2012/03/05

雛の夢


お雛祭りの夜、舞踏家のKaoruさんの公演に行ってきました。
 舞台はグリーンウッドのTaoist Studies Institute。

今回はすこし演劇仕立てで、女性舞踏家二人による「雛の夢」と題した3部劇。



赤い靴はいたおんなのこの夢。人形の夢。

お人形が命を得て動き出す、美しい春の夜の夢でした。

みながら、谷川俊太郎さんの文章と写真家の沢渡朔さんの『なおみ』という絵本を思い出しました。片時も離れなかった大事なお人形が、ある日死んでしまう。


「そしてあるあさ なおみは しんだ わたしのよこで めを みはったまま」

そしていつか母親になった女の子は、幼い自分の娘の隣に、屋根裏で眠っていた「なおみ」を置くのでした。

 


休憩時間には手作りの甘酒もふるまわれて、意地汚くもたくさんおかわりしてしまいました。

楽しいGirls Festival でした。




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2012/03/03

火鍋の魔力 小肥羊

台湾出身のEさんに教えてもらった、「火鍋」のお店、小肥羊

ベルビューのCrossroads Mallの向かいにあります。
台湾発のチェーン店で、日本にも赤坂や渋谷に支店あり。

これが火鍋だ!

スープは白いのか赤いの、または真ん中で仕切って半分ずつの紅白鍋にもできます。
まずスープをオーダーして、鍋が来てからおもむろに中に入れるものを注文するしくみ。

とにかく香辛料がたっぷり浮いています。ねぎ、クコの実、にんにく、生姜のぶつ切り、ライチ、そしてもちろん大量の唐辛子などなど。

赤いほうのスープは、かなり真剣に辛いです。
飲む前にまず辛い湯気が喉を直撃してむせるほど。

お玉で気軽にスープをすくうと、唐辛子とにんにくがこんなに↓↓こんもり!!
よけてもよけてもよけても唐辛子が次々に浮いてきます。


かすかにケモノっぽい匂いがあるスープは、こってり濃くて喉にじんじん刺激が来る、とてつもなく複雑な味。トムヤムクンとか上等のとんこつスープのように、味が何層にもなっていて飽きません。

急に思い出すとじわーんとスープの味に脳を占有され、すぐにも駆けつけたくなる、魔の鍋です。

クセが強いので、駄目な人と魔力にとりつかれる人に分かれるかもしれません。


お肉はしゃぶしゃぶ風薄切りです。
女ふたりで行って、羊肉と牛肉、野菜(白菜、えのき、レタス、豆腐)、魚介類、春雨のセットで、お一人様15ドル。おなかいっぱい食べて、スープもお持ち帰りできました。かなりお得です。

湖を渡ってイーストサイドまで行く価値のある実力派お鍋でした。



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2012/02/29

ご近所ベーカリー HONORE


クロッカスが咲いたとおもったらまた急に寒くなって、昨日今日は雪もちらついていました。
ゆっくりできる朝は、近所のパンやさんへお散歩。


 HONORE Artisan Bakery は、住宅街の中にちょこんとあるベーカリー&カフェ。
うちからはタテヨコ約10ブロックほどで、ゆっくり歩いて片道30分弱のお散歩コースです。

椅子席はカウンターが5席ほどだけですが、来ているお客さんがいつもとってもオシャレにみえる。 この日も、スティーブ・ジョブズ風の男性が(髪が薄くて黒いタートルネックだとジョブズ風に見えてしまうw シアトルにはそんな感じのお父さんが多いです)、ペストリーを食べながら難しそうな本を読んでいたり、 小さな女の子をつれたお母さんの押しているベビーカーもクラシックだったり、なんだかヨーロッパの風が〜。


スコーンはふつうにおいしい。グージェールという、シュー生地にチーズを練り込んだパンがわたしは最近お気に入り。

最近はケーキやタルトもあり、欧州風のこってり濃厚味です。
ここは時々、パンの出来に少しばらつきがあるような気がするのですが、とにかく気分はとてもオーセンティック。ご近所にこれだけ優秀なベーカリーがあるのは幸せです。

Honore Artisan Bakery 
1413 NW 70th St Seattle, WA
水曜日〜金曜日 7時〜4時、土曜日&日曜日 8時〜4時 


この一角は住宅街の中にある不思議なミニチュア商店街。隣は夕方だけ営業のビストロ、その隣は傘屋さん、向かいはアートスタジオと小さなレストランです。

ここを通るたびに、昔読んだ『霧のむこうの不思議な町』というお話を一瞬思い出すのは、この煉瓦の建物に入った傘屋さんのせいかもしれません。主人公の女の子はピエロの顔の傘を追いかけて、不思議な石畳の町に迷い込むのでしたね。


おまけ。帰り道、鼻つき電柱発見。





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2012/02/28

Concussionは「脳しんとう」?


