2019/06/11
バンクーバー空港のねずみ女
バンクーバー空港は楽しかったです。
土産物やさんに山積みされていた、これは……たぶん、ビーバー。
かわいいんだかかわいくないんだかよくわからない、アメリカンゆるキャラ。
スタバにあったカップもなかなか素敵なイラストでした。買わなかったけど。
ピンクのヘラジカに、そそられた。
このスタバのご当地カップ「You Are Here」 シリーズ、なぜ?と思うくらい、巨大で重い大陸サイズ。デザインはそれぞれかわいいのだけど。
さすがに考えたのか最近はミニチュアサイズも出てきましたが、まだ圧倒的に数が少ない。
バンクーバー空港はまだところどころ改装中みたいだけど、流れる水や植物と、先住民アートがたくさん配されてます。建築はあまり愛想がないのですけどね。
ロビーの真ん中にあった彫刻「Spirit of Haida Gwaii」。
Haida Gwaii(ハイダ・グワイ)というのは、ビクトリア島の北にある群島で、18世紀にイギリス人が勝手につけていった「クイーン・シャーロット諸島」という名前で最近まで呼ばれていたのが、先住民ハイダ族を尊重して「ハイダ・グワイ」という名がつくられ、2010年以降正式に名前が変わったそうな。
ハイダ族のアート、すごく好き。
ハイダのアートを最初に見たのはたしか、ワシントン大学のバーク博物館。
北方の激しい民族の物語性の強いアートに、なぜかものすごーーく惹きつけられます。
この彫刻は1998年に亡くなったハイダ族の大御所アーティスト、ビル・レイドさんの作品。
素材はブロンズで、翡翠のような色調に色をつけたもの。
まったく同じ型でつくった黒色の彫刻がワシントンDCのカナダ大使館前に設置されているそうです。ウィキによると、切手になったりお札にフィーチャーされたこともある、有名な彫像らしい。
カヌーは、とがった帽子をかぶったシャーマンを中心に、カラス、ビーバー、サメ人間、ヒグマの家族、カエル、ワシ、オオカミ、ヒトなど、超満員です。
手前にいるのはビーバーですね。平らなしっぽが目印。
その前に座っているのは、神話に出てくる、ヒグマの妻となった人間の女性。子どもたちを連れてます。
朝の山手線どころではない混雑ぶり。一番下にいて、みんなに踏まれて「ぐえっ」と舌を出してるのはカエルですね。
そしてビーバーの陰から顔をのぞかせているこの人。
「Mouse Woman」だそうです。
ビル・レイドさんの作品を扱うギャラリーサイトの説明によれば、ハイダの神話では、マウスウーマンすなわちねずみ女はカラスの母親であり、世界の境界をまたごうとする人に助言をおこなうことがある、とても賢い存在なのだそうです。
見た瞬間、ちびのミイかと思った。サイズも髪型も似てます。ミムラ族の親戚か。
それまでと異なる世界へ入ろうとする人へ助言を与える。
空港にふさわしい存在です。頼もしい。
2019/06/09
バンクーバーから列車でシアトルへ
というわけで、帰りはバンクーバーからシアトルまで、アムトラックの列車で帰ってきました。
飛行機がバンクーバーに午後2時50分到着、列車は5時45分発。
荷物をピックアップしてイミグレと税関審査を通ってタクシーに乗って駅に向かいますが、空港から駅まで車で30分〜40分かかるので、 飛行機が少し遅れたり、入国審査で行列が長かったらちょっときついなあ、と思ってちょっとドキドキでした。
でもこの日は幸いまったく問題なく、入国手続きもさくさくと進んで、着陸後30分もかからずにタクシーに乗ることができました。
よかったー!
