2021/01/01

雨の元日


あけましておめでとうございます。

2021年のお正月も、無事穏やかに迎えることができました。
すべて穏やかな年とはいかないかもしれないけれど、今年も日々たのしみつつ、過ごしてまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。





今年はおせちを放棄。

友人たちはみな伊達巻焼いたり、お煮しめ作ったり、偉すぎる。みんなお仕事もプロフェッショナルで忙しいのになー。

しかも餅まで自宅で作るスーパーママPちゃんが、年末にお餅と日本から持ってかえってきたピカピカの新米、自家製梅干しなどのお宝をさしいれてくれました(涙)。うれしすぎる。

黒豆は、セントラルマーケットで買ったできあいのものです。

 


 焼くとまるでパンみたいにコロコロとふくらんで、かわいいったらないお餅たち。

 


お雑煮だけはなんとか作りました。水菜、かまぼこ、鶏肉、里芋。ゆずがないので、瓶入りゆず果汁。


午後は、薬注入のポンプを外してもらいにクリニックへ。いつもの医院がお休みなので、サウスレイクユニオンの大きな病院にて。ここはユニオン湖がみわたせて眺めがよい。しかし雨。

ほかが休みなので元日からけっこう混んでいて、「きょうは110人も患者さんが来てるのよ」と担当してくれた可愛い看護師さんが言ってました。休日返上の医療スタッフのかたには本当に感謝です。 

 


久しぶりに都会をみた感。ここ10年で激変したシアトル・サウスレイクユニオン地区、まだ建設中のビルがこんなにあるのねー。ほんとにすっかり見たことのないピカピカな街になっている。


 駐車場が1か月330ドルですかー。東京都心ほどではないにしても。

 


雨のフリーモント橋。

音をたてて降っているかなり本格的な雨のなか、ジョギングをしている人が何人もいた。

「あれはニューイヤー・レゾリューションだよ」と、うちの青年。
新年から走る!と決めたんだよきっと、と。

そういう本人も、年末に買った新しいシューズを試したくて、すこし小止みになった雨のなかを走りに行ってました。




 フリーモントのレーニンさんは、クリスマスの星を冠にしていました。

がっしり重厚で、なかなか良い彫刻だよね。

静かで穏やかで、なかなか良いお正月でした。
良い年にいたしましょう。

 

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2020/12/31

今年と来年の抱負とグレート・ギャツビー


いくら2020年とはいえ、蟹インフェルノで1年をしめくくるのはいかがなものかと思いましたので、 抱負のことでもおはなしいたしましょう。

今年の抱負は、「罪悪感なしに生きる」ということでした。

これはだいたい、8割くらいは実現できたかな。

2021年の抱負はいくつかあります。攻撃性を手放す。動機をたしかめる。世界を信頼する。

この3つにくわえて、正直でいる。ということは死ぬまで常に実現しつづけたい抱負です。

 


こないだ村上春樹訳のフィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』を読みました。
前に読んだ気もするけど例によってまったく覚えてやしませんでした。

で、きょう、ごはんを食べながら1974年版の映画『華麗なるギャツビー』を観ましたが、すごくよかった。

最初はディカプリオがギャツビーをやってる2013年版を観ようとおもっていたのだけど、YouTubeで予告編を観て、うーんこれはちょっと思ってたのとちがう、と感じ、検索しているあいだに1974年版というのがあることを思い出し(未見でした)…。

1974年版のは、脚本がフランシス・フォード・コッポラなのですね。

 


VOGUEより。スーツのデザインはラルフ・ローレンなんだって)

 

舞台も、豪邸も、パーティーの様子も、音楽も、登場人物の服装も、話し方も仕草も描き方も、小説を読みながら想像したとおりという、めずらしい映画でありました。

たいてい原作のある映画って「そこは違う」と思うことがあるものだけど、この作品に関しては、まじでまったくなかった。というよりもむしろある意味、作品世界をより精細に見せてくれた、すごい映画だと思いました。
そうは思わない人もいるでしょうけれど。

小説の筋書きや人物像が、映画を観ながらさらにくっきりと理解できるというか、体験できて、理解が深まった気がしています。

ニック、ギャツビー、トム・ブキャナン、デイジー、ジョーダン、そして修理工のウィルソンとその愚かな妻。この人物たちがほんとによかったー! 原作のイメージそのまんま。

 

 


 

特にギャツビー役のロバート・レッドフォードと、デイジー役のミア・ファローが輝いてました。ミア・ファローの存在をすっかり忘れていた。この人の顔、すごく好き。

無邪気で美しくて強烈に魅力的で、繊細でイノセントで知性も高いのに、結局は富がもたらす快適さだけを頼りに生きてしまう富裕層の娘、デイジー。

最下層に近い層の出身で、強烈な意思と魅力で社会の階段を強引にのぼり、少年のような素朴さで金持ちの娘デイジーを崇拝するギャツビー。(テレビシリーズの『マッドメン』の主役ドン・ドレイパーは、ギャツビーが下敷きになってるのかもしれない、とふと思った)

デイジーやその夫で超利己的で自分のひどさを顧みないトム・ブキャナンのような人たちは、2020年にもたくさんいすぎる。

 終わりの歌もほんとにひどくて最高です。

「金持ちはますます金持ちになるし、貧乏人はそのまんま。でもいまは楽しいことしよう」みたいな歌詞で。1920年代と2020年があまりにも似ていることに戦慄します。

21世紀に1930年代が再来しませんように〜〜〜〜!!!!

