2021/07/01

ご近所アトリエに波の絵を買いに

2日前の猛暑などまるでなかったかのように涼しい一日でした。朝の気温は21度C。

フットワークのかるい波乗り翻訳者えりぴょんは、よりによって猛暑の3日間だけシアトルに滞在して、ホノルルに帰っていきました。


一番の猛暑であった月曜日、えりぴょんのお気に入りアーティスト、 John Holmさんのアトリエを訪問しました。

えりぴょんがカウアイ島のギャラリーで見た絵が気に入り、アーティストとFacebookでやりとりを始めたら、なんと、その方がわたしのご近所さんだったという不思議なご縁。

うちのアパートから車で5分もかからない(iPhoneの地図によると「徒歩24分」)町内の、小さな古くてかわいいおうちで、裏庭の小さなガレージをアトリエにしていらっしゃる。




海軍でパイロットを務めたあとニューヨークで広告の仕事をしていたというジョンさんは、おそらく70代。近くに孫が11人いて、かわるがわる遊びにくるそうです。

いい人生ですね。

大胆な筆づかいとニュアンスのある色彩で、水や空気と光の表情をとらえた画面が素敵。
明るいだけではない詩情があって、わたしも好きです。

 


ハワイやカリフォルニアの波の絵のほかに、サウスウェストの風景を描いたシリーズもあって、濃紺の夜の空と、オレンジ色の明かりをともした建物の絵も、とても素敵でした。



素敵な古い薪ストーブのあるアトリエですが、暑さ対策はまったくされていないため、煮えるように暑かった。ジョンさんの奥様が冷たいお水を持ってきてくださった。

ジョンさんは大柄で、物静かで知的なアーティストの風情と、職人的な気質と、いかにもアメリカ人らしいDIYなバイタリティの感じられる素敵な方でした。

フレームも自分で作っているそうで、庭の一角にテーブルソーが据えつけられていて、えりぴょんにフレームのつくりかたを説明していました。






えりぴょんはこのサーファーの絵をお買い上げ。

ターコイズ色のペイントをラフに削って擦りきれた風情にした自作のフレームも絵にぴったりで素晴らしい。

画面まんなか、盛り上がって「バレル」をつくっている波の腹に陽の光が透けて、すこしくぐもった緑になっている、この色が見事。巻き上がった砂の金色、深みのある緑、澄んだエメラルドグリーン、ターコイズ、白い泡。こういう色になるんですよねー、ハワイの波って。

とくにノースのワイメアあたり。わたしは10年以上ハワイに住んでてもったいないことにサーフィンを一度しかしたことなかったけれど、ただ波を見に浜に行くのは大好きでした。


ちょっとサイズが大きめだったけれど、無事、機内持ち込み手荷物として持ち帰れたそうです。よかった。


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2021/06/30

夏の花束ときのこパスタ

猛暑の日曜日、ホノルルから遊びにきていた波乗り翻訳者えりぴょんと、バラードのファーマーズマーケットへ。

いつもは2時までのマーケットが、熱暑のために1時間早く店じまい。

私たちはちょうどその20分前に到着しました。暑かった。

猛暑のためにさすがに買い物客もまばらでした。

 


芍薬、ゆり、カラーなど、夏の花がいっぱいでカラフルでした。



マーケットのお花屋さんのセレクトのブーケはこれで各10ドルと格安なのだけど、とりあわせのセンスがいまいち。なのでいつも好きな花だけ単品で買ってきます。



華麗な芍薬。近所ではお庭に植えているお宅も多い。
うちのささやかな食卓が、急にここの一角だけ宮殿に。

香りも華麗で、バラとほとんど同じに思えます。

 

きのこの屋台で、きのこ詰め合わせをゲット。熱暑でお客も少なく閉店まぎわだったので、店のお兄さんがたくさんおまけしてくれました。

 しいたけ、エリンギ、オイスターマッシュルーム、なめこのとても近い親戚だという「シナモンキャップ・マッシュルーム」。

 


白ごはん.comのレシピで、きのこの和風パスタにしました。

にんにくとベーコンを炒めてきのこを投入、仕上げにバターと醤油をあわせるだけのシンプルなレシピ。 

とてもおいしかったです。

 

