2019/03/19

ドージェの旧邸宅に泊まった自慢 <ヴェネツィア思い出し日記 その2>


ヴェネツィア市内に車ははいれないので、ホテルへは駐車場の近くから水上タクシーで移動。

水上タクシー運転手さんのいでたちが、かわいすぎる。
庭の妖精「ノーム」をモノクロにしてオシャレにしたかんじ。
イタリアの人は若者からおっさんまで、ほんとにごく自然にまんべんなくオシャレだった。



途中の家々。
ヴェネツィアの人口は年々急激に減っているそうです。たしかに住みやすい街ではないだろうと思われる。

『ガーディアン』のコラムによると1931年には16万人だったヴェネツィア本島の人口は、現在6万人だそうです。(これは本土も含めた「ヴェネツィア市」じゃなく、観光地が集中してる「ヴェネツィア本島」の人口で、「市」のほうの人口は26万人だそうです。島の面積は5.17km²と、わりとかんたんに歩いて回れるくらいの広さ。)
それに対して、観光客は平均1日5万5000人と、ほぼ同数。



下から見ても美しい橋。しかしやはり、どこかテーマパークのようです。


大運河沿いの物件は、お金持ちが改造して別荘になっているとか美術館やカジノになっているとか、そういうかんじ。生活感はまるでない。



大運河沿いの美しいホテル。同行のジェニファーちゃんのつてで、こんな素敵ホテルに泊まることができました。

16世紀にドージェのおうちだったというすごい歴史の建物。メイフラワー号がアメリカ大陸につく前からあるんだ。
サマセット・モームも、ヘミングウェイも泊まったそうです。


中はこぢんまりしているのだけど、とにかく重厚である。
ご宿泊になったハリウッドの有名人の写真もたくさん廊下に飾ってあった。

ちなみにヘミングウェイ先生は朝からワインをかっくらうなど底なしの酒豪ぶりを発揮してホテルの人を瞠目させたうえ、ロビーで野球をしたそうです。
それでも怒られるどころか宿代を割引にしてもらったそうな。文豪は得ですね。



こんなずっしり重いカギ。お出かけの時はいちいちフロントに預けるなんて、古風で素敵なシステムだ。
ターンダウンサービスのあるホテルなんて泊まったのはじめてだよ。

こんな素敵ホテルに泊まるのは最初で最後かもしれないので、めいっぱい自慢しますよ。


うちのリビングくらい広いバスルーム。
隣の部屋も見に行ったら違う色の大理石で飾られてました。部屋ごとに壁にはられいるテキスタイルも違う。

このホテルは数年前に大々的な改修工事を行ったばかりだそうで、古い建物なのに古いなりの不便をまったく感じないうえに、歴史的物件らしい重厚さがちっとも損なわれていない、超快適なお部屋でした。


壁にもふっかふかの詰め物がしてあるのでとても静かで、テキスタイルも美しい。
錆のでた古い鏡や古い版画が飾ってある。



全館のあちこちに配されているヴェネチアンガラスのシャンデリア。


ロビーの鏡。これは古い時代のものなのかアンティーク風に作ってあるのか、もはやわからないところがさすがだと思います。


朝ごはんは運河の見える席。シチリア島のブラッドオレンジジュースがおいしかった。
コーヒーも美味しい。そしてバカ高い。


美しいエッグベネディクトでした。



すぐ外は運河沿いのテラス。サマセット・モーム先生もいたく感激したという景色です。
なんと贅沢な朝ごはんであったことか。


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ぽかぽか


きのうまでヒーターつけてたのに、急に20度Cという初夏なみの温度になるシアトル。

今日は半袖に薄手のカーディガンで外出。
そしてカフェに行ったら冷房が入ってて寒かった。



Cafe Unbria。ここはシアトルで一番イタリアっぽいカフェです。
ヴェネツィアふうのシャンデリアがあったり、なんだか全体に華麗。
マキアートおいしいです。チョコレートもついてくるよ。



