2015/12/10

サワロちゃんの山


初アリゾナ州で嬉しかったのは、いつも仕事を一緒にさせていただいてるアリゾナ在住翻訳者のNさんと旦那様のDさんにお会いできたこと。
仕事が早くて丁寧で正確で、心から尊敬する翻訳者さんです。Nさんとお仕事すると、自分がどれほどズサンな性格かを毎回思い知らされて毎回反省するのです(進歩なし)。

今回のアリゾナ行きの仕事は通訳案件で、Nさんとのお仕事ではなかったのですが、いつかアリゾナに行ってお目にかかりたいと思っていたら偶然にも実現してほくほくでした。

最終日は午後の飛行機にしてもらったので自由時間がとれて、午前中にNさんが砂漠のミュージアムに連れていってくれました。

市街地から20分も走ると、急に丘陵地帯に突入します。ホテルや空港の前にも植わっていた直立サボテン、saguaro(サワロ)が茶色の斜面に乱立している光景に大興奮してNさんに笑われる。


iPhoneで撮ったこの写真じゃ、直立する細めのきゅうりの群れみたいに見えますが、本物はヒトより背が高く、とにかく存在感がある。
絶対何か考えてる感じがするし、何かの合図で突然みんなで歩き出しそう。

この姿は、何かに似ている。と思ったら、

これでした。

着いたところは、Arizona Sonora Desert Museum (ソノラ砂漠ミュージアム)。
サワロ国立公園に隣接した自然の斜面を使って、砂漠の動植物がコンパクトに見られるようになっている公園ミュージアムです。



ドーセントはボランティアのおばさま達で、とても丁寧に楽しく説明してくれます。
このフクロウや、コウモリ、黒くま、マウンテンライオン(初めて見たた!ものすごい大きさにびっくり)、 コヨーテ家族など、ソノラ砂漠に生息する動物たちを自然に近い環境で見ることもできます。

「コヨーテにえさをやらないでください」。飼われているコヨーテ家族だけでなく、野生のコヨーテさんたちも来るんですね。
ちなみにシアトル近郊にもコヨーテはよく出没し、ニワトリや猫や小型犬がよく襲われます。


サワロちゃんの幼木(幼サボテン)。成長するまでパロヴェルデなど、木の陰に育つそうです。こんな砂漠にもサボテンだけでなく、前回のパロヴェルデ、ハワイのキアヴェにそっくりのメスキートなど、たくましく育つ樹木がいくつかある。
日陰を提供し、動物からも守る役目を果たすので「nurse tree」(「乳母木」でしょうか)と呼ばれています。しかしサワロちゃんが成長してくると、サワロのほうが水分を取る力が強いため、それまで守ってくれた乳母の木を枯らしてしまうのだそうです。
厳しい世の中です(涙)。


よくイラストで見るのはゴールポストみたいな形に「両腕」が生えてるやつですが、「腕」がでてくるかどうかはまったくその個体によってバラバラで、ぜんぜん腕なしの電柱状態で200年生きるサワロちゃんもいれば、3本も4本もでてくるのもあります。

なんか微妙な感じに腕が成長している人も。


こちらはユッカ。英語ではYucca を「ヤッカ」と発音するので、説明を聞きながらかなりたってから「あっユッカのことか!」と気づきました。


こちらはアロエの品種のようです。この肉感的な曲線が美しい。

アロエとかサボテンには今まであまり興味を惹かれてなかったのですが、ツーソンへの旅で考えがすっかり改まりました。こんなに多彩で美しいものだったとは。

Nさんに大感謝です。
こんどはサボテンの花たちが一斉に咲くという春に訪ねてみたい。


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2015/12/06

ツーソンのサボテンとレモンメレンゲパイ


仕事で、3日間ですが、アリゾナのツーソンに行ってきました。
シアトルが氷点下になる寒さだったので、アリゾナであったまれる〜!とウキウキと薄着でいったら、空港降りた途端に寒くてびっくり! 
寒波が来ていたらしく、シアトルより寒かった…。最終日は日中20度C台まで上がったのですが、砂漠なだけに温度差が激しいようです。



