2016/09/04

山あいの天の川温泉 ジブリな洞川温泉と天河大弁財天社


うひゃー、気づいたらもう9月になっていた〜。

元気でやっておりますが、ちょっとこのところ予想外に忙しく、相も変わらずあっちこっち行ったりあるいはじっと座ってジタバタしていました。

というわけで7月1日の日記のつづき。

前回の、水の神社、丹生川神社下社のあと、山道を更に奥へ。

渓谷沿いにある小さな温泉街、洞川(どろがわ)温泉がこの日の宿でした。


泊まったのは花屋徳兵衛という宿。

創業500年の老舗。

縁側や火鉢の似合う古い建物を、建物の個性を活かして微妙にモダンにアレンジしてある。
貸してくれるタオルや浴衣、下駄のデザインや素材も気が利いていて、スタッフも明るくて親切で、気持ちの良い宿だった。
ご主人はインテリジェントな感じの上品な方。

お風呂もこぢんまりしてるけどほかほかでよかった〜。
「後鬼の湯」という名がついた湯。「後鬼」は役行者の弟子らしいです。


ここは、むかしは修験道の行者さんたちの宿だったという。
この一帯の山は金峰山と呼ばれて、役小角がひらいた修験道の修行場だったそうな。
大峯山というのはいまでも女人禁制で、修行が行われてるらしい。
山伏1日体験なんていうのもあるようです。

両側に山が迫った、ほんとうに細い谷あいの、細い街道沿いの宿場。
軒にはイワツバメがたくさん舞い、朝夕には山の上から山伏の法螺貝がきこえてくる!
なんだか物語のなかに入り込んでしまったような温泉街。

『千と千尋』にでてきたいろんな姿の神様たちがやってきそうな、静かで浮世離れした温泉町です。好きすぎるー。水の神社につづいて、ジブリ度の高い奈良県吉野郡。というかミヤザキ映画に描かれる日本はここに(も)あったのかー、ということか。



お食事は素朴な山の幸。地元のにじますの刺身や野菜。


宿場の街道にそって川が流れていて、橋をわたったところにお寺がある。

そこの池にホタルがいるというので、ご飯のあとMちゃんと見に行った。
ホタルちゃんが闇のなかの迷えるタマシイのようにひゅーひゅー飛んでいた。
女二人で行くには残念すぎるほどロマンチックであった。



翌朝6時前、巫女でジャズ歌手で通訳のMちゃんは近くの天河大弁財天社というけっこう有名な神社で毎日開催されているという「早朝のおつとめ」にでかけていった。
その間、わたしは朝湯をつかわせてもらって、そのへんを散歩。

谷を流れる川の水のきれいなこと!


橋の下にニジマスちゃんたちが群がる。宿の方に「ニジマスを見に行く」というと、厨房に走っていってビニール袋いっぱいのごはんをくれた。
ごはん粒を投げると、橋の下でニジマスちゃんたちの熾烈な争いが繰り広げられる。


ちょうど、七夕の少し前で、あちこちに短冊が飾られてました。
ここは天川村。そこに天の川のお祭り。できすぎのようだ。


細い街道を少し行ったところに「ごろごろ水」という湧き水の出るところがある。

これが有名な銘水なのだそうで、たくさんの人が軽トラにポリタンクをたくさん積んで汲みに来る。
水はタダだけど駐車場に500円くらい徴収される。
車を停める場所のすぐ後ろに蛇口がついていて、ここで汲み放題のシステム。
まろやかでおいしい水でした。


宿をチェックアウトしてから、有名な天河大弁財天社にもお邪魔しました。
巫女はこの日2度目だけれどつきあってくれた。

小さな社で、階段の上にすぐ拝殿があり、神坐はさらに階段状の椅子が並んだ上に。

ここの鈴は鳴らすのにコツがいるもので、とても良い音が響く。
ちょうど祈祷がはじまるところで、少しだけ拝見させていただいたけれど、神主さんの声が朗々と響く美しい裏声でびっくりした。


ここは弁財天だけに、音への感性が鋭敏になるようになっているのかもしれません。

この神社も、とても古い由緒があって、役行者が開いたともいわれ、空海が修行した場所でもあるそうです。

とても気持ちの良い場所でした。
そしてさらに巫女との旅は続く。

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2016/08/27

巫女との旅。 水の神社、丹生川上神社下社



6月末から7月初頭にかけて、関西を旅行しました。

大阪市内に在住の美人通訳M嬢のお宅に遊びにいくことにしてたので、Mちゃんにごくごく気軽に

「大阪付近で、どこか面白い神社仏閣とか、ない?どこがおすすめ?」

と聞いてみたところ、

「ありますよ〜すごいのが!

