2020/02/05

1月の舞踏


いつのまにかもう2月になってますね!ほんとか!

あっという間に過ぎ去っていた1月。きっと半分くらい気を失っていたのかもしれないと思うくらい早い。いっそそうだったらいいかもしれない。
いやでも、たまには出かけてましたし、いちおう社会人として活動もしている、ときどきは。

舞踏パフォーマンスだって観に行きましたよ〜。2回も!


ひとつめは1月19日。

激変しつつあるダウンタウンとSODOのさかいめあたりにひっそりと生き残っている稀有なスペース、Teatro de la Psychomachia(テアトロ・デ・ラ・サイコマキア)にて、恒例となった土方巽メモリアル・パフォーマンスを観に行きました。

去年は行けなかったのだけど、2017年2018年にも行きました。



舞踏家、薫さんは、今回、花魁のようなかんざしで登場。
(追記:これはかんざしではなくて実は、枯れた花とその実だそうです)


重さのない身体というかんじ。手の美しさよ。


あふひさんは、今回初めてのソロ舞台だったそうです。
(また追記:「シアトルでは」初のソロ舞台。日本ではすでにソロパフォーマンスされていらっしゃったそうです。確認しなくてすみません!)

背景は、テアトロ・デ・ラ・サイコマキアならではの祭壇。
ロウソクがすごいでしょ。
生きている炎です。



あふひさん、わたしが見た前回、一昨年の舞台では胎児〜戦災孤児だったのだけど、今回は、赤い紐につながれたなにかを、産み落としていらっしゃいました。

やはりこの人は、なにをやっても透明なイノセントな存在になってしまう。なんでも同じという意味ではなくて、それぞれにちゃんと命の重量がある無垢な存在として、孤児だったり母だったり、バーの女だったり。

ほんとうに、舞踏というパフォーマンスには演者そのひとの底にあるものがダイレクトにちらちらと現れる(出っぱなしではなく、チラチラとロウソクの火のように垣間見える)。


箱のなかに白い液体。これを自分に塗りたくる。
(あとから聞いたら、これ「もち粉」だったそうですw)。


だんだんと静かな存在になっていく。「ホワイトブッダ」。そのまま空気に消えそうな。


そしてこちらは、うってかわって明るいスペース。

日曜日の午後、パイオニア・スクエアのギャラリー、ARTXchangeで開催されたパフォーマンス。サイコマキアのあるじ、ヴァネッサさんと薫さんのデュオでした。

もう何年も続けて薫さんたちの舞踏をみせていただいてるけど、このペアは初めてで、今までにないエネルギーの組み合わせがとても新鮮で、面白かった。


テーマは「癒やし」。
床のうえにはられた結界。そのなかに舞う、黒と赤のタマシイ。

薫さんのパフォーマンスはいつもは「静」で超越的なアティテュードを持つ何かになっているけれど、ただそこにいるだけで激しい生命力をガンガン放出しているヴァネッサさんと絡むと、今まで見たことのないかたちが現れる。

なんだかどこかの古い森の樹の洞にフクロウと一緒に住んでいる精霊のような、不思議に明るいはっちゃけた個性が降臨していました。


フィナーレは、二つの精霊が金色の紙を会場に撒きまくる。

薫さんは今回、アーティストのYUKOさんのアイデアで顔にペインティングをして登場。そのために、一種の匿名性をもつ「お面」をかぶった存在としてあって、それもまたいつもとパフォーマンスのニュアンスが違うのでした。

そうか、お面というのは、なにかを演じるのではなくて、なにかでなくなるための装置でもあるのだな。

あっそうそう、音楽は、この上の写真の左側の奥にいる悲壮な顔をしたイケメン青年による、電子チェロの即興演奏。これがまたとても気持ちよかった。



休憩をはさんで第2幕。今度はヴァネッサさんの太鼓にあわせて、会場をあちこちさまよう白いタマシイ。


幻視アーティストYUKO ISHIIさんの、不思議なアートと語り合う。

会場でお久しぶりの方とも会えて、嬉しかったです。

弾劾裁判も呆れたことに予想どおりに終わってしまったし、不気味なウイルスが広がっているし、世界には本当に癒やしが必要ですよね。なんなのこの時代は。



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