商談の合間に、こぢんまりしたダウンタウンにランチに連れていっていただきました。
ランチのあとで寄った、アムトラックの駅。

土壁によく映える、枝も葉もとても細かい木のレース編みのような影。

幹も緑色。この綺麗な木は何だろうと思っていたら、これがアリゾナ州の州木、Palo Verde(パロヴェルデ)なのだそうです。


幹でも光合成ができる、砂漠地帯の木。


こちらはアリゾナ大学前の美術館の前庭。
空港を降りた瞬間から、サボテンたちの大きさと豊富な種類、迫力のある姿に感動しました。

日本やハワイで見るサボテンとは違い、棘の一本一本までツヤツヤと生気にあふれてて、強そうです。

やはりその土地に合った植物は元気が違う。
砂漠地帯なのに植物の種類が本当にたくさん。


お昼をいただいたのは20世紀初めに建てられた古いホテルにあるおしゃれなレストランでした。
このホテルには1930年代、ジョン・デリンジャーという銀行強盗のお尋ね者とその一味が宿泊していたというカラフルな歴史があります。
本物のワイルドウェストの小さな町だったんですね。

ダウンタウンは最近になって古い建物に気の利いたカフェやレストランなどができ始めて、活気づいてきたそうです。


美しいレモンメレンゲパイ。


デザート棚には古風で正しいアメリカンデザートがいっぱいでした。

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2015/12/01

モネの肖像、Intimate Impressionism


シアトル美術館の「Intimate Impressionism」展に行ってきました。

Intimate も訳すのが難しい言葉です。「距離が近い」という意味だけれど、それは実際の距離である場合もあり、心の距離であることもある。うちとけてくつろいだ、というニュアンスがあることも。

インティメイトというだけに大作はなく、小さな肖像画や静物などが多い、静かな印象の展覧会でした。ナショナルギャラリー収蔵品。


一番に目についたのはこれ。
ルノアールさん筆の、クロード・モネさんの肖像。1872年。
モネさん32歳。いい男!晩年のモネ爺さんの写真は有名ですが、若い時からヒゲはこのスタイルを貫いていたんですね。

この肖像が描かれた72年は、「印象派」という名前のもととなった「印象・日の出」をモネが描いた年。

のちに印象派と呼ばれるようになった画家たちの作品を集めた最初の展覧会が開かれたのはこの2年後。

当時の権威あるアカデミーに反逆する若い画家たちが夜な夜なカフェに集まって革命を起こそうとしていたころの、血気盛んな画家による血気盛んな画家の肖像画。


ルノアールさんといえば光の中に溶けかかっているようなゆるふわな女性たちですが、親友を描いたこの肖像画でも、ヒゲの部分のふわふわ具合が素晴らしい。

そして、革命の旗手だけにゆるふわではないくっきりと鮮明な黒い画面の真ん中に、モネさんの手ががっしりと、乱暴なほどのストロークで描かれてます。

とても「intimate」な肖像画であると同時に、二人が共有していた、時代の担い手としての強烈な自負が溢れているようです。


セザンヌのかっこいい立体的洋梨。


マネのスタイリッシュな牡蠣とレモン。

様式を打ち壊す様式が新しい美しさを見つけた時代の、まばゆい野心に満ちた幸せな絵画たち。

(会期は1月10日までです。)

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2015/11/29

濃霧


今朝は深い霧でした。いつもは対岸にシアトルの街が見えるカークランドの湖畔。
こんなに小さな湖が、中国の大河みたいに見える。


気温は氷点下ぎりぎり。車の窓に霜が降りていました。


もうすぐ師走! クリスマスライトを飾り付けた家が増えてきました。

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2015/11/28

3センチ


サンクスギビングの日の新聞は日曜版並みにずっしり。中身をあけると、ほとんど翌日のブラックフライデーのセール広告でした。

重ねて測ってみたら、その厚さ3センチ。

年々エスカレートしているブラックフライデー、もはやフライデーですらなくサンクスギビング当日の午後6時から開けてる店もある中で、シアトル地元のアウトドア用品店REIは数週間前にブラックフライデーの休業を宣言して話題になっていました。

