2011/12/28

コンセント


翻訳をしていて、「あれ、これって日本語で何ていうんだっけ?」と意外なものの名前が出て来ないことがあります。

先日ひっかかってしまったのが、これ。



壁の電源差し込み口にプラグを入れることを「プラグをさす」としてしまってから、何かヘンだな、としばらく考えて、そうだ、「コンセント」っていうんだった!と思い出したものの、「コンセント」が outlet (差し込み口)のほうだったか plug(プラグ)のほうだったかがはっきり思い出せず、「コンセント抜いて」って言うよなあ、ていうことはコンセントってプラグと差し込み口と両方のこと? と、しばらく苦しんでしまいました。

はてなキーワードにたどり着いて、ようやくコンセント=outlet だということを確認。

でも、とすれば「コンセント抜いて」って、ほんとは「コンセントから抜く」であるべきなのに、そう言う人は少ない。ということは、もしかしたらぼんやりと「電源を接続している状態のプラグ」のことも「コンセント」と言うのだろうか、と仮説を立ててみたり。

でもどうして「コンセント」って呼ぶようになったんでしょうね。

はてなにも、「 なお、コンセントを何故「コンセント」と呼ぶに至ったのかは不明である」とあるだけでした。
consent から来てるんでしょうけど、双方同意の上でってシャレだったんでしょうか? 



ところで先日、カフェでPCに使う電源があるかと聞こうとしてoutlet という英単語が一瞬思い出せず、「Do you have ...... POWER LINE 電線ある)?」と聞いてしまったことが。

バリスタのお姉さんは首をかしげて、「…ううん、ないわ」と言ってましたが……。なくて良かった。




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2011/12/22

クリスマスカード


毎年、サンクスギビングの頃にはクリスマスカードを送らなきゃ、と思うのに、結局12月の半ばを過ぎたころにバタバタと出すことに。

ほとんどの友人にはEカードを送るのだけど、21世紀も11年めになってもまだネットにつながっていない友人たち数名には、海を越えて紙のカードを。

フライ美術館で見つけた兎のカードは、シアトル近辺の美術館ショップや書店で時々見かけて気になっていた、版画家さんの作品です。
ヨシコ・ヤマモトさんという日本人の作家さんで、シアトル近郊、ピュージェット湾の向こうのポート・オーチャードに工房を構えていらっしゃるようです。

和のテイストと、大胆な構図と、ノースウェストらしい、少しほの暗い感じがとても素敵。
サイトはこちらです。

The Arts & Crafts Press 

 ではみなさまも、良いクリスマスをお迎えください!

2011/12/16

フライ美術館のヘビと羊


先週金曜日。シアトルのFirst Hill の坂の上にある、Frye Art Museum (フライ美術館)に行ってきました。

お天気の良い午後、空気は少し冷たいけれど散歩には最適。

この美術館は、いまの職場から坂を5ブロックくらい上ったところにあります。
でもこの坂は散歩というにはかなりきつくて、結構な運動になりました。ていうより、めちゃ辛かった。息切れしまくりでした。


フライ美術館は、入館無料。寄付はウェルカムです。
手前のほうの広い展示室は企画展用で、いまは Isaac Layman というシアトルの若手写真家の展覧会『Paradise』をやってます。


そこらにある普通の工具入れや紙のしわや濡れた紙が超拡大プリントでなにか全然別のものすごく美しい風景になっていて、落ち着かないような気分にさせられます。1月22日まで。

奥のほうの常設展示室は、この美術館の基盤であるフライ夫妻のコレクションを展示した部屋。


入り口で迎える、フランツ・フォン・シュトゥックの『罪』 。

わりに人のよさそうな蛇です。


中は四方の壁いっぱいに絵画がかかっているサロン風。
フライ夫妻が集めた、19世紀末から20世紀初めのドイツ絵画がほとんどです。
フライさんはドイツ出身の移民で、シアトルで食肉工場を経営して成功したんだそうだ。