ポカポカ陽気なので、すれ違う人がみんなニコニコしてる。


先週末。CTちゃん夫妻にフリーモントのオシャレレストランにつれていっていただきました。

宇宙の中心フリーモントも、ぱっと見はあまり変わらないようでいながら、いつの間にかトロルの近くにタブローソフトウェアのでっかいオシャレオフィスビルができてて、川辺のビルにはグーグルが入居して、だんだんとヒッピー色がうすれてじわじわアップスケールなITタウンになりつつあるようです。


クレジットカードのリワードか何か(なんだかすっかり忘れた)で3か月分だか半年分だか無料で送っててくれるというので購読中のWマガジン。

そして今日届いた、なにこの表紙!
この二人の取り合わせ!めちゃくちゃ萌えるんですけど♡

今年はアカデミー賞まったくフォローしてませんでした。
ラミくんおめでとうございます♡


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2019/03/17

絵葉書都市 <ヴェネツィア思い出し日記 その1>


ヴェネツィアに行く前にヴェネツィアについて知っていたのは

1)沈みかかっている。
2)むかしドージェという元首がいた都市国家だったらしい(…マンガで読んだ。森川久美だだったかな…懐かしいけど詳細はまったくおぼえてません…)。
3)サン・マルコ広場にサン・マルコ大聖堂がある。

…くらいのおそまつさんでした。我ながらひどい。


行く途中の飛行機の中で、有名旅行ライターRick Steves(この人シアトル近郊の出身でワシントン大学卒業生なんですね。知らなかった)のガイドブックとスマートフォン用アプリでちょっとだけ勉強しました(一夜漬けすぎ)。

スティーブスさんのアプリ、すごくよくできてて、サン・マルコ大聖堂でもフィレンツェの街歩きと美術館でも大活用させていただいた。内容もいかにもアメリカ人的なジョークがちょっとうざいけど、とても面白いです。)

河口の砂州みたいなとこに杭を打って建てた都市なんだ。そりゃ500年もしたらだんだん沈んでいくだろうな、と素朴に思う。

そしてほんとうに交通手段は船だけなんですねー。
車がいっさい入れない都市というのは世界でもほかにあんまりないのでは。自転車も禁止されてるそうです。

だから、なんだか現実感がまるでない。


 どこを見ても、どの運河もどの路地もあまりにも絵葉書のように絵になりすぎて、ウソみたいな都市だ。

 
運河は150もあるそうです。

ゴンドラに乗っているのは日本人、中国人、韓国人の観光客が圧倒的に多かった。



どこかのドアの取手。建物の細部がいちいち、めちゃくちゃ本気出してるディテール。
現実味のない都市だけど、ディテールはすごい。


いったいなんの生物だかわからない意匠のノッカー。
Kちゃんが、自分ちのバーニーズマウンテンドッグ、ブーンちゃんにそっくり!と大騒ぎでした。


たしかに似てる。



リック・スティーブスさんはヴェネツィアのことを「beautiful decay」と表現していました。

わたしも、この都市は「美しい抜け殻」だなと思った。

うちの青年とKちゃんは「来たのが100年遅かった」と嘆いていた。

何百年も前からヨーロッパの有閑階級の青年たちが遊びにくる観光地だったそうですけど。きみは百年前に来たら有閑階級青年ではなくて荷物をはこぶ人とかだったんじゃないかね。


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2019/03/14

ちらし寿司とシャムロック


シアトルにやっと春が来たようです。

まだ朝は4度Cとかで肌寒いけど、もう咲きはじめていたのに「非常に過酷な天候」にみまわれてしまい、ひと月以上「ええっ…」という感じで固まってしまってた樹の花たちもやっと安心したらしく、また花開くモードに。もうすぐ満開な感じ。
UWの桜はどうかな。



誕生日でしたので、息子に田むらのサステイナブルちらし寿司をおごらせる。
きれいですね。春といえばちらし寿司。



そして息子アパートメントの近くのカフェでお仕事。
旅行の結果や医療費や税金など、直視したくない規模の火の車です。
仕事せな。




息子がくれた誕生日の花。大輪の…菊。アメリカ人な選択だと思う。
でもこの色のとりあわせは好き。



近所のスーパー、バラード・マーケットに「Shamrock」が売ってました。

ウィキペディアによると「シャムロック」って「マメ科のクローバー(シロツメクサ、コメツブツメクサなど)、ウマゴヤシ、カタバミ科のミヤマカタバミなど、葉が3枚に分かれている草の総称である 」 んだそうだ。へー!

