2013/08/15

ART UP の般若心経道中


10日の土曜日、グリーンウッド/フィニーのART UP に行ってきました。

今回は般若心経全文をチョークで道路に書くその周りを3人の黒装束女性が踊る、という舞踏の旅。ヒロシマ・ナガサキの鎮魂でもある。


 7時頃開始。ピアノ屋さんの前で第1文字目。


 かっこええ。


 カラフルな夏の子どもたちの中でモノトーンな集団が際立つ。

 

今回のART UP は去年にくらべて人出が少なかったような気がするけれど、この舞踏集団はものすごく注目を浴びていて、写真を撮っていると「これどういう意味なの?」と何度も聞かれた。


 「えええーとこれはブディズムの有名なスートラでぇ、たしか全文が3百何文字かあってぇ…」とまるでしどろもどろな答えしかできなかったのをはげしく反省。


音楽は千種さんの三味線で、ベンベンベンベン…とうねるような、低い控えめな伴奏でした。



 去年のART UPの舞踏の旅は、薫さんとジョアンさんのコミカルな道中で、夏の夕方の歩行者天国(死語?)のお祭りに溶け込んだ、アップビートなものだったのだけど、今年のこれはもう180度違う、葬列のような静かな道中でした。

何の映画だったか、緑の田園の中を棺をかついだ葬列が行く風景を思い出した。


「弔」を纏う女。声のない女たちがひきずる黒いリボン。

 

 声はどこに亡くなったのか。
 



道のあちこちで賑やかなバンドが演奏したりもしているのだけど、そんなことには全く関係なく、異界の道中が少しずつ進んでいく。





般若心経が、子どもたちのチョークお絵描き広場へ突入。




「 OLIVE」を迂回していくお経。



 犬たちも見守る。シアトルの夏の日は長いとはいえ、だんだんと日暮れが早くなってきた。この日の日没は8時半頃。



とっぷりと日も暮れきった午後9時半ちかく。Ken's Market の前で、ついに最後の一文字が完成。



と、この時。見守るのは「弔」の女たちだけではなく、わらわらと子どもたちが集まってきたではありませんか。



何か魔法の完成を見ているかのような釘付けっぷり。
何かこの子どもたちを強力に惹きつけるものがあるのだな。 
背中がぞくぞくとしました。



美しい円におさまった、きらきらと光る文字。


約2時間半におよぶ声のない道中は、こどもたちの拍手でしめくくり。


2時間半のアスファルト写経を終えたよしこ氏の指の皮が剥けていました。
荒行を見届けた。輝いていますね。



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2013/08/07

新しいご近所のTuesday Night Out


 


きのうの火曜日は、National Night Out でした。

犯罪防止のイベントとして始まったものだけど、シアトルではあちこちのネイバーフッドで道路を封鎖してブロックパーティが繰り広げられる「Tuesday Night Out」の日として親しまれてます。

自分の近所に住んでる人と知り合いになるのは、確かに犯罪防止にも役立つ。
コミュニティづくりの日ということなんでしょう。


引っ越し先の近所はアパートが多いのでどうかなと思ったら、なんだかけっこう大掛かりな町内イベントだった。
子どものためのフェイスペインティング、いろんな情報ブース(雨水の利用法とか災害時のキット情報など)、 バラードマーケットのお買い物券が当たるドローイングまで。


山羊も来てました。

耳の小さい種類の山羊なんだそうです。

Seattle Farm Supply 「An urban Farming Supply Store」という、都会でニワトリや山羊を飼いたい人のための用品やひよこなどを売っている会社(この近くにある)の展示ブツ。ひよこもいました。



山羊もシアトルらしいけど、バンドもシアトルらしい。ギター、ベース、チェロ、ドラムスの編成でした。

来てる人も、子ども、10代や20代のワカモノからおじいちゃんおばあちゃんたちまで色々。6時から9時くらいまで賑やかでした。

うちのリビングのすぐお向かいのカップルと初めて会うことができただけでも、行ってみて良かった。
 

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2013/08/04

眺めの良い崖散歩


7月初旬に行ったハイキング。
Deception Pass の橋の近くの州立公園のトレイルです。

Skagit Valley(スカジット・バレー)、Fir Island(ファー・アイランド)ののどかな風景を通りすぎて、シアトルから1時間弱のドライブ。

冬はここにあんなにハクチョウやスノーグースが群れていたなんて嘘のような、一面緑のとうもろこし畑。


ロザリオ岬に行った時に薫さんに教えて頂いたRexville Grocery でサンドイッチを調達。

ローズ風味のレモネードというのも買ってみた。乙女なフレーバーでした。



Deception Pass State Park (デセプション・パス州立公園)は、橋の両側の海岸と森を含む広大な公園です。

広さは1672ヘクタール。明治神宮23個分。キャンプ場もいくつかあります。

橋が見えるトレイルは、Civilian Conservation CorpsのInterpretive Center というのがあるBowman Bay のビーチパークから始まってます。