昨日の日曜日のトーナメント決勝戦で、サッカークラブのシーズンが終わりました。
(息子のチームは決勝戦で負けてトーナメント準優勝でしたが、良いシーズンでした)
来週からは高校のほうのサッカーシーズンが始まります。

アメリカの学校のスポーツはシーズン制で、シアトルの公立校の男子スポーツだと、フットボールは秋(9月〜11月)、バスケットボールと水泳は冬(12月〜2月)、サッカー、野球、ラクロス、陸上は春(3月〜5月)です。

クラブでも学校でも、サッカーなどのコンタクトスポーツに参加する時に必ず書かされるのが「Athletic Concussion Information Form」。

Concussion が起きた場合の症状や対処法などの情報が列記してあり、本人も親も読んで理解しましたという署名をしないと、そのスポーツに参加する許可が出ません。

Concussion は辞書の訳語では「脳しんとう」と載っていますが、日本とは少し定義が違うようです。

AAFP(アメリカ家庭医学協会)のサイトではConcussion を「Mild traumatic brain injury」と定義して、3レベルに分けるガイドラインをいくつか紹介しています。
学会によって微妙に違うのですが、米国神経学会のガイドラインでは以下のとおり。

レベル1:意識喪失も意識の混濁もなし。頭痛など何らかの症状があるが、15分以内でおさまる場合。
レベル2:意識喪失はなし。記憶障害など意識の混濁があり、症状が15分以上続く。
レベル3:長さに関わらず意識喪失があった場合。重度のconcussionとみなされます。

「頭をぶつけて、少し痛いかも?」という程度のレベル1concussion は、日本では「脳しんとう」とはいいませんよね。

 

ワシントン州では、2009年に『Zackery Lystedt法』が可決されました。

この法律はワシントン州のスポーツ少年だった Zackery Lystedt君の名前を冠したもの。Zackery君は2006年、中学のアメフトの試合中に頭を強打したあと、少し休んで試合に戻り、その試合中に急に意識を失って倒れて病院に運ばれました。緊急手術を受けたものの脳機能は完全には戻らず、現在も全身が麻痺したままです。

頭を打ったあとすぐに試合に戻らなければ息子はこんな障害を負うことはなかっただろうと知ったZackery君のご両親が、二度と同じことが起きないようにと州議会に働きかけて制定されたのがこの法律。ニュースクリップはこちら

制定されたのは、ちょうどうちの息子が高校に入学した年でした。

この法律によって、クラブサッカーでも高校サッカーでも、試合中にconcussion が起こった場合には、その選手はすぐにプレーを中断して医療専門家の診断を受け、concussionによると思われる症状が完全になくなってから1週間(軽度の場合)は、試合にも練習にも出てはいけないことになりました。

そしてうちの息子、 か な ら ず 毎年1回は、頭を強打しちゃうのです。
新入生のときにはアメフトの試合でひっくり返り、数週間欠場。
去年は高校のサッカーのシーズン最後の試合の前にほかの選手と頭をぶつけ、重要な決勝に出場できず。



そして今回も、準決勝の試合でスライドタックルされて↑、この後に思いっきり後頭部を人工芝のグラウンドに打ちつけ、決勝には出場できませんでした。

大事な試合に出られないのがものすごく辛いようで、去年は悔し涙を流していましたが、脳みそには替えられないので、しかたありません。


いずれも意識を失ったりはしない「レベル1」のconcussionですが、昨日は試合後、シーズン打ち上げのチームパーティで、あちこちのお父さんお母さんから、小さな衝撃でも何度か続くと怖いから、ちゃんと検査を受けたほうが良い、と忠告されました。しかもパーティをホストしてくれた家のお父さんが脳腫瘍の専門医だったので、ものすごーーく説得力あり(汗)。



チームメイトの中にも、今シーズン中concussion で欠場した子が何人もいました。試合中にほかの選手と衝突して数分間意識を失い、夕食後もしばらく言動がヘンで、数日間記憶障害があったという 「レベル3」を被った子も。

頭の中の怪我というのは外からでは診断が非常に難しいし、本人にも自覚症状があるとは限らないので、こういうガイドラインが出来たのは喜ばしいことです。


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2012/02/25

『ヘルプ 心がつなぐストーリー』出版されました


もうひとつ、心待ちにしていた嬉しい本がとどきました。

『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(集英社文庫)。
原作はキャスリン・ストケットさんのベストセラー『The Help』です。(原作は一巻なのですが、日本語版は長大なため、上下巻になりました)

翻訳者の栗原百代さんのお手伝いで、この本の下訳を半分担当させて頂くという光栄にあずかりました。

昨年後半の数ヶ月、お天気つづきの週末もこもりきりで作業にかかったのでしたが、本当に楽しいお仕事でした!

