2012/09/04

スポケーン〜ボーズマン ワイルドウェストの大学町


アメリカ四分の一周、ロードトリップ第1日目。

州間ハイウェイ I-90を東へ。エレンズバーグを過ぎると、風力発電の風車が丘の上に突然現れます。


そしてコロンビア川を渡る。
 先日行ったあたりより、もう少し南側。このへんは意外に川幅が狭いですね。


川に沿った高台の眺望用パーキングの横手の丘に、馬の彫刻が。時間がないので登りませんでしたが、かっこいいインスタレーションです。





シアトルから4時間ほどでSpokane(スポケーン。うちではなぜか皆勝手に「スポカネ」とハワイ風?に呼んでいる)に到着。

迷い込んだビルのパーキングアテンダントの可愛い女の子にお勧めを聞いて、行ってみた店「Mizuna」。「水菜」のこと?日本人シェフの店かと思ったらそうでもないみたい。夜はワインバーになる可愛い店で、オーガニック素材のサラダ&スープがおいしかったです。



古いビルを改装した店の雰囲気や、煉瓦の露地にテーブルを出しているところ、ホノルルのチャイナタウンのワインバーに似てる。あの店まだあるのかな。


スポケーンは住みやすそうな洗練された町でした。


きれいな模様のある煙突。 80年代まで現役の発電所だったようです。いまはレストランになっているらしい。




アイダホの峠道を越えて、夕方遅くMissoula (ミズーラ)に到着。ここで早めの夕ご飯。


ミズーラはなんとはなしに行ってみたかった町でした。閑静でオシャレ度の高い大学町です。若者が多くて、自転車の人が多いのが印象的でした。道が広いから自転車用レーンもしっかり確保されていました。

モンタナ大学のキャンパスもちらっとクルマで見学してみました。通りすがりの勝手な印象だけど、のびのびしてリベラルな感じは、シアトルの山間支部みたいな気がする、そんな町。


カレッジタウンらしい広々したカフェもあった。


ミズーラの町の真ん中あたりでみかけた、丸屋根の時計台つきネオクラシックなビル。郡裁判所だそうです。1910年製。



山を越えたら時差があるのをすっかり忘れてました。1時間分、知らないうちに時計が進んでいた。1日めはBozeman(ボーズマン)に宿泊、10時頃の到着でした。

イエローストーン国立公園の入口の町なので、ホテルのパーキングにもいろんな州のナンバープレートをつけたクルマが集合してました。


スポケーン > ミズーラ > ボーズマン、とどんどん町のサイズが小さくなっていきます。


朝、通りすぎたメインストリートのシアター。

ゆっくり見る時間はなかったけれど、こじんまりした気持ちのよさそうな町です。

ボーズマン・トレイルという、西への開拓民のルートを開いた人の名を冠した町。

このあたりまで来ると、どこに行っても、ルイス&クラークと、カウボーイと、開拓民とインディアンの歴史にぶつかります。この先のハイウェイの休憩所にも、ボーズマン・トレイルを単独で旅して、インディアンの襲撃を受けて殺された親子の話が書いてありました。

が、殺されたインディアンについての碑は、あまり見かけません。

 ダイアン・レインとトミー・リー・ジョーンズとロバート・デュヴァルの『ロンサム・ダブ』というテレビシリーズの西部劇がすごく好きで、ついこの間もNetFlixで全4話一気にマラソン再見しました。19世紀末、テキサスから牛の大群を連れてモンタナへ引っ越して来るハードボイルドな二人の老カウボーイの話ですが、めちゃ泣けます。年とってから観たら、若い時に観たときよりも余計に泣けた。インディアンの描き方もカウボーイ劇にしてはフェアなほうで、19世紀のワイルドウェストがリアルに感じられる映画です。

実際にテキサスから平原を超えてモンタナまで牛の群れを連れてやってきた、ロバート・デュヴァルが演じた「ガス」みたいなカウボーイもいたようです。


広い空の下に延々続く丘陵を見ていると、地平線までバッファローでいっぱいの光景を想像せずにいられません。




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2012/09/03

アメリカ(約)四分の一周 クルーズコントロール


10日間のロードトリップから帰って来ました。

間違った宿に泊まってしまうなどのおバカな行き違いはいくつかあったものの、特に大きなトラブルもなく、 無事に戻ってまいりました。

ワシントン州とアイダホ州とモンタナ州を横切って、ワイオミングの右上をちょっと通ってサウスダコタの真ん中あたりで引き返し、ワイオミング側からイエローストーン国立公園に入って南のグランドティートンへ抜け、アイダホ州の南部を横切って、オレゴン州の北東部を抜けてワシントン州に戻り、ワラワラとヤキマを通ってシアトルへ戻るという、アメリカ大陸を(小さめに)四分の一周したコースでした。