奥のがフライ夫妻の肖像。絵画コレクションは無償で展示するようにという遺言どおりに、遺産で美術館が設立されたんだそうです。

 ひつじたち。

犬とお散歩。


古いペルシャの絨毯が敷かれた大広間は、写真で見るとベルサイユ的に華やかサロンのようだけど、実際に行ってみると絵画がなんとも重たくって、華やかさというよりなにかこう引きずり込まれるような、ダウナーな感じを受けました。


ドイツ絵画はよくわからない。襟首をつかまれるような絵はなかったけれど、ちょっと背筋の寒くなるような絵がいくつかありました。上の写真の左側の女の子の絵とか。

同じころのベルギーやフランスの絵画よりも、なんだかずっと暗い気が。明るい風景を描いていても、どこかに重い薄暗さがまとわりついているように感じる。やはり、暗くなる一方だった時代の空気を反映しているのでしょうか。


なにしろ無料で、20世紀初頭のサロンな雰囲気が味わえます。坂を上って行く価値はあり(もちろんバスでも行けますよ!)。

美術館は
住所:704 Terry Avenue Seattle, Washington 98104
パーキングも無料です。カフェとショップもあるよ。

午前11時〜午後5時、木曜のみ午後7時まで。月曜休館。


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2011/12/11

Total Lunar Eclipse

シアトル時間で12月10日土曜日の朝午前5時から6時頃まで、皆既月食が観測できました。
目覚ましで起きてみると、この季節にしては奇跡的にからりと晴れた西の空に、満月が煌々と輝いています。
いま猫シッターで滞在中のカークランドの家は西の空がひらけているので、リビングの窓からもとても良く見えました。


上のほうからだんだん欠けていきます。


20分経過頃。


30分を少し過ぎた頃。

でもこのあと、もうちょっとで皆既!というところで、ワシントン湖のあたりから霧が湧いたものか、どこからともなく雲がわらわら流れて来て、だんだん見えなくなってしまいました(涙。

ふと思い出した本当にどうでも良いことですが、アメリカに来てすぐの頃に乗っていた車が、三菱のEclipse というクーペでした。車につけるにはヘンな名前、という気がしたのですが、わりに人気があって、今でも新型が出てるようですね。

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2011/12/08

PCCのフェアトレード・チェリー・ペッパー・チョコレートと農地基金


クリスマス用、季節限定のチョコレートがお店にたくさん並んでいますが、こちらはお店限定のペッパー&チェリーチョコレート。
地元自然派スーパーのPCCで売っています。(ハワイの人はPCCっていうと「ポリネシア・カルチャーセンター」を思い浮かべますね~w ではなくて、Puget Sound Co-Op の略ですよ!)

前にも書きましたが、シアトルでコーヒー店の多さ以上に感動したのは、このPCCやTown & Country Metropolitan Market など、地元資本の小規模スーパーマーケットの存在でした。この三つはどれも地元を強く意識した、素敵な品揃えです。チーズやワインも豊富で、食料品のほかに気の利いたキッチン雑貨なども売っていて、Whole Foods を小さくした感じ。

メトロポリタンは高級住宅街にあり、お値段も高くてちょっとスノッビー、タウン&カントリー系列は立地ももうちょっと庶民派で安くて、でも生鮮食料品は近郊の農産物や魚介類を中心に仕入れがとても良く、鮮度管理も抜群です。

そうしてPCCは、シアトルで1950年代に創設された歴史ある「生協」で、現在は9店舗、会員は4万5000人だそうです。だれでも買い物ができますが、会員だと月に一度、お買い物の合計が一割引きになります。メンバーシップは一回限りの60ドルのみ。オーガニック食品がほとんどで、全国チェーンのスーパーと比べるとたしかに割高ですが、地産地消志向のシアトル人にはしっかり支持されています。

 PCCは店舗だけでなく、生産者と共同でいろんな活動をしていて、このチョコレートもその産物。フリートレードのカカオ豆だけを使っているTheo Chocolate とのコラボレーションで、地元産チェリーと、フェアトレードの南米産チリペッパー入りのダークチョコレートです。 ピリッとする後味がダークチェリーと合っててなかなか素敵。