なにしろ本数が少なく、これが最終列車。これを逃すと翌日まで待たねばならないのです。
駅についたのは4時ちょうど。 まだずいぶん時間があるな、と思ったのですが、すぐに(4時20分から)改札が開いて乗車手続きがはじまりました。
駅(パシフィック・セントラル・ステーション)の建物は1919年建造。
外観はこちら(ウィキコモンズより)↓。
外観も内装も美しく修復保存されてますが、残念ながら駅弁も駅ナカスイーツもありません。
バンクーバー市内には素敵なカフェがたくさんあり、タクシーの窓から指をくわえて見ていたのですが(途中で停まってもらおうかな、とちょっと思ってみたけども言い出せず)、駅構内のカフェはすでに閉まってました。
駅構内にはたいへん微妙な感じの「SUSHI」屋さんとコンビニ的な売店がありますが、そのほかには飲食設備はなし。
たべもの屋の出店だらけの都内の駅が恋しくなる一瞬でした。
だいたい、5時45分発の列車の乗車開始が1時間半も前の4時20分からって、のんびりしてますよね。
バンクーバーとシアトルを結ぶ列車っていうと、日本の感覚だと新幹線を連想しちゃうとこですが、アムトラックは主要都市を結ぶ幹線列車というよりむしろ「鄙びたローカル線の旅」って印象です。
インフラも運行システムも、この駅が建造された20世紀初頭から基本的にほとんど変わってないと思われます。それでもこの「カスケード」路線は全米で8番目とかに乗客数が多い路線なんだそうですよ。20世紀のアメリカで列車がいかに不遇をかこってきたかがわかるというものですね。
旅客列車は90年代以降少しずつ増えてはいますが、まだまだまだまだ、日本と比べたら笑っちゃうレベルの少なさです。オバマが公約した高速鉄道もほとんどすべて、予算がついていたのにもかかわらず反対派に潰されちゃったしー!
改札口は一番上の写真の右側のところにある小さなデスク。ここに先着順に並んで、座席の割当を受けます。
厚めの紙に印字されたすごくシンプルな座席札をもらって改札のデスクを通ると、すぐ内側に小さな出国審査場があります。審査官は2人。
わたしがあたった審査官は日本語が少し話せる若い男性で、「ミギノユビヲ、ヨンホンイッショニツケテクダサイ」とかとても上手に指示してくれましたが、審査よりも日本語習得に熱心な感じでした。全体に空港よりずっとくつろいだ雰囲気です。
その先は狭いプラットフォーム。 この機関車は数年前に導入された最新型だそうです。
(客車のほうはけっこう年季がはいってる感じで、ぜんぜん最新型にはみえませんでしたが)
WSDOT(ワシントン州交通局)のロゴがついている。アムトラックはいちおう営利企業だけど、実際は州政府機関や連邦の機関が運営にかかわっているらしいです。
このカスケード路線にWSDOTがどのようにどのくらいかかわってるのかは知りませんが、こんなに大きなロゴがついてるってことは、機関車はWSDOTの所有なんでしょうね。
このプラットフォームで、荷物を貨物室に預けます。
預け荷物は2個まで。持ち込み手荷物も飛行機のキャリーオンと同じサイズまで。
(これも、飛行機よりもかなり制限はゆるやかな印象を受けました。少なくともこの日のバンクーバー駅の担当者は誰も手荷物の大きさなんかチェックしてなかった。)
飛行機と違うのは、自転車持ち込みOKなこと。
マイ自転車と列車を使って近郊都市へエコな旅を!というのをWSDOTもカナダとオレゴンの交通局も推奨してるみたいです。
バンクーバーを出るとしばらく干潟が広がってる場所を通ります。
有明湾みたいですね。海苔は作ってないけど。九州行きたいなー。
バンクーバーを出て1時間くらいで国境を越えます。バスと違って荷物を持って降りる必要はなく!パスポートコントロールの担当官が車内に乗り込んできて、パスポートをチェックするだけ。らくちんです。
パスポートコントロールの間だけは、全員が指定された座席に着席しているように指示され、トイレも食堂車も閉鎖されます。
わたしの割り当てられた車両は満席でした。
隣の席にも人が座って手狭になったので、国境を越えてから食堂車へ。
食堂車はこんなところ。テーブルが広い。椅子もアメリカンサイズです。
大昔のオリエンタル急行みたいにボーイさんが注文を取りに来るわけではなく、隣りの「ビストロ」車のカウンターで買った食べものや飲みものを各自持ち込んで食べるカフェテリア式です。わたしは国境からシアトルまでずっとここで過ごしましたが、テーブル数は10卓もないのに満席にはなっていませんでした。
車掌さんも奥のテーブルにずっと座ってました。
売ってるのはピザやホットドッグ、カップ麺など。しつこいようですが駅弁はなし。
特においしいものもなし。
かろうじてご当地感のあるIvar'sのクラムチャウダーを買いました。5ドル(米ドル)。
紅茶・コーヒーは2ドル50セント。お高めの値段設定です。
アムトラック、もうちょっと飲食部門に力を入れたらどうかと思う。
世界の車窓から〜♪な景色。