走行距離は3750マイル。約6035キロ。
うちの8年選手のMAZDA、快調に走ってくれました。

ほぼ3分の2くらいは息子が運転したので、思いのほか楽ちんでした。



持って行って良かったと思ったもの:
氷水用の保冷ポット(乾燥していたので、水をガブガブ飲みました)。
トラベルマグ。
クッション3つ。時々交代で昼寝用。

 持って行けば良かったと思ったもの:
小さなクーラーボックス。(果物やチョコレート用に。チョコレートをドロドロに溶かしてしまったので、途中で段ボール製の簡易クーラーを買いました。)

 ミュージック。iTunesに峡谷の道用プレイリストを作っておいたものの、50曲くらいではすぐに終わってしまい、ノラ・ジョーンズとコリーヌ・ベイリー・レイとを何度も何度も何度も聞くことに。息子のiPodの中身の大半はハードコア・ラップで、ぜんぜん風景と馴染まないと本人も言うし(私もすごくそう思う)、FMをたまにキャッチすればカントリーか懐かしのメロディばっかりだし(でもワイオミングの小さな町でマドンナの『パパ・ドント・プリーチ』を何十年ぶりかに聞いた時には不思議な感動に打たれました)。


持っている限りのパット・メセニーをiTunesに全部入れておけばよかったなあ、と思いました。アメリカの延々と何にもない景色には絶対パット・メセニーがぴったりだと思う。
息子にそういったら、「パキスタンの馬が何だって?」もう全然話が通じません。

あとは何が良いかなー。皆、それぞれ、風景につける音楽ってあるのでしょうね。
数週間前に同じようなルートでミシガンへ旅行したCTちゃんの頭の中には、『アメリカ横断ウルトラクイズ』のテーマソングがずっと鳴り響いていたそうです。




今回、初めて「クルーズコントロール」を使いました。

日本にいた時に乗っていた車にはそんなもの(たぶん)ついていなかったし、アメリカに来てからもほとんど使ったことがありませんでした。

ハワイやシアトル市内のちまちました道では必要も感じなかったし、コンピュータにエンジンを制御させるなんて気持ちが悪いと思っていたのですが、地平線まで真っすぐ続く単調な道では、アクセルを踏まなくても車が勝手に一定の速度で走り続けてくれる機能って、やっぱり便利。つくづく実感しました。



モンタナ州、ワイオミング州、サウスダコタ州のインターステートの制限速度は75マイル(約120キロ)でした。2車線の普通の州道でも、町の中以外は65マイル(約105キロ)。

アクセルも踏まずに時速120キロくらいで延々と車を走らせていると、車を運転しているというより、ヒコーキか何か、別の乗り物に乗っているような気がしてきます。






旅日記、しばらく続きます。またよろしくお願いいたします〜! 



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2012/08/25

留守にしてます


休暇で出かけています。

Destruction Island にはちょっとやそっとでは行けそうもないので、とりあえず東へ。


(これはウチの車ではありません。これはグリーンレイク付近で見かけた、素敵なオールド・ドッジ。)

うちのちっちゃい車で州境をいくつか超えて、大平原のあたりまで行ってくる予定。

レイバーデイには戻ります〜!



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らっこ受難の話 


『ソイソース』、本日8月25日発行の号には、「らっこ」についてのお話を書いています。

「お父さんかららっこの上着が来るよ」

と、『銀河鉄道の夜』のジョバン二は学校の友達にからかわれて心を痛めますが、賢治が執筆していた大正頃には、すでにらっこは禁猟の対象になってました。初稿では、ジョバンニのお父さんはオホーツク海でらっこの密猟をして捕まったという設定であったらしいのです。

らっことオットセイが禁猟の対象になったのは、なんと1915年。明治時代です。動物を保護の対象にしようというアイデア自体が、まだとても新しいものだったはず。それだけらっこ達は大変な目にあってたのですが。

大航海時代から怒濤の19世紀をへて、乱獲によってドードーやら旅行バトやら、いくつかの種が絶滅してしまったあとで、ようやく保護の必要性が説得力を持ったのでしょう。バッファローもらっこも、かろうじて絶滅をまぬがれて、よかった。