シアトル近郊には最近若い農家が増えているようです。自分で土地を持たず、借地で農業を始める若い人たちも出て来ているようで、志と能力あるファーマーズのために、PCCではファンドを作って土地を買い上げ、農地として貸し出す活動を始めたと先日新聞の記事で紹介されていました。このチョコレートの売り上げは、そのファームランド基金に使われるようです。

ノースウェストの豊かな食生活は、生産者と販売店の積み上げた歴史あればこそなんですねぇ。


隣町フリーモントにあるTheo Chocolate、絵本のような煉瓦作りのチョコレート工場見学には、まだ残念ながら行く機会がありません。こちらも ↑ チリペッパー入りのホットチョコレート。 濃厚味です。

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2011/12/04

Cyber Monday


前回からもう一週間たってしまいました。師走は早い早い。
一週間遅れの話題ですが…(汗)。

感謝祭休日明けの月曜日は「Cyber Monday (サイバー・マンデー)」と呼ぶのだと、数年前からテレビのニュースが言い始めていました。なぜならその日は、「ブラックフライデー」とそれに続く週末で買い足りなかった人たちが、会社に出勤してからオンラインで買い物をするから、と説明されていました。週末の売り上げをさらに伸ばすべく、各小売業者もこの日に追加セールをしていて、実際にオンラインショッピングの売り上げが年間で一番跳ね上がる日のようです。

今年のサイバーマンデーにPatagonia から来たEメールは、「全品30%OFF」でも「本日限りお買い得商品のご案内」でもなく(それを期待していたのですが)、「DON'T BUY THIS JACKET」というタイトルでした。

メール本文にもその文字と、シグネチャーの「R2」ジャケットの写真。 海賊品の注意かなにかかな、と思ったら、そうではありませんでした。

Today is Cyber Monday. It will likely be the biggest online shopping day ever. Cyber Monday was created by the National Retail Federation in 2005 to focus media and public attention on online shopping. But Cyber Monday, and the culture of consumption it reflects, puts the economy of natural systems that support all life firmly in the red. We're now using the resources of one-and-a-half planets on our one and only planet.

(今日は「サイバー・マンデー」、おそらくはオンラインショッピング売り上げの記録が更新されることでしょう。サイバー・マンデーは、2005年、オンラインショッピングにメディアと人々の注目を集めるため、全国小売連盟(National Retail Federation )が、2005年に作り出しました。サイバー・マンデー、そしてそれが映し出す消費文化は、生命を支える自然体系の収支バランスを大きく損なっています。現在わたしたちは、たった一つしかない地球がもつ資源の1.5倍を消費しています。)

という文章に続いて、この「R2」ジャケット1枚を作るために(6割がリサイクル素材で作られているこのジャケットでさえ)、1日に必要な飲料水45人分に当たる135リットルの水を要し、材料の運送のために20ポンドの二酸化炭素を(これは完成品のジャケットの重さの20倍)排出している、と説明して、このジャケットもほかのものも、必要でないものは買わないようにしよう(Don't buy what you don't need. Think twice before you buy anything.)と呼びかけているのでした。


小売業者から「モノを買うのを控えましょう」という直接メッセージが来たのは初めてで、これにはびっくり。単なるきれいごとでしょう、という人もいるだろうけれど、ブラックフライデーの異常な買い物騒ぎ報道と、クリスマスセールのあふれかえる広告を強迫的に感じていたので、すがすがしく感じてしまいました。

最近家でネットにつないでいるときは大抵 Pandra Radio をつけっぱなしにしていますが、何曲かおきにCMがはいり、このごろはあのイラッと来る英国なまりのヤモリ(保険会社のGEICOのキャラクター)か、アニメの声優みたいなハイパーな女の子の声が「シーズン最大のセール!」と頭のてっぺんから叫び続けるトイザラスのCMばかりです。CMが入るとすかさずミュートにするのですが、それでも最初の何秒か分、ショッキングピンクや紫のプラスチック製おもちゃが並ぶ店頭を思い浮かべてしまい、トイザラスへの反感は高まるばかり。まったく逆効果だと思うのですがー。