カスケード路線は水辺を通っていくので、景色がドラマチックで全然飽きません。
干潟や砂浜、小さな入江、牛や羊が走り回っている緑の牧場などがすぐ目の前に。
なにしろ単線の箇所も多いので、自動車から見るよりも沿線の景色がずっと間近に見えます。
仕事しようと思ってパソコン立ち上げたけど、窓の外に目を奪われてしまって、あんまりはかどりませんでした。
午後5時45分発、10時10分着。たっぷり4時間半ですね。夏場は日が長いので、この最終列車はちょうどサンセットの時刻にかぶります。
日没は9時すぎ。ちょうど到着の1時間前くらい。
これはエヴェレットのあたり。
乗っている時間は長いけど、バスよりもはるかに快適でした。
国境で長々並ぶ必要もないし、ゆっくり本を読んだり昼寝したりできるので、運転するよりもラク。なのでわたしは列車推しです。もうちょっと本数があればいいんですけどね。
(そして、脱線しなければね…)
料金は片道44ドルでした。混み具合や曜日、買う時期によって変動します。
そしてこの美しいキング・ストリート駅に到着。
キング・ストリート駅も駅ナカはなんにもありません。もったいない気がするけど、こんなに本数が少ないんじゃ商売にならないし。仕方ないですねー。
駅を出るとすぐにタクシー乗り場があるし、Uberを呼んだら30秒で、珍しいピックアップトラックのUber君がやってきました。
お急ぎでない方には列車の旅、おすすめです。
2019/06/08
シアトルからバスでバンクーバー
今回の日本行きは、シアトルからでなくバンクーバー〜羽田の往復を買いました。
理由は単に安かったから。この時期シアトル〜成田便もシアトル〜羽田便もとても高くて、バンクーバー経由だと往復で500ドル以上安かったので。しかもシアトル発着ではいつも一番高くて手が出ないANA便が800ドル以下という激安価格!でした。久しぶりの羽田も、久しぶりの日系エアラインも嬉しい。
とことんエコノミーなわたくしたち、シアトル〜バンクーバーは陸路で。
行きはバス。ちょっと早めにチケットを取ったので、運賃は息子と二人分で38ドル(片道)。ひとり20ドル以下です。
出発日は、バスを待つ間に雨になりました。
車窓からデンワカメラで適当に撮った写真が、加工なしでコローの絵みたいな効果に撮れた(言い過ぎ?)。
どんよりしっとりした太平洋北西岸地方の雨の日の森です。
しかしですね、バスの旅片道3時間半はけっこうタフでした。
5年くらい前にポートランドに行ったときにもBOLT BUSを使いました。
その時はまだシアトルにBOLTのブランドが新しく導入されたばかりで、バスも新しくてピカピカ感があったのだけど、今回乗ったのはシートもかなりくたびれてたし、座席のコンセントも使えないのがけっこう多かった。
さらに6時50分乗車のはずのバスがウェブサイトでは6時半乗車になっていて、万一乗り遅れたら洒落にならないので、6時半よりも前に着くように自宅をUberで6時発にしたら、当然だれもおりませんでした。
しかし、乗客が集まりだして、定刻を過ぎた7時になってもバスは来ず。待っていた人たちもソワソワしだし、どうなってるの?とアプリを見るも、連絡手段はなし。
7時20分になってやっと「急な事情のため30分以上遅れます」というEメールが来た。
結局ようやくバスが来たのは7時50分。運転手が急に具合が悪くなり、代わりの運転手を派遣するのに時間がかかったそうです。それにしても連絡手段がなさすぎる。
幸い私たちは空港へ乗り継ぎの時間がかなりあったので、間に合わないかもというストレスはなかったのですが、バスを待つ間に雨が降り出し、バス停(宇和島屋の駐車場の前)には屋根ひとつなし。
なんだよなんだよ初日から罰ゲームか?と笑っちゃうほどの情けなさでございました。
バスで国境越えは初めて。これが↑国境のゲートです。
乗用車で入国するときはドライブスルー式のゲートでパスポートを見せればいいのだけど、バス入国の場合はバス専用の入国審査場があって、なんといったん荷物を全部持ってバスを降り、この審査を受けてからまたバスに乗り込まなければならないのでした。
パスポートを持ってなかったのか、乗客の中で一人、審査場からバスに戻って来なかった人がいた。
薬かなんかやってるっぽい感じの、ちょっとヤバい感じの若い男の子でしたが。
息子と二人だったからいいけど、一人でバスの国境越えはぜったいに嫌だと思い、帰りはアムトラックにしました。
到着はアムトラックと同じターミナル。の裏手。
ここから空港までは車で30分くらいあります。
カナダにはUberもLiftもないのでタクシーを利用。
似たようなサービスはあるらしいけれど。でも空港まで米ドルで30ドル以下だった。ドル高のおかげもあって、シアトルと比べるとだいぶ安く感じます。
ターミナルの前にあったきれいな小公園。ジャカランダの花が満開でした。
この端正な小公園には巨大なカナダガンがウロウロしてました。怖いよ!