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2021/06/29

華氏100度の午後


最高気温華氏106度(摂氏41度)の予報もでていた昨日、月曜日。

気温は上がったけれど、そこそこ風があって、iPhoneの天気情報によると、午後4時の華氏100度、摂氏約38度が最高気温でした。

一歩そとにでるとむわっと煮えるような熱気に包まれるものの、まとわりつくような湿度がないし、風があるので、木陰に入ってじっとしていれば汗もかきませんでした。



グリーンレイクは水浴びする人や犬で混雑してました。

とにかく水に入りたくなる気温。しかしまだ6月なのよね。



きょう火曜日は、最高気温30度Cという、シアトルにしてはちょっと暑めではあるものの、通常運転の夏にもどりました。

午前中、そとの木陰で本を読んでいたらちょっと肌寒かったくらい。




ノースウェストはチェリーの季節。

グルメでまめなスーパーお母さんPちゃんからいただいた、ホームメイドのチェリーリザーブ。うまうま。


 


ホノルルから弾丸旅行でやってきたいつもながらフットワーク軽い波乗り翻訳者えりぴょんとともに、Pちゃん邸で深夜の饗宴におまねきいただきました。
ご子息の焼いたローストビーフ、そしてシーズンのカッパーリバー産サーモン。



塩だけでグリルしたサーモンがうますぎ悶絶。

Pちゃん邸の冷蔵庫とパントリーからは、産地直送(まじで)の新米から魚やら分厚い肉やらデザートやらが次から次へと出てきてミラクル。童話のなんでもでてくる袋みたいだ。

「ばりばり働く」というのはこの人のためにある言葉だろうと思わせるほど働きもののPちゃん。おいしく食べることにもほんとに楽しそうに力を注いでます。

いつも生活を楽しんでるなあ、と思うし、まわりの人にもこうやっておいしい生活を分けてくれる。おなじシングルマザーでも力量が違うなあ…。。(´・ω・`)。。。 

 


昨日は「Due to heat」(熱波のため)で地元のドーナツ屋さんもカフェも時短営業。
ドーナツをもとめて、久しぶりにクリスピークリームに行っちゃいました。 

湖で水につかる人びとを眺めながら、ドーナツと冷たいコーヒー。


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2021/06/28

暑いです。


暑いです。
「シアトルが異常に暑いっていうけど大丈夫?」と、ルイジアナのグランマもカリフォルニアの友人も心配してテキストメッセージを送ってきてくれました。



きのう(日曜日)は36度C。きょう(月曜)は40度超えの予報だったけど、いまのところは微風もあってまだ過ごしやすい。


これを華氏で表示すると100度超えになってしまって、衝撃的な数字になる。

華氏100度は摂氏で約38度。100度を超えると、シアトルの人はみんな、オーマイガー!となってしまいます。



さいわい、うちのアパートはシアトルでは珍しくエアコンがついてます。冷房機能を使うことはめったにないのだけど、昨日の昼間はガンガンに稼働させてました。

冬に湿気がおおくてカビが生える問題があったので、数年前に大家さんがうちとすぐ下のあまり日当たりのよくない2ユニットだけにエアコンを導入してくれたのでした。同じビルでも南向きでものすごく日当たりのよいお部屋にはついてないので、申し訳ないようです。

お向かいの家の窓にも、今日ふと見たら、先週までなかったクーラーが装着されていました。
熱波が来るというのであわてて冷房装置を買ったおうちが多かったみたいです。



猫シッターも無事終了。
青年はこの週末、前々からの計画で友人とキャンプに行ってしまったので、ハワイからちょうど遊びにきた波乗り翻訳者えりぴょんに引っ越しをお手伝いしていただきました。




ミンクスちゃんはさいごの2日間ばかり、ようやくわたしたちに口をきいてくれるようになりました。

ようやく持ち運びもさせていただけるようになったところだったのに、なごりおしい。

 


前庭にはラズベリーも実っていた。


熱波は、あさって頃には山を越す見込み。


建物の外に一歩出ると、もあっと熱気に包まれるこの感じやアスファルトの強い照り返しが、日本の夏のようで懐かしいです。



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2021/06/25

虹と窓のデザイン


窓辺の虹。

化学療法のときに、抗がん剤の副作用をやわらげるためにまたいろいろな薬剤を入れるのですが、そのなかにステロイド剤もあり、0.25mgというごくすくない量に減らしてもらっているにもかかわらず、投薬日はパッキリ目が冴えてまったく眠れません。

そんな日の明け方、リビングで本を読んでいたら、窓辺に小さな虹がちらちらとあらわれました。



このお宅は、たぶん意匠からすると1930年代前後の建築だと思う。

お庭に面したこの大きなリビングの窓は、ご当主のDOMさんが自分でインストールしたものだそうですが、東がわの窓はおそらく建造当時からのオリジナル。



この窓です。この角度のついた美しい窓をとおってくる朝の光が、きれいなプリズムになるんですね。

 


