、生きている者が行ってはいけない場所のような風景。

どうしたことか立木までがみんな枯れている。

アメリカ国の北西の果て近くは、ほんとにこの世の果てのような光景だったのでした。


目を惹くオレンジ色の幹は、マドローナの木でしょう。




モノクロの世界でこれだけが鮮やかな色彩なのですが、これもなんだかむき出しの傷のような生々しい色に見えて、はっとする。


この先に、「ホール・イン・ザ・ウォール」という岩があるのだそうです。
この次、風と雨が吹きすさぶ天気でなければ行ってみたいと思います。


こちらもよろしく。
PONDZU WORDS BOOK  (1 of 1)

ようやく更新しました。「脳みそを満たすあなた」について。


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2015/01/27

寂しい浜の禁欲的リゾート


La Pushで泊まった、キルート族経営のQuileute Oceanside Resort(キルート・オーシャンサイド・リゾート)。



寂しい浜辺にコテージがかたまって建っているだけの「リゾート」です。

プールもカジノもアスレチック施設もなければ、バーもレストランもありません。

あるのは雑貨屋1軒のみ。(追記:ちょっと先の港のとこにレストランが一軒あります)


オフィスの建物前にあるトーテムは、なんだかどこかで見たことがあるような顔。
誰だっけ、誰に似てるんだ。




コテージはわりに最近新築されたもので、施設はととのってます。

こずも食堂主人かなぼんさんによると、改装前は「漁師の小屋みたいな、あぶったイカがほしい感じ」だったそうですが、私たちが泊まったこの「デラックスオーシャンビュー」のスタジオは、フルサイズのキッチンとお風呂とガスの暖炉風ヒーターがついてて近代的でした。



コテージの家具類はネイティブアートの彫刻がある素朴なもの。部族の中に家具職人がいるんでしょうか。
ダイニングの椅子にもベッドのヘッドボードにも彫刻が。



レストランもなし、ネットなし、テレビなし、ビデオもなし。

エンターテイメントは、目の前に広がる、この荒涼とした海の風景のみ。

もう本当に最高です。

ネット環境がないのでコンピュータを持っていったとしても仕事はできません。

わたしはここに来る前に電話を水没させてしまったので電話すらなく、メールのチェックすらできませんでした。

なんだかいっそ清々しい気分になりました。世界と隔絶されても私は生きている~ルルル~。みたいな確認ができて、気分はプチ・リトリートな1日でした。


片道20分のフォークスの町に大きなスーパーがあるので食料品はそこで調達できますが、町まで出てもあんまり食指をそそられないピザ屋とハンバーガー店があるくらいで、気の利いた店など一軒もありません。

でもここに来ると別に御馳走を食べようという気にはならない。

チーズとパンと果物とサラミくらいあれば充分な感じ。かなぼんさんじゃないけど炙ったイカで晩酌とか、いいですね。プチ断食リトリートにはぴったりかもしれません。

なんと禁欲的な気持にしてくれる海辺のリゾートでしょうか。


とはいいながら、途中の町で卵とパンを買ってきたので朝ごはんは簡単にフレンチトースト。

1泊しかしませんでしたが、できることなら読みたい本を一抱え持っていって、4、5日こもっていたい。 ここでなら小難しい本もすいすい頭に入りそうな気がする。するだけだけど。