2019/06/02
プリンは飲み物でしょうか。
日本に来ています。
スタバが昭和レトロな喫茶店ふうの『スタアバックス』 になっていた。
プリンアラモードフラッペチーノだと〜?
息子にバカにされつつ、頼んでしまうでしょ。620円。
アメリカのスタバだと飲みものも食べものも何カロリーだとか栄養素が何%だとか書いてあるんだけど、日本のはサイトを探しても見つからない。
「900カロリーくらいじゃないの?」と息子。
外部サイトにありました。501カロリーだって。うふふ。
プリンが詰まっているわけではなくてほんのりプリン・ア・ラ・モード風味のドリンクなのだった。
昭和レトロなこのロゴは、期間限定なんですって。
このまま永続してもいいのにね。
糖質カットしようとか思いつつ、日本に来たらとても無理やー。
駅の中にも、スーパーにもコンビニにもショッピングモールにも、スイーツがてんこもり。
ヘンゼルとグレーテルの魔女の家か。
2週間で4キロふとりました。
こちらは、下北沢の定食屋さんのアジフライ。
到着翌日、息子は古着屋ショッピングへ。わたくしは美容院へ毛染めに。
そしてアジフライ。うめえぇぇぇ。
そして安い!ランチ1000円以下でこのクオリティ。
このまま居続けたら1週間に2キロの勢いで太り続けるかもしれません。
2019/05/23
シアトル市内のおうちの値段、2019年夏
マロニエの咲く5月です。
この間、うちの郵便ポストにはいってた不動産屋の広告。
うちの近くの可愛いおうちも、ミリオン・ダラー・ハウスに近づきつつあるー。
シアトル市内で果敢にハウスハンティング中の友人によると、やっぱり、いいなと思うおうちは、キャッシュでオーバービッドされてしまうケースがほとんどだそうです。
現金で何万ドルも上積みする層って、チャイニーズ?と思ったらそうでもなくって、やっぱりIT長者たちが多いらしいです。ベイエリアから流れこんでくるらしい。
かとおもうと、散歩道のおうちがいつのまにか近所の変人画家、ヘンリー画伯の絵で覆われていました。ビバ・シアトル。Keep Seattle Weird。うえーい。
うちのリビングの窓から見える景色でございます。すぐ目の前は隣んち。
最近、ブルージェイやスターリングやカラスまでがなぜかこの巣に興味しんしんで、毎日覗きに来る。雀たちは騒ぐだけで反撃しないのですね。受難の家族である。
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2019/05/21
LUCCA
イタリア日記、最後です。最終日、フィレンツェからルッカという近郊の街に寄りました。
フィレンツェから車で1時間ちょっと。
街のまわりがぐるりと城壁に囲まれてます。
街の入り口はこんな。街の中は住人の車以外乗り入れ禁止。
日曜の午後だったので観光客がいっぱいで、パーキングを探すのにけっこう苦労しました。町はずれに大きな駐車場がありました。
窓の下半分だけ開くようになっている面白い鎧戸。
街の反対側の城壁入り口。この壁はルネサンス期にできたものだそうです。
昔はここに槍を持った番人が立ってて、夜は門を閉めてたんでしょうね。
ドラマの『メディチ』でも、シエナだったっけ、教皇から派遣された総督的な立場の聖職者を街の城門の中に入れないようにメディチ兄弟が手を回す場面がありました。
このルッカという街も、ドラマでは大きな都市国家や教皇領に隙あらば襲われ、フィレンツェの属国みたいな立場で小都市として描かれてました。どのくらい史実に忠実なのか、わかりませんが。
いろんな方向に刻み目のある石畳。
壁を街の中はこんなに狭いので、車を入れないわけですよね。
街の番をしてるのはひょうきんなライオン君でした。
3月はじめ、マグノリア(木蓮)が咲いている時期だったのでした。
ヴェネツィアやフィレンツェに比べると少しくたびれて寂しい感じはするものの、やっぱりどこをとっても絵になる。
このオレンジと緑がすごくいいトーン。
日本の建物がオレンジを使うと、おおむねものすごいトーンになっちゃうのはなぜなのでしょう。
広場と教会。アーチがたくさん重なっていて繊細な、女性的な感じのする建物です。
隣の塔の上のほうにも小さなアーチの形がケーキの飾りみたいに繰り返されてるのが可愛い。
ギャラリーなのか、古い建物の個性を生かしつつ、とてもモダンに改装している建物がありました。
駆け足の滞在だったけど、初ヨーロッパは本当に面白かったです。
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