という返事が速攻かえってきました。

…えっ、…すごいの?(・_・)……??となっている私のところへ、きいたことのない神社の名前が書き連ねられた長〜いリストがさくっと送られてきた。

そしてどういうわけか、 大阪市内でも付近でもぜんぜんなくて、大阪から険しい山道を何時間もいったところにある神社たちとお寺たちを訪ねる2泊3日の旅の計画があっという間に立案されたのでありました。

わたしもときどき「フットワーク軽いね」と人から言われることがあるけど、この美人通訳Mちゃんは、たぶんわたしの約12倍はフットワークが軽い。

中東からアジアから北米から、水中から空の上までいつも移動中のパワフルウーマンです。
月に3回は海外に出張に行ってるのではないだろうか。

そんなMちゃんに何か気軽に声をかけると、思ってもみなかった旅の計画が電撃的な速さでできる。

前回日本に帰省した2年前にも、ひょっと「こんなのもいいよねー」と口に出したら「それ行きましょう!」と、まったく予定してなかった道後温泉ツアーが実現してしまった。

その旅は、後からしみじみ思うと、ほんとに収穫が多かった。

今回の旅も本当に面白くて、噛みごたえのある旅でした。まだまだ咀嚼中。

なんといってもMちゃんの家は巫女の家系なんだそうです。
人に何かをもたらす人、なのでしょうね。

大阪市内でレンタカーを借り、巫女の運転で高速道路を抜けて、いつしか山道へ。ここは奈良県。


しかも足は、この子でした(大阪で借りたレンタカー)。

巫女に選択をまかせておいたら軽自動車だった!

2日間の行程はレンジローバーでガシガシ上りたいようなカーブ続きの山道が多く、アクセルを踏んでも踏んでも馬力が出ない(´・ω・`)…。この子はとっても頑張った。
ちょっと、ロバの背に乗っているような気分でもあった。


大阪から1時間ほどで、こんな幽玄な山の中へ。
大阪市内を出発したのが午後遅い時間だったので、この時点でもう夕方。

この日の目的地は洞川温泉(どろかわ)温泉。

そこへの道のりにある、古い神社にまず立ち寄り。

とても綺麗な水が流れる川のほとりにある神社。
 


丹塗りでない、木の肌の鳥居。うっそうとした木立ちに囲まれた、水の社。

丹生川上神社下社。水の神様として、広い信仰をあつめているのだとか。

古くから雨祈願には黒馬、止雨祈願には白馬を奉納したのだそうで、今でも境内に馬ちゃんが飼われてます。



祀神はいざなぎ神といざなみ神の子神だというクラオカミノカミ。

ざっくりいって、つまり龍神なのらしい。でも「美しい女性の神様」だそうです。

とても古い社だけれども、いろいろ紆余曲折もあって、祀神の名前が変わったりしている。



この日は6月末日。大祓いの日で、「茅の輪」(ちえの輪でもカヤノワでもなくて「ちのわ」!読めなかったww)がしつらえてありました。


もう夕方だったので、いつもは鳥居のすぐ近くにいるという馬ちゃんも厩舎の中。

ひと気がなく、しんとして、川の音が聞こえる。
綺麗な水の気配に満ちた、すがすがしい境内でした。ジブリ映画みたい。



拝殿のうしろに屋根付きの急な階段があって、その奥に本殿がある。
巫女のM嬢は以前に行ったことがあるといってました。


この神社は「絵馬の発祥地」でもある。
雨乞いに馬を奉納したことから、願い事のある人がウマの代わりに札を奉納するならわしができたらしい。

そうそうウマを奉納できるものではないですものね。

この絵馬は古式ゆかしくて素敵。ウマちゃんがちょっと困った顔に見えますが。

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2016/08/19

郵便番号98103の蜂蜜


ファーマーズマーケットで買った蜂蜜です。

Seattle Urban Honey は、2008年にシアトルのご夫婦が庭においた2つの巣箱からはじまったという、マイクロビジネス。

そのご夫婦の友人たちの庭や大学の植物園など、シアトル市内のあちこちと郊外のいくつかの場所に置かれた巣箱から收穫した蜂蜜を、ファーマーズマーケットで売っている。



この夏の蜂蜜は、シアトル市内で穫れた「98103」、シアトルのすぐ北にある郊外の街ボセルで穫れた「98011」、シアトルから西へクルマで30分ほどのところにある小さな町カーネーションで穫れた「98014」。

この番号は、それぞれ巣箱が置かれている地区の郵便番号(ZIPコード)。

味見をしてみて、やっぱり一番気に入った、「98103」地区のを買いました。

グリーンレイクの周辺のリンデンバウム(セイヨウシナノキ)の花の蜜で、レモネードのような薄いイエローの、きらきら輝くとても綺麗な蜂蜜。

独特のきりっと爽やかな風味があって、明るくて爽やかなシアトルの初夏をぎゅっと凝縮したような蜂蜜です。


お値段はこの小さいビン(たしか8オンスかな?)が10ドル。もっと小さいオミヤゲ用のビンもありました。
今度日本に帰るときにはこれをオミヤゲにしようかな。

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2016/08/15

夏の色


 真夏の日没は午後8時すぎ。 波のないピュージェット湾の長い夕方。



ファーマーズマーケットのきれいなペッパー。
U-district のマーケットに出店しているこの家は、いろんな種類のペッパーをたくさんそろえてます。ピーマンのように辛くないものから、激辛まで。