州立公園なので、車を停めるには一日料金5ドルを支払うか、「ディスカバリーパス」が必要。

右に行くとロザリオ岬、左に行くとデセプション・パスの橋が見えるLighthouse Point方面。 両方行っても全長5マイルくらいの簡単ハイキング。今回は左の方へ。


行った日は快晴だったので、ビーチは大混雑。といっても水に入っている人はほとんどいません。7月でもピュージェット湾は泳ぐにはちょっと水が冷たすぎるので、ビーチ遊びの定番はカヤックかパドルボード。そしてビーチでバーベキュー。

カニ獲り用の仕掛けかごを積んだボートもありました。 カニ獲りしたい!


ビーチからけっこう急な細道を上っていくと崖の上のトレイル。落ちたらDEADLY。



橋が見えるポイント。のどかです。

なぜDeception Pass(デセプション・パス。直訳すると「惑わし水道」か)かというと。

名付けたのはやっぱりあの人。18世紀後半にこの辺を探検していた(そしてタコマ山に勝手に自分の友人レーニアの名前をつけた)バンクーバー船長。この辺の水路は入り組んでいて、このデセプション・パスも水路なのか湾なのか最初はわからず、惑わされたから、らしいです。

細長いWhidbey Island (ウィドビー島)とFidalgo Island(フィダルゴ島)の間の本当に狭い水路です。


小さなボートや観光船がいくつも通って行きますが、潮流がぶつかって流れが複雑そう。
流れがぶつかったところにこんな平らな水面が出来てました。

向こう岸は橋の反対側のキャンプ場付近。
 

この難しい潮流のなか、カヤックの練習をしている人もいました。

岩から松が生えている景色が日本ぽい。松島みたい。



いったん急坂を登ってしまったらあとは崖の上のお散歩コース。
長いケルプが 揺れる海面。広々として本当に気持ちの良い、崖散歩です。



向こう側にはたぶんサンファン島やカナダのビクトリアの島影。

そして太平洋まで一直線のファンデフカ海峡。
 



弓形のボーマン湾の向こう側にロザリオ岬が見えます。

のんびりとお弁当を食べて本を片手に昼寝をしたい感じの、眺めの良すぎるトレイルでした。

州立公園はおカネがないらしく、トレイルの道案内がまったくありません。私と友人M太郎も踏みあとを追ってうっかり崖を降りてしまったら、それは船で遊びに来る人がつけた道だったらしく、結局もとの道まで引き返しました。

「Please stay on the trail 」と書いてあるわりに、どれが正規のトレイルなのかわからないのが困りものです。

でもチャレンジ精神旺盛で元気な方には、崖のぼりや岩登りのチャンスが満載でもあります。



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2013/08/01

U-HAULでお引っ越し



7月は引っ越しでバタバタでした。

シアトルに来てから4年近くお世話になっていたCTファミリーのお家から、近くのアパートメントに引っ越しました。

引っ越しの週に息子が背中を痛めて重いものが運べなくなるという、絶妙のタイミングのハプニングがありましたが、息子の友人フィリップ君を雇い、私の友人にも手伝ってもらって、お引っ越しそのものは数時間で終了。

近いので(車で5分)、服や食器などは前の週から暇を見てちまちまと少しずつ運んでいたので、わりに楽でした。



上の写真は、文庫本がぎっちり詰まった箱をフィリップ君が運ぶ途中で底が抜けたの図。

 私がテープを一重にしか貼ってなかったので息子におこられた。そりゃ抜けますね、はい。平謝り。

引っ越しは4年ぶりですが、いやはや忘れていたガラクタが次から次へと出て来る出て来る。この機会にさくっと物を減らしたいと思っています。

トラック専門レンタルのU-HAULで「10フィート」という一番小さいトラックを借りました。レンタルは1日20ドル、プラス1マイルごとに75セント。

それに保険をつけて、家具を包む毛布を6枚借りて、全部で65ドル。ガソリンが10ドルくらい。
引っ越しの後ダウンタウンまでデスクを取りにいったので、20マイルくらいの走行でした。

最大積載は2800ポンド=約1.2トンだけど、日本のトラックと違ってエンジン部分が無駄に長いので、車長は5.8メートルで、2トントラックと同じくらい。
幅は6.4フィート、2メートル近くあるので日本の小型トラックよりごっついです。


運転は車幅が広いので住宅街の狭い道を入っていくのには緊張しましたが、車高が高くて視界が広くて、結構楽しかった。

外から見たらちっこいトラックなのに、気分はトラッカー(笑)。
(『トラック野郎』て書こうと思ったけど一体何人の人がわかってくれるだろうか、文太さん。「トラッカー」にあたる日本語があるのだろうか?)