2021年が、ニックのような真摯で優しいひとたちをたくさん生む、良い年でありますように。

 

 

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ノームの謎と蟹インフェルノ


年の瀬ですねー。日本はもうカウントダウン間近なのね。

雨が降ったりやんだりの火曜日。雨もようのフロントガラスごしに撮ったらこんなちょっと気持ちの悪い仕上がりになりました。

なんと、うっかりしてたら、年越しは抗がん剤を入れながらってことになっちゃった。

 


 こんな年末に今日は3時間以上、クリニックで点滴。

 

 

このように快適な個室ですが…なぜか窓の外の植込みに…

 



こんなやつらがこちらを見ている。





アメリカ人の「ノーム」好きは、世の中でよくわからないことの一つです。
個室の窓から見えるこの植込みにこういうノームが10体以上配置されていて。なかにはズボンをまくってケツをみせている奴までいる。

患者の心を癒やすためというよりは、もしかして手の込んだ嫌がらせなのかと陰謀論を考えてみたくなる。きっとどこかの善意のご婦人が寄付して設置したものなのでしょうけど。

 


隔週水曜日から金曜の午後までは、こんな子と一緒につながって寝起きをしています。

こんな治療もあともう1回。のはず。

今回はよりによって元旦に病院詣でです。まあ2021年の幕開けにふさわしいのかもしれない。

今年のお正月にCTちゃん夫妻につれていっていただいた神社は、完全予約制になっているそうですし。シアトル高野山は年越しお護摩を配信するのかな。




近所の木が「Wish tree(願いの木)」になっていた。発想は七夕ですね。

「COVIDが終わりますように」という短冊がかかっていました。



 病院のかえりに、セントラルマーケットで買い出し。ここは広いし、アジア系の食材もわりと充実しています。かまぼこや黒豆もあった。

やはりいつもより混んでいたけど、ソーシャルディスタンスがまもれないほどではない。
でもアメ横的な混雑した市場がなつかしいなー。

ここのシーフード売り場は、こずも食堂かなぼんさんもお墨付きの鮮度のよさ。さすがにダウンタウンの日系スーパー宇和島屋さんのように、刺し身のサクとかウニとかはないけど。

いきの良いカニが大量入荷したのか、いつもは静かな諦観のなかにあるカニの水槽が、きょうは大騒ぎでした。

 


 元気なやつが、ほかのカニを踏み台にして脱出をはかっていました。まさに蟹地獄。

 

拡大。こわかろう。

これを見てしまったからというわけではないけど、明日の大晦日の夕飯は鶏団子鍋にして、シーフードはスルーしました。

金子みすゞの「大漁」思い出しますね(聞いたことなかったらググってみてね)。


 

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2020/12/29

ドロヘドロ愛。


 これはかなり前にバラードのダウンタウンで見た壁画。

まじでもう年末なんですか。

「ちょっと正月を延ばしてもらいたい」とCTちゃんに言ったら、

「あなた2020年が延長になるってことでいいんですか。延長料金高くつきますぜ」

と言われました。延長料金払ってまで延長するのは嫌だ。


 

ドロヘドロの話でもしましょう。

ここ数年、日本から出てくる新作アニメがつまらないなーと思ってたのだけど、Netflixでたまたま見つけた『ドロヘドロ』が、めっちゃ面白かった。



久々にオリジナリティのあるアニメが見られた感があって嬉しい。ほんとに最近の日本のアニメって、なんだろう、味のない金太郎飴みたいなの。

『ドロヘドロ』はそのなかで元気に異彩をはなっていて。なんなんだろうこの作品は、とぐぐってみたら、2000年から18年間連載されていたマンガが原作でした。
かなりコアなファンがたくさんいて、愛されている作品のようです。わかる。

原作は23巻まである。


アニメは12話でいまのところ終わっているので、続きが待たれる。いますぐ見たい。
ドロヘドロ・ロスがしばらく続いてます。

うっかりKindleで全巻買ってしまいそうな自分を必死におさえているところ。

じつはブラックフライデーセールで1〜5巻まで買ってしまったのだった。

原作の絵はちょっと大友克洋っぽいタッチでもあり、いろんな画材を使っているらしくて、世界のかきこみがおもしろい。

うううう、全部読みたい………。ニカイドウはどうなってしまうのだろう。カイマンは。

 



地獄のように荒みきったディストピアで、異次元の国から魔法使いたちが時々あらわれては人間を実験台にして改造してしまうという夢も希望もない設定で、魔法使いと人間の主人公たちはそれぞれいっさいの躊躇なく殺し合う殺伐としたはなしなのに、キャラクターがそれぞれ中学生のように純情でかわいい不思議。

グロい場面を思いきり描きながら、登場人物に嗜虐的なひとがほぼ皆無で、なんだかみんな自分の行いから乖離している。

どんな人が描いてるんだろうと思ったら、原作者の林田球さんという方はなんと、上野の芸大油絵科卒業の女性だそうです。へえええー。

内臓がベロリと出てしまったり首がちょんぎられたりするグロテスクな場面が多いけれど、なんだか不思議に超越していて、おもしろいですよー。

カイマンかわいいよー。クールなシン先輩も。



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2020/12/28

霜の朝


 うわー、今週はもう年末年始なんですか! なんてこった!