なんといっても最大のフィーチャーは、広々した窓辺のジャグジー!ちょっとした温泉の露天風呂気分になれるというものです。お刺し身の夕飯は出てきませんが。

ジャグジーにつかって禁欲的もなにもないですねw 
冷たそうな海を見ながらお風呂で熱燗などいかがでしょうか。


でもお風呂の窓のすぐ外にはこのような散歩道があるので、朝風呂に入るときには注意が必要かも(笑)。

コテージはスタジオから2ベッドルームまで。コテージのほかにもアパート式の建物もあり、犬連れもオッケーです。

ここはまた必ず行きたい。いや絶対行く。 こんな風景が好きな人には超お勧めです。


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2015/01/22

LA PUSH のアンフレンドリーな砂浜


というわけで、La Push 遠足のつづきです。

これが「ファースト・ビーチ」。

この写真、青いフィルターかけてるわけじゃないんです。まんまこういう色だったのです。

ここは西に太平洋が広がっているので’、晴れていれば夕陽が美しいビーチだそうですが、残念ながらどこに太陽があるのやら不明なお天気でした。


だいたいこの流木のサイズ!ゆうに樹齢数百年の大木で、たぶんこの白くなり具合からいうと、数十年は波に洗われていたのかもしれません。

さすがにこの巨大流木はワイヤーで浜に固定されてましたが、ふつうに大きな木が一本まるごと波間にプカプカいくつも浮いてます。

こんな海に間違って流されたら、とってもイヤですね。


そして波が激しくぶつかり合うので、このような泡が、浜に一面に積もっていました。


La Push というのはチヌーク貿易語で、「口」という意味のフランス語 La Bouche (ラ・ブシュ)から来てるんだそうです(by Wiki)。


この「シースタック」と呼ばれる離れ岩の向こう側が、キルート川の河口になっているので、「口」。

キルートの人たちは昔、近隣の部族が攻めて来ると、このシースタックにこもって防衛したそうです。

この容赦のない、アンフレンドリーな海。でも、まったく見飽きない。



この次は晴れた日に行きたいものですが。


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2015/01/21

ミラクル。



ミラクル。ほんとにびっくりしました。「うちの」シアトル・シーホークスったら。

日曜は学校の課題も仕事も山積みで首がまわらない状態だったんですが、やっぱりテレビをつけて仕事。

シーホークスのオフェンスになったら見ようと思ってちまちまと仕事を続けていたものの、前半はタマがきてもちーとも前に進まず、振り向いたら攻撃が終わってる状態。

パスがぜんぜん通らないQBウィルソンくんの上に、なにかおおきなヌリカベのようなものが乗っているようだった。 観ているのがつらい。

街中が12番をつけて青と緑になっている中で、ホームグラウンドでは負けないという山のような期待とジンクスを破って、18対0で負けちゃうのかー、と、しんみりした悲痛な気分になっていたら!


第3クォーターの残り5分で、おどろきのクリエイティブなタッチダウンでようやく得点。それからはもう、テレビの前にわたくし、正座。ほんとに、急にチームが(ていうかオフェンスチームね)動き出すってあるんですね。

それでも残り2分で、この点差じゃね、と思わなかった人が果たしていたでしょうか。

フットボールの2分は、長い。まさかの逆転で、心臓止まるかと思いました。2つめのタッチダウンではほんとに涙が出そうになった。そしてグリーンベイの木こりチームの反撃を死守して同点でくいとめ、オーバータイムの先制で鮮やかに軽々、勝っちゃった。

NFL史上に残る大逆転劇っていわれてるそうですけど、こんなの映画の筋書きにしたら出来すぎだよってくらい、ドラマチックなゲームでした。

試合後号泣してた「うちの」クォーターバック、ウィルソンくん。素晴らしいときには本当に、どうしてこんなコンマ数秒で的確な判断をして的確な場所に正確な曲線の美しいパスが出せるのか、理解に苦しむほど素晴らしい天才を見せてくれますが、ヌリカベが乗っているときには、ほんのミリ秒の差でパスが通らない。いったいこういう人の能力ってなんなんだろう。ほんとに繊細な人なんだね。

一軍の将のQBとしてあまりに童顔でかわいらしすぎるのを気にしてか、今シーズンは「泥棒ひげ」をはやしてどんどん顔が黒くなっていっているんですが、どうしても、「カールおじさん」に見えてしまいます。



さあ次はスーパーボウルですね。温かいアリゾナで、リラックスしてプレイしてきてほしいです。

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2015/01/17

こわい森と凶暴な海

と、いうわけで、オリンピック半島の西のはての海岸、La Pushに行ってきました。

 

             ↑↑ここです。

ここは、Quileute(クィリュート、またはキルート)インディアン部族の居留地です。

あの吸血鬼本『トワイライト』の舞台で有名なフォークスの近くで、ここのクィリュート部族は、『トワイライト』では吸血鬼に会うとオオカミ化する人たちになってるようです。(わたしはこのシリーズ、全然読んでないし映画も1本しか見てないんですけど。Quileuteは、日本語訳ではなぜか「キラユーテ」と訳されていたんですね。なぜだ。)

この日は、予報どおり大雨。わたくし、これまでの人生ではかなりの確率で晴れ女だったんですが、今回は負け戦でした。

La Push のクィリュート部族が経営するリゾートのコテージに予約をいれてたんですが、チェックインは午後3時すぎ。
1時前に着いてしまい、ビーチのほかに行く場所といえば、雑貨屋が1軒と、車で片道20分ほどのところにあるフォークスの町(ここも、こじゃれたカフェとかギャラリーがあるような町じゃない)だけ。


仕方がないので、シアトルではめったに見ないような大雨が少し小止みになるのを待って、とりあえず「セカンドビーチ」へのトレイルを行ってみました。

La Push の砂浜は、ファーストビーチ、セカンドビーチ、サードビーチと3つあって、ファーストビーチは目の前に駐車場もあり、「リゾート」コテージが目の前に並んでいるアクセスしやすいビーチですが、セカンドとサードは森の中のちょっとした小径を5分か10分ばかり歩いていかないとたどり着きません。

道端の小さな駐車場に車をとめて歩き始めるも、なぜか、雨のせいばかりではなく、あまり気が進まなかった。

この森は、なにか、奇妙な森でした。


…スパイダー?