舞台は1960年代後半のミシシッピ州ジャクソン、公民権運動がピークを迎えるまさにその頃。
語り手は3人の女性たち。大学を出たばかりの白人娘、ユージニアと、長年白人家庭のメイド「ヘルプ」として勤めてきたエイビリーン、そして 、その親友で毒舌家のミニー。

この3人が、白人と黒人が同じ場所に座ることさえ許されていない社会にあって(ほんの1世代前のことなのですが!)、白人家庭に仕える黒人メイドたちの本音を綴る本を出すという、弱い立場の女にとっては恐ろしく大それた危険な事業を成し遂げていくお話です。

カラフルな登場人物たちによるストーリーには、くすくす笑えるところ、爆笑してしまうところ、号泣してしまうところがいっぱいで、何度読み返しても同じ箇所でぼろぼろ泣いては、主人公たちのパワーに触発されて、たちまち元気になれます。

重いテーマを扱っているのにエンターテイメント性たっぷりで、あっという間に読めてしまいます。
ぜひぜひ、お手にとってみてくださいませ。 
  
映画はアメリカでは今年初秋に公開されてヒットし、日本では3月末から公開です。
アカデミー作品賞のほか、主演&助演の女優賞に3人がノミネートされています。

エイビリーン役のヴィオラ・デイヴィスは、言葉よりも雄弁で強い視線がぐさっとくる、素晴らしい演技でした。ミニー役のオクタヴィア・スペンサーは、作者が彼女を念頭においてミニーを書いたというだけあって、そのものずばり。映画の登場シーンから笑っちゃうほどの迫力でした。

ミニーと不可思議な友情を結ぶ、ホワイトトラッシュ出身のシーリアも、多くの読者から愛されている 忘れられないキャラクター。シーリアを演じたジェシカ・チャスティンも助演賞にノミネートされています。
 
明日のアカデミー賞発表が楽しみです!!

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2012/02/23

日曜日のホグワーツ(違


日曜日、ワシントン大学のスザロ図書館へ。
いつ行っても、ホグワーツな雰囲気です。

いつもは大学構内、1時間につき4ドルくらいのパーキング料金がかかるのですが、日曜&祝日は無料〜。クルマで行って見学するなら日曜が狙いめですよ。

もちろん閲覧室は誰でも使えます。


 大閲覧室は相変わらず静まりかえっていましたが、記念撮影している人も結構いました。
ここは天井が高いので、小さな音でも風呂場のようにわんわん響き渡ります。

シャッター音が響くと、静かに読書をしている人がちらっと目をあげる、視線が厳しい。

日本でもホノルルでも、図書館は飲み物食べ物持ち込み厳禁だったけど、シアトルの図書館は市立のも大学のも、まったくノーチェック。

本を読むのにコーヒーなしでどうするの?っていう文化なのか。
さすがにお弁当を食べている人はいませんが…。

ここも図書館1階のカフェテリアに(シアトルの施設だから当然)エスプレッソバーがあるので、カプチーノやアメリカーノを買って来て温かいカップを片手に、ゆったり読書ができちゃいます。
 

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2012/02/22

猫の日はジョージの誕生日


2月22日は日本では「ねこの日」だそうですが、ジョージ・ワシントンのお誕生日でもあります。
グーグルではヘルツさんのお誕生日を祝ってましたが。

2月の第3月曜日はいつの頃からか「Presidents’ Day」 と複数の大統領を記念するホリデーになり、12日がお誕生日のエイブラハムと一緒にお祝いすることに。
でもいまでも正式名称は「ワシントンズ・バースデイ」なのだそうです。

ところで、いま私が細々と通っているワシントン大学の「Red Square (「赤の広場」?)」入口に立ってるこの銅像。つい先日まで、誰なのか知りませんでした。

初代学長?なんて勝手に思い込んでたのですが、近くを通ったので足元からじっと見てみたら、ジョージ・ワシントンさんでした。
 
だからこの横の図書館にあるフードコートが「By George」って名前だったのか!と、やっと納得。 ワシントン大学だものね……。


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