このシャムロック(1鉢5ドル)は、日本のカタバミによく似てるけど葉も花もずっと大きい。初めて見た。

これはアイルランドの国花になっているというシャムロックなんでしょうね。

もうすぐセント・パトリックス・デー(3月17日)なので、その飾りなのでしょう。

シャムロックというと思い出すのは、


80年代によく聴いてました。クリス・レア『シャムロック・ダイアリーズ』。



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2019/03/11

ヴェローナの猫と円形劇場


北イタリアの小都市、ヴェローナで1晩だけ泊まったAirbnbのアパート。


庭もあり、隣りの家ではおじさんが庭仕事をしていた。とてものどか。


となりの猫。まったく愛想がない。


近くに店もなにもないまったくふつうの住宅街で、朝散歩をしていたら、学校に子どもを連れていくアフリカ系の移民のひととたくさんすれ違った。

大人も子どもも、観光客にはチラと視線を投げるだけで、にこりともせず黙々と通学してました。



道の狭さは鎌倉なみ。
そしてあちこちの民家にマリア像とか聖人像が突然ある。


すてきなテクスチャの石積み。


何度も塗り直した壁のはがれぐあい、さび具合、ペンキの色。これがこんなにかっこよく見えるのはどうしてなのでしょう。

ドアとか窓の形といった基本のプロポーションが黄金的にしっかり決まっているからなのか。


 生きているのかどうか、ぱっと見ではわからない古い教会。


お昼が近くなると道ばたに魔法のように突然現れるご近所オステリアのテーブル。

このなんでもなさがすばらしすぎる。うしろの壁、はげてる看板、花、アンブレラ。
ここでごはん食べたかったなー。



街の中心街には、ローマ時代の遺跡があるのでした。


紀元1世紀に建てられたという円形劇場。
手前の聖人像はずっとあとの時代のもののはず。
ほんとうにグラディエーターが決闘した劇場なのだった。

ローマ帝国で8番目に大きな劇場だったそうで、イタリア国内では4番目に大きいそうです。

収容人数はぎゅうぎゅうに詰めて3万人!


中世には劇場としての機能は忘れられ、「魔物がつくった迷宮」だとみなされていたとか。

異端審問の場にもなり、ここで処刑された人もあったとパンフレットに書いてありました。

そして13世紀から16世紀なかばまで、娼婦たちはこの劇場内に住むように命じられていて、犯罪人の巣窟になっていたとか。
ルネサンスの時代になって見直され、修繕されたりカタギの店が入居するようになり、18世紀に劇場として復活したそうです。

なんと1890年には「バッファロー・ビル」が例の「大西部ショー」をここで興行したんだそうです。あのシッティング・ブル酋長も一緒だったのか。


アリーナの一部はピンクの大理石で作られていて、アンモナイトがたくさんあった。



ローマ帝国の円形劇場って、実際にその場に立ってみるとやっぱりすごい威圧感があってこわい。


とくに内部は、異端審問とかグラディエーターとかのことを考えてしまうせいかもしれないけど、ものすごく陰鬱な感じがしました。



ローマの円形劇場のすぐそとはオシャレなショッピング地区になっていて、ベネトンとかルイ・ヴィトンとかセフォラとか、観光客むけのレストランとかが並んでる。



かわいすぎる自転車便。



ヴェローナは大学街で、カフェがいくつも並んでて、大学生がタバコを吸いながら(みんなほんとによくタバコ吸う)おしゃべりしていました。


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