『ホビット』に出てくる、大蜘蛛がたくさん棲む呪われた暗い森を思い浮かべてしまいます。

ほんとにここ、なんだか禍々しいような枝ぶりの樹が多い。オリンピック半島のレインフォレストはどこもしっとりしていますが、こんなに奇妙な姿のシダーの森はみたことがありません。

少し歩いていくと、木々の向こうから、叩きつける不吉な大太鼓のような波の音が聞こえてきます。

灰色の雨降りの午後。明るい要素がまるでない風景。



道はとても手入れが行き届いていて歩きやすいトレイルでした。

何を思ったのか、わたしは海だからとハイキングシューズでなくゴムの長靴で挑みました。これが、大失敗。


森を抜けるとそこは、すさんだ海。

満潮に近くて、砂浜がとても狭くなってました。ときどき大粒の雨も降ってくる。

長靴をはいていたので油断して、砂浜に数歩踏み出して写真を撮っていたら、急に波が寄せてきた。

ええっと思う間もなく、すごい勢いで砂浜がすっかり呑み込まれてしまい、うひゃーと撤退を開始するのと同時に後ろから巨大な流木に追突され、脚をとられてバランスを崩し、とっさにかろうじてカメラを救うべく持ち上げたものの、その拍子に流木にけつまずいて波間に半身水浸しになってしまいました。

流木に後ろから追突されるとは、想定外でした。
 

良くみれば、波間にごろごろと、大黒柱にでもなりそうな丸太がたくさん浮いているではありませんか。

ここは全然友好的な海ではないのでした。

転びどころがまずかったら頭でも打ってそのまま丸太といっしょに流されていたかもしれない。そうでもないか。でもそのくらいの凶暴さを感じました。

いや見れば一目瞭然なんだけど、のこのこと長靴でやってきて波と戯れられるというような了見でいると、少なくともこんなことになります。

カメラは捨て身で(笑)救ったものの、ポケットに入れておいたiPhoneは完全に死んでしまい、長靴のなかには水がたっぷり入り込んでいました。



凶器でいっぱいの砂浜でした。

長靴の中に水がはいって、一歩歩くたびに靴の中がギュウギュウ鳴るあの感触。

ひさしく忘れていましたが、駐車場に戻る登り道の間、何十年ぶりかに堪能できました。

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2015/01/12

メランコリーな三日月湖



12月、クリスマスの少し前、オリンピック半島の海岸に遠足に行ってきました。

世間がクリスマスショッピングやらパーティーやらで超多忙なときに、少し後ろめたい思いをしつつ…。家族がミニサイズだと、年末も気楽なものです。

La Pushという海岸までは、片道3時間くらいの道のり。
エドモンズからキングストン行きの短いフェリーに乗って、両側を森に囲まれた州道をひたすら東へ向かいます。


フェリーを降りてから1時間ほど走ると、突然、道の右側にLake Crescent (クレセント湖)が登場。

直訳したら「三日月湖」ですね。

どこまでもグレーな雨の週末でしたが、 そのおかげで湖畔には枕の中身にできそうな低い雲がたれこめて、神秘的な雰囲気でした。

快晴の夏の日にはボートがたくさん出て、全然おもむきの違う賑やかな風景になるんでしょう。



水墨画的な世界ですが、脳内BGMは、トレーシー・ソーンの『A Distant Shore』。


20歳の頃だったか、飽きずに死ぬほど聴いたアルバム。カセットテープで(笑)。考えたら、このアルバムってレコードでもCDでも持ってなかった。借りたんだった!

音楽を「貸しレコード屋」で借りてテープに録音するという時代があったんですよー!はい、そこの人!もちろん覚えてますよね?

10代の頃は、そうやって借りて録音したカセットテープのケースに、自分で作ったオリジナルのカバーを入れて悦に入っていました。 

このアルバムはTDKの60分カセットテープに録音して、カセットケースの中に、何かの雑誌のグラビアからいいかげんに切り抜いた、どこかの湖のメランコリーな写真を貼り付けていたのでした。
この日のクレセント湖はその写真にそっくりでした。



このアルバムの中の『Night and Day』も耳について離れないけれど、この『Seascape』も大好き。

まるで一瞬呪いの歌かと思うほどメランコリーな声で、淡々と歌う恋の歌。

これほんとは海岸の風景の歌なんですけどね…。

Watching tides
Tides that take me away
To a distant shore
And I don't want to be saved

Thought I knew the sea and all its secrets too
But it's different in November with you


この後訪ねた海岸は、こんな静かな湖とはまったく違う怒涛の世界で、そこでちょっとこの歌がシャレにならないよという、大変な目に遭遇するのでした。

つづく。


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