とりあえず日本でまっさきに食べたものは、ミスタードーナッツの「ポン・デ・なると金時」と「ポン・デ・抹茶」でした。もちもち~。
ロハスでお洒落な「はらドーナツ」には行く機会がなかったけれど、ミスドには駅からバスに乗って帰るたびに毎回必ず寄り、弟(40代独身)にもノルマを強要してドーナツを食べ続けたのでした。だってポン・デ・ライオンが100円セール中だったし。
それでも3週間の滞在ではミッフィーちゃんのお皿がもらえるサービス券(300円で1枚)8枚に届かず。6枚しか貯まらなかった。無念。やっぱりコドモがいないと消費量に限界がありました。
600円分のドーナツを消費して残り2枚をゲットするよう弟(40代独身)に命じて帰ってきたのだけれど、果たして弟はミッフィーちゃんをちゃんと入手しているでしょうか。心配です。
スカイツリーの下を通ったらこんな店もありました。ポン・デ・ライオン専門店であるのか。気になったものの、入りませんでしたが。
ポン・デ・ライオンはともかく、本当に普通のものが本当に異常なまでにおいしい!と毎回帰国のたびにマックスで感動します。
今回はトマトと豆腐、卵などの基本食材にまた改めて激しく感動しました。
シアトルで(ハワイでも同じだった)完熟トマトといったら、この1種類がデフォルトです。
これって品種名も特に書いてなくて、ただ「vein ripe tomatoes」として売っている。全米で流通してるのでしょうか。
アメリカに最初に来た20年近く前、「トマト」として売られているもののあまりのまずさに驚愕しました。だって中がジャリジャリで、食感がトマトではない。そしてまるで味がない。まるで壁紙かなにかを噛んでいるかのような味気のなさ。
たしかにサンドイッチやバーガーにはさむには切りやすくて便利かもしれないけれど、こんなものを食べることに何の意味があるのかと頭をひねるほどのまずさ。それはもう「赤くて丸い=トマト」という記号でしかなく、作物とも食べものともいえないように思われました。
ちょうどそのころ、マクロ経済101という大学1年生用の講座を取ってたのですが、講師の先生が何かの余談として、トマト収穫の作業者たちが一斉にストライキをして賃金が上がったために、生産側はトマトの品種改良をして、機械で収穫できるようにしてしまったのだという話しをしてました。それが本当なのかどうかは今に至るまで確かめてませんが、その時、なぜアメリカの野菜がそれほどまでにまずくて記号的でしかないのかが理解できた気がしました。
それから数年たって、ようやくこの↑↑↑「完熟トマト」がマーケットに出回るようになり、ああやっとアメリカでもちゃんとしたトマトが売られるようになった!と喜んだのですが、最近ではむしろ、機械で収穫できそうなジャリジャリのトマトはほとんど見なくなった気がします。少なくとも私がいつも行くシアトル市内のスーパー数軒ではみかけません。
と、書いたところで気になって近所のスーパー「バラードマーケット」に確かめにいきました。
上の「vine-ripe」完熟トマトのほか、イタリアのロマーノ種とチェリートマトがあって、それから、
この3種類。右上は最近見るようになった黒っぽい色のプレミアムトマト「KUMATO」。これは日本の野菜みたいにパッケージされていて、4個か5個入りで400円か500円相当。たしかに糖度が高くておいしいけれどもお値段がはるのであまり買いません。
左上は夏場だけ出回る「エアルームトマト」。形も色もバラバラで、ものすごくひねくれた形だったり、虫食いの穴があったりする。近い産地のものが多いようです。
そして手前は、これも最近見かけるようになった「スライス用トマト」。サンドイッチやバーガーにちょうど良い大きさの完熟で、水栽培で作られてるらしい。
やっぱりジャリジャリの機械化トマトはありませんでした。あれはさすがにもう過去の遺物だと思いたい。
かように最近アメリカでもトマトのチョイスが増えてはいるのですが、日本に行ってみたら、ちょうど旬のトマトの種類の豊富さとおいしさはまったく比較になりませんでした。
日本のスーパーや八百屋さんに並ぶトマトは種類が多くて、すべてがプレミアム。どのトマトも「完熟」というジェネラルな呼び名なんかじゃなく、ちゃんと名前がついてました。
「麗夏」という、ピンク色に近い上品な色のトマトを買って食べたら、繊細な甘さがおいしかった。
シアトルは食に関しては、地元の食材が比較的安くたくさん手に入るという点で米国のほかの地域にくらべてずっと恵まれていると思うけれど、日本の野菜の平均的な味の濃さと繊細さ、そして完璧なまでの美しさ !はまったく別世界。日本の野菜売り場の美しさにはため息がでます。アメリカの高級スーパーのプレミアム野菜だって、西友や京王ストアの普通の野菜に味も見た目もかなわないでしょう。
日本では車だけでなく、野菜も普通にピカピカです。
ハワイでもシアトルでも、スーパーに並んでるパックのいちごに1つ2つカビが生えてるなんて日常茶飯だし、レタスの外側は虫くったままだし。それで当たり前。完璧さを野菜に求める消費者はいません。
日本の市場ってすごい、ていうか消費者の要求のレベルの高さはすごい。
卵を割ってみても、黄身の色の濃さにびっくりでした。普通にスーパーで買った卵が、こんもりした綺麗なオレンジ色の黄身で、日本の卵ってこんなだったっけ、とちょっとショックを受けたくらい。
特に超プレミアムというわけでもなく、値段的にも、いつもシアトルで買ってる「ケージフリー(平飼い)」の一番安い卵(1ダース300円前後)とほぼ同じでした。
アメリカの食品はたしかに全体的には安いけれど、それはジャリジャリトマトとか何の肉だかわからない加工食品とかの大量生産しやすい食品の話であって、クオリティを入れて考えたら、日本の食品のほうがかなりお安い、と思う。
日本のマーケットって、なんでもスタンダードがやたらに高くて、なんでもけっこう安く手に入る。その分、べらぼうに無駄も多く、どこか目につかないところでその埋め合わせがされているのかもしれません。でもとにかく消費者にとってはこれほど選択肢が多くて恵まれた国って、きっと世界のどこにもないに違いないと思います。
にほんブログ村