金曜日にスターバックスに行ってWiFiを使ったら、最初に出てくる画面にアンケートがあって、「Black Friday : Yay! or Nay!」という設問。

このインスタント調査のインスタント結果では60%以上の回答者が「Nay」と答えてらっしゃってました 。母数は謎。


10年くらい前、ブラックフライデーという名のセールが始まったばかりの頃にハワイのアウトレットの深夜セールに友人と子どもたちと一緒に一度行ってみて、夜中のお祭りみたいでおもしろいー!と子どもと一緒になって興奮してましたが、もはやお買い物競争(闘争?)に参加する元気はありませぬ。


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2015/11/27

今年のサンクスギビング


今年のサンクスギビングは、息子のガールフレンドKちゃんのおうちに招かれていきました。
わたしは例によって、南部ふうのカラードグリーンとヤムを持っていったのだけど、余計なことをした。反省。


七面鳥にスタッフィング、グレイビー、ヤムとリンゴのオーブン焼き、おばあちゃまのレシピだというテーブルロール、クランベリーと砂糖がけペカンののったサラダ、マッシュポテト、グリーンビーンズ。デザートはパンプキンパイ、ペカンパイ、手作りのクランベリー&チーズのアイスクリーム。

東海岸出身のKちゃんパパが全部いちから作った、伝統的なディナーをたらふくご馳走になりました。

Kちゃんママは一度パスタを作っていてキッチンを破壊しそうになったという逸話の持ち主で、キッチンを仕切るのはいつも旦那さんの役目。

でも食卓の上にはKちゃんママの作った美しいキルトのテーブルランナーが敷かれていました。


テーブルの脇でおこぼれを待つミカちゃん。

今年も健康に平和にあたたかく過ごせていることに感謝。


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ゲイの街と波止場


世間は感謝祭の休日です。
シアトルもすっかり冷え込み、山には雪が積もって冬仕様になりました。
…ということには全く関係なく、金門橋で思い出した、真夏のサンフランシスコ。


一日観光に同行してくれたB嬢がサンフランシスコの街で見てみたいといった場所は、カストロ通り。


ゲイの街として世界に知られるカストロ通りです。でっかいレインボーの旗が翻っていました。町中がレインボー。
ちょい頭の薄いおっちゃん同士のカップルが手をつないで歩いているの姿もあちこちに見られて微笑ましかった。

数年前に法律で禁止されるまでは、真っ裸で路上を歩いている人もけっこう普通にいたというタウンです。たしかにアダルトショップや男性用ビキニショップもあることはあるけど、普通にスタバやラーメン屋さんや食料品店も並んでおります。

私はツーリスト向けのペット用品屋さんで友人の犬たちにお土産を買いました。

横断歩道もレインボー。
世界中から巡礼のように観光客が来るゲイの聖地。みるからに観光客なゲイのおっちゃんカップルがけっこう多かった。
私たちもアジア人女性カップルにみえたのかもしれません。


砂糖菓子のような外壁と装飾タイルが素敵な映画館、カストロ劇場では、ヒッチコック特集をやってました。


そして次にはフィッシャーマンズワーフ/ピア39という、黄金のツーリストスポット。
夏の終わりの見事な快晴の週末でしたのでもうそれはそれは大変な人出でした。

観光客の数でいったらシアトルはまったく比較にならないですね。とにかく人が多い。


ここの名物はアシカの団体。いつもこの場所はこんな感じだそうです。1989年から突然アシカが集まりだしたのだとか。


波止場に重なる団体。
時々シマを巡ってバトルが繰り広げられます。

そしてカニたち。フィッシャーマンズワーフに屋台が並んでて、チャウダーとか海老カクテルとかゆでカニのサンドイッチなどに観光客が群がってます。
私もカニいりコロッケとチャウダーを食べました。うまかった、でも高い。


混み合うフィッシャーマンズワーフ。この界隈はTシャツとか帽子とかショットグラスとかキーホルダーとかを売ってるオミヤゲ屋さんがずらーっと並んでて、日本のどこかの観光地みたい。


クルマでちょろっと一周してみたら、やっぱり坂道がダイナミックでした。波打っている。
AT車でなければ涙でたと思う。
サンフランシスコ名物トロリーにはツーリストが鈴なりになってました。


トロリーがごうごうと通りすぎていく坂道の素敵窓。


古い建物も多いけど、昔風のデザインを真似た新しいビルも多いのが面白い。
また機会があったらゆっくり歩いてみたいです。

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