でも暑い日だったのでエアコンをつけたら、ものすごく臭かった…。


少しずつ箱も片付いて来たので、またぼちぼちと更新いたします。

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2013/07/16

ドライブイン



「タコマ富士」レーニア山への帰りに寄った、Buckley という町のハンバーガーショップ、Wally's Drive-In。

郊外の小さな町はほんとに全米どこに行っても大資本のチェーンばかりで、同じ看板、同じサイズの同じデザインの店舗が並んでいてうんざりするのだけど、こういう昔ながらのドライブインも細々と続いているのがとても嬉しい。



ジェームス・ディーンのポスターが似合いすぎる店。かなり古そうなんだけど、もしかしてこのテーブルもミッドセンチュリーのオリジナルだったり?
 すごく可愛いラクガキ模様でした。




ジャックインザボックスの100倍はおいしいオニオンリングと、真面目なフライドポテト。
ラズベリーのシェイクもうまかったです。


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2013/07/09

お手軽雪渓ハイキング レーニア山のサンライズ


独立記念日の7月4日、タホマ山 aka レーニア山に行ってきました。

(この山の名前については前にも文句を述べましたが、やっぱりタホマ/タコマ山と呼びたい)


山をすっぽり取り囲む広大な国立公園の中でも、南側山麓の「パラダイス」と、東側の「サンライズ」というエリアには駐車場やビジターセンターが揃っています。

「パラダイス」には以前に行ったことがあったので、今回は「サンライズ」に行ってみました。

クリスタル・マウンテンのスキー場があるあたりから、公園のゲートを入ってさらに20マイルくらい上ったところにあるのが「サンライズ」エリア。

ゲートからサンライズまでの道は、森を抜けたところで振り返ると目の前にどどーんと現れている巨大な山容が、迫力です。公園内で一番綺麗に見えるんじゃないだろうか。



立派なビジターセンター。このマウント・レーニア国立公園は、全米で5番目に古い国立公園なんだそうです。1899年、19世紀に制定されてます。

 「サンライズ」がオープンしたのは1931年、昭和6年。

公園のサイトには、T型フォードやらの車がずらっと並んでる1930年代の駐車場の写真が載ってます。アメリカの車文化はこの当時からの筋金入りですね。



サンライズの駐車場からすぐ上にある簡単なループのトレイル「Sourdough Ridge Loop」を歩いてみました。

一周1.3マイル、約2キロ、登りはほんのちょこっとだけの、お子様連れにも最適という遊歩道のようなコース。


とはいえこの辺は標高6400フィート超え、約2000メートル。ようやく雪が解けて花が咲き出したばかり。
サンライズの駐車場まで上がって来る道は、前日の7月3日にオープンしたてでした。


このアネモネ/翁草の仲間らしい「ウェスタン・パスクフラワー」が、山腹にたくさん咲いてました。



小さなお子さんやお年寄りもたくさん来ているコースではありますが、ところどころはこの通り、まだがっつり雪に覆われてます。滑りにくい靴か、杖は必須。 ハイキングシューズで正解でした。


シアトルから車で2時間ほど、駐車場から徒歩数分!でこの高山気分が味わえるとは、なんとも贅沢ではありませんか。


 夏はもっと混むのでしょうが、まだ人もそんなに多くないし、まだ雪も解けきっていなくて足もともドロドロでないし、花も咲いてるし、7月初旬は最高のコンディションです。

それにしても、小さな、ほんとに赤ちゃんとかよちよち歩きの幼児を連れてやって来ているお父さんお母さんの多いことよ! 

子どもを背負ってこの崖っぺり、しかも雪道を歩くのなんて私には絶対無理。感心してしまいました。



 ハイジとペーターが走ってきそうな氷河の地形。


Sourdough Ridge Loopから少し足を伸ばして、往復1.3マイル、2キロくらいのところにあるFrozen Lake まで行ってみました。

大きな雪渓のほとりを歩いて行きます。



 Frozen Lake(フローズン・レイク)。ほんとに凍っていた。氷山のような薄い青色の氷の上を通ってびゅうびゅう吹いてくる風が氷のように冷たい。



風を避けておにぎりを食べていたら、背中のあたりにこんな人がウロウロしていました。

野生動物に食べものをやってはいけませんとさんざん書いてあるのに、ついあげてしまう人が多いのだと思われる。人がごはんを食べていると、すぐ近くまですり寄ってくるのでした。


 
山が好きだったうちの父母も連れてきてあげたかったなー。
もう二人とも他界してしまったのですが、生きていれば70代はじめ。余裕で歩けたはずです。


お得感たっぷりなサンライズでした。

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