宝石のようなオクラとみょうがを売ってる農家は日本人の方の経営。片道3時間はかかる山向うのヤキマから毎週夜中に出てくるのだそうです。なんとありがたい。

こちらは、一茎に一果だけ栽培するプレミアムメロン。


初夏に真っ白な花(ほんとうは苞)をいっぱいにつけていたDogwoodも秋仕様。

スペースエイリアンのような実が育ち、初夏とはがらりと変わった風情です。


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2016/08/12

都市が成長するとき


いま、シアトルのあちらこちらでやたらに目につくもの。

それは建築用のクレーン。


ダウンタウンやサウスレイクユニオンのあたりなど、数ヶ月ぶりに行ってみるとすっかり景色が変わっていて面食らうことも多い、この頃のシアトル。

ここ数年というもの、年間1万4500人もの人が流入しているんだそうです!


恐ろしいほどの勢いでビルが増えている中、当然ながら、古くからあるネイバーフッドもどんどん変わる。

特に、以前は絆の強いブラックネイバーフッドだったセントラル・ディストリクトの変わりようはすさまじく、いろいろニュースにもなっている。


今回のSoy Sourceの「たてもの物語」では、パイオニア・スクエアのCenter for Architecture & Designでやっている展覧会「BOOM:Changing Seattle」を紹介してます。

現在のシアトルの成長ぶりは、19世紀のアラスカのゴールドラッシュの時以来!という人もいるほど。

そんな激変する街角で、なくなってしまうもの、なくなりつつあるものに目を向けた展覧会です。


地価と家の値段が高騰するのにつれて当然家賃も上がり、生活コストが高くなって、古くからの住人が市内に住みづらくなっているこの頃。

シアトルは家賃統制はないのですが、最低時給を段階的に15ドルという全米トップの水準に引き上げる法案が去年通りました。
(大手は来年、小企業は2021年に15ドルになるスライド制です)

今をおいてほかに、このような法案が通ることはなかったと思う。
それだけ、ここ数年の成長ぶりがずば抜けていると、シアトルの人が実感しているということなんでしょう。



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2016/08/09

黄色いのかと思ったら


浅草の「四万六千日」ほうずき市でホウズキを買って帰れなかったので、近所のスーパーBallard Marketで綺麗なレモンイエローのホウズキを見かけて、即お買い上げ。


ここのスーパーのお花コーナー、珍しいものがあって面白い。
春先には猫柳なんかも置いてあるし、野草みたいな地味な花や葉もいろいろ。

そしてほとんどがバラ売りで、1本が1ドル25セントですのよ。

地元の食材が豊富で品揃えが良くて、ホールフーズやMetropolitanよりはだいぶ安いのでお気に入りです。FredMeyerよりは全体にお高いけど。

黄色いホウズキなんてあるのねー、なんて思って食卓に飾ってたら…



…立派にオレンジになった(笑)。


2週間もしたら完全にホウズキ色になりました。もともとみんな黄色だったのね…。

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2016/08/08

スザロ図書館の謎のゆるキャラ


うちの学校(ワシントン大学)の観光名所の目玉といえばこちら、スザロ図書館。
もうここの写真は何度もアップしてますが、もう大学自ら「静かなホグワーツ」と言い張っている、「大学の魂」。


この間、ふとここのステンドグラスに目がとまってしまいましたよ。

大聖堂風の空間だけど、聖堂ではないので、ステンドグラスのモチーフももちろん聖人とか聖書物語とは無縁。

ちなみに外壁を飾っている彫刻は、 モーセからベンジャミン・フランクリン、シェイクスピア、グーテンベルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ベートーヴェン、ダーウィンまで各時代、各界の巨人たち。(1920年代の設計。当然のように女性は1名もなしね)


で、こちらの窓のこの方はいったいどなた?


何? やぎ? となかい?


こっちにも、何かを担いだペンギンのような生物がっ。

スザロ図書館のページに行ってみると、

「1923年に図書館が購入した4巻の『Les Filigranes: Dictionnaire Historique des Marques du Papier』という本に載っていた、ルネッサンス時代の透かし文様から28種類をとった」

という説明が。

この本をぐぐってみたら、アーカイブになってた!

でもまったく読めん!
透かし模様の目録みたいな本らしいのはわかった。

そして中にはこんな画像が!


これはっ。スタバのサイレンさんのバリエーション!しかもみんな変!!なにこのゆるさ!



ステンドグラスと全く同じのはみつけられなかったけど、こんな人たちもいた!

結局なぜ、このやぎ先生的な顔とかペンギン的な意匠を選んだのかはわかりませんでした。 それぞれの学部を意味している何かかと思ったら、全然そうでもないらしいし。



日本だったら誰かが目をつけて「スザロウくん」とかの名称でゆるキャラとしてグッズを売り出しそうな気もする。

1920年代に図書館を設計した人は、「大学の魂」にいったい何を吹きこもうとしていたのでしょうかw。

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