先週金曜日、9月11日のシアトル、ガスワークス公園。
カリフォルニアやオレゴンからの「超巨大な煙の雲」がやってきつつあった週末です。
これらは、うちの息子が撮ってきた写真です。久しぶりにデジタル一眼レフで。
木工用の分厚いフィルターがついたマスクを着用して、この光の加減が面白いといって新しく作った靴の写真を撮りにでかけていきました。
わたしは終日家でるすばん。
向こう岸はシアトルのダウンタウンなのですが、ほとんどビルが見えない。
空気質が「軽度の汚染」から「中程度の汚染」になり、さらに「重度の汚染」になっていきました。
フィルターをかけたような世界。
オレゴン州では、山火事で住民の1割が避難しなければならなくなっているという事態です。
金曜日の夕日。水曜と同じサンセットヒル公園から見た景色ですが、オリンピック半島の山どころか、水面も見えない!
そして、翌日土曜日。いちばん煙がひどかった日。
朝起きたら、世界がオレンジになっていました。
この土曜日は、鳥も啼かないし、蝶も蜂も飛んで来ないし、人も歩いていないし、雪の日のように静かでした。
ただ雪の日のような清浄感はなくて、空気がどんよりと沈んでいて、いつもうるさいからすやジェイ(かけす)でさえ、しょんぼり。
同じ日の午後。
太陽が、はんこで押したみたいな弱々しい円盤になっていました。
終末感が半端ない。
家でこもるのはもう慣れているものの、窓も開けられない、散歩にも出られないというのはさすがにこたえます。
もちろん、家が焼けてしまったり、避難生活を強いられている人びとに比べたらまったくたいした不便でもありませんが。
そして今日、月曜日。オレンジではなくなったものの、まだぼんやりとした視界。
今朝の太陽は、銀屏風に金泥で描かれた日本画の日輪みたいでした。
雲だか煙だかが、眩しくない太陽の円盤の前を横切っていくのが見える、不思議な光景。
一日じゅう霧笛が響いていて(水路が近いのですが、どこから聞こえるのか不明)、それもなんだか不思議にわびしい気分を深めます。
ワシントン州のエコロジー局のサイトが提供している、リアルタイムの空気質マップ。
指標が200以上だと「Very Unhealthy(かなり健康に悪いレベル)」、300以上だと「Hazardous(危険レベル)」なのですが、月曜夜でもまだ300以上の値になっている。
これが「超巨大な煙の雲」です。ワシントン州「煙情報」ブログより。
画面右側の上半分がワシントン州、下半分がオレゴンですよ。二つの州をあわせたよりも大きい。これはまことにマッシブ。巨大すぎる。
2020年はこれでもかこれでもかと次々にいろいろやってきますね。来月は何が……。
ああ、もうすぐ選挙がある……。
シアトルは今週、雨の予報なので、煙を洗い流してくれるといいですね。
シアトルで雨を祈願なんて、これもめったにないことですが。
…といっていたら、雨が降り始めた(夜11時)。 とたんに空気が煙臭くなくなって、嬉しい。窓を開ければきれいな空気があるって、こんなに嬉しいことだったんだ(涙。
とにかく山火事が一刻もはやくおさまりますように!
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