2012/09/19

バッドランズの動物たち


Badlands National Parkでは、公園の中のロッジCedar Pass Lodge に宿泊しました。


こんなロケーションのキャビン(「離れ」というか、小屋)で、1泊税込み90ドルくらいでした。

バスタブやテレビやインターネットはありませんが、とても清潔な部屋で、シャワーも普通に使えます。まったくアメリカの国立公園って、ホテルを一歩出れば大自然のはずなのに、異常なまでに快適にすごせます。


お部屋はこんなでした。これは「historic cabin」。これから建て替えるみたいです。
難をいえば窓が壊れていた(笑)。エアコンもついていたけれど、夜は涼しくて必要ありませんでした。4月から10月までの営業です。

息子は星が見たいといって、屋根の上に寝袋を出して寝てました。
コヨーテが吠えているのが聞こえて、満天の星空で最高だったそうです。


レストランとショップとロビーを兼ねたセンターが、小屋から徒歩2分の距離にあります。
レストランはちょっとオーバープライス。なかみはアメリカ版ファミレスです。
こんなところで美味なレストランを求めるべきじゃないですが。


ハイキングトレイルの入口。


Badlands、悪い土地。というのはここを横切ろうとした白人たちのつけた名前でしょう。

テレビシリーズの『ロンサム・ダブ』でも、牛の群れを連れて北上してきたテキサスのカウボーイたちがここを横断して、死にそうになる場面がありました。

今は舗装道路が国立公園内をぐるっと回っていますが、車で運転していてもえんえんと続くバッドランズに圧倒されます。

ここを徒歩で横断しなくてはならない旅人にとっては、ほんとに悪夢のような土地だったことでしょう。


正午近く。ぽつんと1本だけ立っている木の下に、鹿の親子が。まわり一帯、ここのほかに日陰はないのです。炎天下は摂氏40度。
こんな環境で子どもを二人も育てているお母さん、大変すぎる。


乾いた砂でできている山々は、どれもババロアか焼き菓子のような、おいしそうな色合い。ピンクと白の縞模様や、黄色とピンクの上に白が乗っていたり。


 よく見ると谷あいには細い流れがあるか、または雨水が長くとどまっているらしく、谷に沿って緑がちらほら続いていました。


岩の丘陵地帯が終わると、大草原の生き物たちの生活ゾーン。


草原の入口には若いbighorn(ビッグホーン、大角羊)がいました。1920年代にこのあたりでは乱獲で絶滅してしまった種ですが、そのあとほかの州から再導入されたそうです。


バッファローも同じく、いったんこの地域からすっかり消えてしまい、再導入でまた増えてきている保護動物。
この大草原を覆い尽くすほどの大群がいたのに、わずか数十年で絶滅寸前にされてしまったという想像を絶するスケールの乱獲が、まさに『大草原の小さな家』の時代に進行中だったんですね。

バッファロー達はすこしも人を恐れません。ゆうゆうと道を横切っていきます。
保護される動物になってから1世紀。もう何世代も、追いかけられたことはないんですもんね。


草原には見渡すかぎり、プレーリードッグの広大なタウンが広がっていました。

小学生の頃、『大草原の小さな家』でローラがプレーリードッグを追いかける場面を読んで以来、本物のプレーリードッグをいつか追いかけてみたい!と熱望したものでした。あれから数十年。ほんものをやっと見られました。

でもここのプレーリードッグたちは、Devils TowerやWind Caveにいたのよりずっと警戒心が強くて、車でそろそろ前を通る間は草原の上で活動しているのに、車を下りて徒歩の人間が近づいてくると、さっと穴にかくれてしまいます。他の場所より天敵が多いのか。

 (拡大図) 何度も車を停めて写真を撮ろうとしたのですけど、人間が車から降りた気配を察すると、ハッ!として全員がさっと穴に隠れてしまう。

(さらに拡大図)ハッ!としているところ。この1秒後には地面の下に。

後ろにいるのは、 アンテロープ/プロングホーン。国道沿いの畑にもうろうろしているのをたくさん見かけました。恥ずかしながらこんな動物が米国西部にいるとは知らなくて、夕暮れに広い畑で水を飲んでいるアン テロープの群れを見た時には、てっきり牧場で趣味で飼っているエキゾチックな動物だと思ってしまいました(「ラマ牧場」みたいに)。アフリカから連れて来られたのかと思った ら、これは固有種なんですね。
望遠レンズではなかったのでこんなボンヤリ写真です。


きちんと撮影できたのは、プレーリードッグ不在の穴たちばかり。ちょっと前までこの穴のとこに立ってたのに!



これは朝の散歩で出会ったウサギ。

「バッドランズ」と呼ぶのは人間の勝手で、動物たちにはここがスイートホーム。苛酷な環境に見えても、意外に賑やかに生きものたちが暮らしているのでした。


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2 件のコメント:

  1. おおお うさぎですね。自然の中にあって とてもゆったりと。ビッグホーンもバッファローも SHUくんも。コヨーテにたべられなくてよかったね。
    いい旅をされました。

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    1. ウサギには決して楽な環境ではなさそうなのですが、ゆったりとして見えますねえ。近づいてもあまり動じないウサギでした。
      コヨーテに食べられなくってよかったですw 先日、シアトルの植物園でもコヨーテを目撃しました。このへんにも結構、いるみたいです。

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