シアトルご在住の方、よろしかったらぜひご笑覧くださいませ。

そして、らっこの運命やらっこ貿易についてもっとお読みになりたい方は


これお勧めです。Otter Skins, Boston Ships, and China Goods.
表紙の、怒った顔のらっこがなんとも言えない。そりゃー怒りたくもなりますよね。わかります。
18世紀〜19世紀のノースウェスト沿岸の部族の生活や、捕鯨以前の太平洋航路、らっことクック船長、ハワイとノースウェストとらっこと白檀貿易の関係などについての話がいっぱいです。
アカデミックの人なのでまだるっこしいところも多々ありますが、巻末のデータはとても充実してて、見やすいです。

それから、1960年代に出て絶版になっている本ですが、クック船長の航海に参加したアメリカ人を主人公にした小説仕立ての本、Sea Otters and China Trade も、なかなか面白いですよ (まだ途中までしか読んでないんですが)。シアトルの図書館で借りられます。

3年間の航海をしている間に、アメリカが英国から独立しちゃっていて、航海中に新しい祖国が出来ていたっていうのも、すごい話ですよね。



ぜひ行ってみたいのは、オリンピック半島の沖合に浮かぶ Destruction Island 。
むかしは灯台があった島ですが、いまは無人。保護区域で、らっこ天国になっているそうです。




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2012/08/24

夏の最後のバーベキュー


シアトルの夏があっけなく終わってしまいました。

今朝(8月23日、木曜日)の気温は摂氏15度以下。朝おきたら、サーモスタットが働いて暖房ががんがんに働いていました。早いよっ (;´・ω・)

夕方、仕事からの帰り道にはもう、ノースリーブにカーディガンでは寒かった。



先週末は夏の終わりのバーベキューディナーにお招きいただきました。

豪華ロブスターにゃ!


Nさんのシグニチャー「紅茶煮ぶた」。卵も美しくシナモン色に染まっておいしい~。今回はしっかりレシピを頂いてまいりました。


秋風の吹き抜けるベランダなり。先週は30度超えてたのになあ。パシフィックノースウェストの夏は打ち上げ花火のように、瞬く間に過ぎていくのです。




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2012/08/22

ジャイアントケルプの森


シアトル水族館で好きな場所は、スカイライトが射し込む大水槽 Underwater Dome

椅子もあって、ゆっくり座って眺められます。


午後になるとダイバーが魚に餌をやりに来ますが、それよりサメやエイや鮭たちがときどき通りすぎる昆布の森を見ているのが好きです。

以前Whidbey Island  の海岸に行ったとき、引き潮だったのか一面に特大昆布が敷きつめられていてびっくりしました。
Neah Bay 近くの海岸でも、崖の上から海の中にケルプの森が見えてました。



ワシントン州の沿岸に水中の森を作っているのは、Giant Kelp (ジャイアントケルプ、Macrocystis integrifolia)とBull Kelp (ブルケルプ、Nereocystis luetkeana)という種類で、日本のだし昆布にする羅臼昆布や真昆布とは種類が違うようです、残念ながら。

だしはとれないのかなー。


 ケルプの森はらっこの家。らっこになったつもりで、ゆらゆら揺れる昆布の森を眺めていると時のたつのを忘れます。


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2012/08/20

Art Up Phinneywood の舞踏道中


もう先々週になってしまいましたが(汗)、10日の金曜日、Art Up Phinneywoodのイベントに行ってきました。

またまた、KaoruさんとJoan さんの怪しい舞踏一行の道中を撮影させて頂いた。


いやー楽しかった!

前回と同じPhinney Avenue (Fresh Flour やTOKARAやレッドミルバーガーもある通りです)ですが、今回はもっと大がかり。

この日、Phinney AvenueはGreenwoodに名前が変わるあたりまでずっと通行止めの歩行者天国になり、車道の上にピアノ屋さんがグランドピアノを持ち出していたり、チョークで好きなだけお絵描きできる広場になっていたり、いろいろなバンドが演奏していたり、屋台が出ていたり、と大賑わい。


その中をしずしずと練り歩く、白塗り二人組。


付き従うのは、なぜか今回『貧』と『能』の額を持った白塗りのお二人 。



 そして、楽団がつづく。


何が面白かったって、子どもたちのリアクションが。


何か、夢の中から出て来たものを見るような。


なま温かい道路に白昼夢が降り立ったような。



生まれて初めて見たなんと名づけてよいかわからない種類のものたち。



この子たちはこの夏の夕方に突然現れた舞踏団を、いつかふと思い出したりするでしょうか。


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