それはさておき、トイザラスに並ぶおもちゃって、本当に「要らないもの」の代表だなあ、とつくづく思うようになりました。子どもはそりゃもらったら嬉しいけれど飽きてしまうのも早いし、部屋中に散らかるプラスチックやビニール製のおもちゃは、せいぜい長くても数年でゴミ箱行きです。

でも子どもが小さい時は、クリスマスの朝にツリーの下にならんだプレゼントの箱を次々に開けさせてやりたかったし、部屋をおもちゃでいっぱいにしないと、なんだか親として失格みたいな気がしてもいました。クリスマスプレゼントって子どものためではなくって、本当は、親の満足のために買ってやるものなんですね。



写真は数週間前の晩秋の紅葉と、紫式部。いまはもうすっかり散ってしまいました。
気温は氷点下に下がる朝もあるけれど、雪の気配はありません。スノータイヤにつけかえたので、ちょっとだけなら降ってほしい。ほんの気持ち程度の雪でよいのです。


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2011/11/26

Black Friday

 

サンクスギビング翌日の金曜日は「ブラック・フライデー」。

クリスマスのお買い物が本格的に始まる日。小売り業がやっとこの日に年間売上が黒字になるからだとよく説明されています。が、ある記事によると、もとは60年代にフィラデルフィアの警察が、買い物客とフットボールの観客とで道路がむちゃくちゃに渋滞し、万引きが増え、混乱状態になる暗黒の日として「ブラックな金曜日」と呼び始めたんだそうです。

メディアで「セールの日」という意味で「ブラック・フライデー」が大々的に使われるようになったのは、ここ数年のこと。
たしかに、以前は早朝6時くらいからオープンする店もあったものの、それほどの大騒ぎじゃありませんでした。

ここ5、6年の間で「ブラック・フライデー」という呼び名が定着するのと同時に、Best Buy などの店で、開店と同時に売り出す「Doorbuster」(「超特売品」)を狙って夜中から店の前に長い列が出来るようになり、それを受けて真夜中にオープンする店も出始め、さらにだんだん開店時間が早くなって来ました。
とうとう今年からはトイザラスなどはサンクスギビング当日の夜から開店し始めるようになってしまいました。

今年はシアトル郊外のアウトレットモールも、トイザラスやウォルマートと同様にサンクスギビング当日の夜9時開店でした。

数年前、ハワイにいた時に一度だけアウトレットモールの真夜中セールに行ってみたことがありますが、お祭りのようでそれなりに楽しかった。でも夜中だからといって何でもかんでも安いわけではもちろんありません。周りのハイパーな熱気に巻き込まれて、なんだか余計なモノを買ってしまいそうになった覚えがあります。

サンクスギビングは家族の集まるホリデーなのに、その夜から出勤しなくてはならない小売店従業員の方は大変です。今年から夜中の12時開店を決めたTARGETに対しては「夜中に開店しないで」という嘆願書が 20万件の署名を集めたそうです。

ロサンジェルスでは買い物客がほかの客に対して催涙スプレーを使って商品を確保しようとしてニュースになってました。なぜそこまで理性を失ってしまうのか。
You Tube などでウォルマートの「Doorbuster」商品を奪い合う客の動画を見ていると、何があってもブラックフライデーのウォルマートにだけは居合わせたくないと心の底から思います。
夜中じゅう開店していることで駐車場などでの犯罪も増えているようだし、本当に暗黒の金曜日になってしまっているようです。こんな傾向にはもういい加減に歯止めがかかると良いのですが。

わたしは今年はベルビューのショッピングモール、Bellevue Squareへ。開店は朝6時でしたが、早起きしたくないしどうせ午前中は激混みだろうと思い、混雑がそろそろ引く頃合いを見計らって、午後4時頃から出かけました。パーキングも屋上だけど待たずに見つけられたし、当日限り全品4割引というお店も結構あって、もちろん流血の惨事は起きておらず、落ち着いてほくほく実りあるお買い物ができました。

アメリカのショッピングの良いところは、大抵の店で返品が可能なこと。 昨日もコートを2着、とりあえず4割引で買ってみて、家に持って帰って来て現在もまだ検討中ですw。


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