冬至も過ぎて、すこしずつ日が長くなってきたとはいえ、日の出は7時57分。


きょうは日の出前に起きて、やっべーすげー早起き!と思ったけどぜんぜん早くありませんでした。


朝、日の出のすこしあとに散歩に行ったら、霜がおりていました。

 


朝の空気は新鮮で気持ちがよいなー。早起きは三文の得ですねー。きょうは快晴。

スターリングやロビンが大騒ぎ。鳥がぜんぜん啼かない日もあり、ありとあらゆる鳥が近所中で啼いている日もあり、不思議です。


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2020/12/27

ハムの謎


メリークリスマスでした。

今年は不思議なクリスマスで。

コロナにつき、いつものように友人たちと集まることもできず、家で息子と2人だけなのでとてもシンプルつまり質素。

クリスマスツリーの下に青年がならべてくれたプレゼント。数はたくさん、だけどナカミはレモンだったりザクロだったり(笑)。なぜザクロ。
そしてお気にいり紅茶やさんの紅茶や、チョコレート。包装紙も手作りで。

わたしからは本2冊。質素きわまりないけど気分は充実です。


 

ことしはハムを焼いてみよう。という計画で、23日の夕方に青年がスーパーで買ってきたのは9ポンド(4キロ)のハムのかたまり。なぜだ。

3分の1は冷凍し、1ポンドくらいはCTちゃんちに押しつけ、そしてクリスマス明けてから3日間、いまだにハムを食べ続けています。

もう火がとおっているはずなのに、さらにオーブンで1時間半焼くというのがよくわからない。ブラウンシュガーと蜂蜜とシナモンやナツメグを混ぜたソースをかけて焼いたので、きれいなグレイズができました。



 あとはマカロニチーズといんげんと、ヤムのサラダだけの、シンプルなディナーでした。

マカロニチーズはホワイトソースの中にチーズをしこたま入れてチーズソースを作り、マカロニに混ぜ込むレシピで、クリーミーでおいしかった。

今年はコロナ禍のために、ホリデーにも義理の家族と義理で集まらなくて済んで嬉しい、という声をあちこちで聞きましたww

コロナのおかげで、結局一番必要で大切なものが何かをよくよく見つめることができた1年だった、と思います。もちろん、のんきにそんなこと言えること自体が、とても恵まれているのだけど。

食べるものがあるだけでなくしょっぱいハムだとか文句をいうことさえでき、住む場所があって、ツリーさえ飾れて、心から楽しく一緒に祝える大切な家族がいるって、ほんとうにメリーメリークリスマスでした。

これであと、こたつと猫と温泉があったら言うことなしだけどな。そしてオーシャンビューでねww

 


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2020/12/20

今年もアグリーに。



近所のスーパー、TARGETに行ったら、今年もアグリーなセーターやスウェットシャツが並んでました。


みんな、バーチャルのクリスマスパーティーで着るのかしら、これ?

そういう需要はけっこうあるのかも。

 



うちのわりと近くに、近所一帯が派手にクリスマスの飾りつけをするので有名な一画があります。前から聞いてはいたけど、はじめて行ってみました。

日曜の夜だったこともあり、見物の車で住宅街の道路が大変な渋滞になっていた。





家のデザインからすると、1950年代に宅地開発された住宅街のようです。

ミッドセンチュリー風のすっきりした2階建てや平屋のお宅が多く、市内にしては前庭も広々していて、敷地が広い。いいなあ。ディスプレイもクラシックな感じが多かった。





 「ここには住めない。クリスマスの圧が強すぎて無理」とCTちゃんが言ってましたが、知らずに家を買ってクリスマスになったらびっくり、ていう人もいるのかなw

でも中には、まったくディスプレイをしていないお宅もいくつかありました。反骨精神w

 ぜんぜんディスプレイをしていない家の、日本風だけれどかなり思い切って刈り込んだ植木が面白かった。

うちの近所でも、巨大なサンタや赤鼻のルドルフがあちこちに出現してます。

もう明日は冬至なんですね。はやっ。


ネットのニュースを見るとただちに気持ちが荒むので、なにか圧倒されるような美しいものが見たいなあ。
美術館とか映画館とか大聖堂とか、人工の美しい空間に少し飢えてきています。
自然の中にいるのはもちろん一番の贅沢なのだけど、今は街の複雑さと建築物が懐かしい。

この数か月ですっかり文明が劣化してしまったような気がしているので、建築物や芸術の分厚い知性に目のアカを洗い流してもらいたいのです。



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