 

すぐ外に植えられている竹の明るい緑や、歩道沿いのプラムの木の深い紫色の色合いも、このガラス越しに見るとことのほか綺麗です。




このリビングにぼんやりと座っていると、デザインって知性と思想だなあ、としみじみ思わされました。

世界の何が美しく機能的だと考えるか、世界にどんなふうに心を動かされるか、それがなぜだかを考え、表明するのがデザイン。

90年ほど前にこの家をつくった人や、そこに手を入れて丁寧に住んでいる人、椅子やテキスタイルやアートピースをつくった人の意思と知性をふつふつと感じます。

どんなものでも、だれかが考え、手をうごかして作ったもの、て、本当に当たり前のことなのですけど、その意思や思索を、ふと、目の前にその人がいるように、リアルに感じられると、文学や絵画などの作品に心動かされるように、<つながった>感じがします。

 


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2021/06/24

混んできた。そしてガスの威力


青もみじ。

今週末はなんと39度Cという猛暑の予報も出てるけど、今日あたりはもう本当に爽やかな初夏の一日です。


京都のカフェにでも来たような妄想をしつつ(行きたいなあ京都!)、まったりできる幸せなお庭。
あと3日ほどの近所リゾート暮らしです。

先週末あたりから、ちょっと外に出るとずいぶんと道が混んでるなあ、と思うようになりました。
シアトルではワクチン接種がほぼ完了し、飲食店も賑わっているし、もうみんなやる気満々で夏にのぞんでいる感じです。



姫君もほんの少しだけど打ち解けてくれるようになり。

目があうたびに、「やはり釈然としない」という顔をされるのだけど。



そして、キッチンがガスグリルだっていうのがうれしい。

うちのアパートは電熱器みたいなグルグルしたやつなので、火加減のあんばいがぜんぜんできない。

焼き物がかりの青年は、電気コンロの2分の1の時間で肉が焼けるといっていました。




特売ステーキ肉もこんがりおいしく焼けました。

 


フレンチトーストもきれいに焼けます。
電気だと、つい焼きすぎたり生焼けになっちゃうのです。

 

 

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2021/06/23

本当にひどいお父さんの話



夏至でしたね。あっという間に夏が到来していた。

化学療法、今回は1週間長めにあいだをあけたのだけど、なぜかものすごく目が回って、週末はほとんど寝てました。

そして、父の日でしたね。世界中のお父さんたち、おつかれさまです。
お父さんのお役目をどうぞ楽しんでくださいね。

先週は大きな案件を納品したあと、予定通り圧倒的に暇になったので、もう何年も前から積ん読になっていた山のなかからほぼ無作為にひっぱりだした『アンジェラの灰』を読みました。

1930年代から第二次大戦をはさんで戦後まもないころまでの、アイルランドの超超貧乏な家族の話。

これに出てくるお父さんがもう、ほんとうにひどい。

作者は19歳で単身アイルランドからアメリカにわたり、苦労のすえ高校教師になって荒れた高校の生徒たちにシェイクスピアや詩を教え、自分のことを書くようにすすめた人。

そして、生徒たちにすすめていたように、自分でも子ども時代を描いたこの本を退職後に書き上げて、ピューリッツァー賞を受賞した作品です。

次々に子どもを失いながらも生み続ける母、アンジェラも、飲んだくれの父、マラキも、底意地の悪い学校の先生たちも、地獄と永遠の罰を持ち出して脅すことしかしない司祭たちも、そのほか意地悪でシンプルな欲にまみれている哀しい大人たちも、この作者はとても落ち着いた、ジャーナリスティックな目で描いている。だれも美化せず、断罪もしない。

ひどい大人ばかりのなかでも、ほんとうにひどいのがお父さん、マラキ。不況の町でほとんど仕事につけず、たまに仕事があると、おなかを空かせて妻と子が待っているにもかかわらず、給料をすべて飲んでしまう。

なるほど、こういうお父さんが何千人も何万人もいたら、それは、お酒さえなければ…と、禁酒法がグッドアイデアだと思えてくるかもしれませんね。



圧倒されるばかりの不憫で重い話だけど、語り手が子どもで、素直な子どもの視点で描かれているので、あまり暗い感じはしない。

ちょうど近所の無料文庫で原書を見かけたので、もらってきました。

青年が読み始めたのだけど「夏の爽やかな日に読む話じゃない気がする」と言ってました。

 


バゲットがかちかちになってしまったのでブレッドプディングを作りました。




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