2010/11/08

El Camion


El Camion は、オーロラ通りのホームセンターHome Depotの敷地にいつも出ている黒いトラックのメキシコ料理屋さん。最初なにげに寄ってそのフィッシュタコのおいしさに驚いた。タコスをはじめ、自家製サルサ、ゴディタ、ココアで煮込んだ鶏料理の「モレ」、たまにしかないけどサビーチェ、など、どれをとってもハズレなし、手抜きのないおいしさ。のわりにタコベルと大して変わらないお値段もとっても嬉しい。
間違って激辛の肉などを頼んでしまったときにはなくてはならない、優しい甘さのお米飲料ホチャタも、ここのは甘すぎず薄すぎずおいしい。
  
お好みのお肉、ブラックビーンズ、ライスを巻いたブリトーは6ドルで、推定800グラムくらいのずっしり感。ティーンエイジャーの息子もさすがにこれ一個食べた後はしばらく「腹へった」と言わない。

写真はバラード地区に新しくできた「支店」 で、このほかSODO地区でも操業中。
Home Depot店のほうが、微妙〜においしい気がするけど、気のせいかもしれない。



 ちょっと待ち時間があります。
特にバラード支店はまだ開店まもなく手際が悪いのか、おじさんが時々注文を間違えておばさんに怒られているので、柴犬さんのように辛抱強く待つ覚悟が必要。



 これはビーフタコ。1個1ドル40セント。わたしは3個でお腹いっぱい。

2010/11/04

大雪の予報


シアトルの位置は北緯47.36度。実は稚内よりも北にある。

太平洋の海流のおかげで北国のわりには温暖で、11月の平均気温は昼間が摂氏10度、夜が摂氏7度。12月でも昼間が摂氏7度、夜が摂氏4度。 街中に雪が降ることはめったにない。

…のだけど、今年は「ラニーニャ」の影響で、米国北西部にもドカ雪が降るという予報。

2年前の12月には立て続けに記録的な吹雪が来て、町の中にも大雪が積もり、坂だらけのダウンタウンはもちろん、シアトル市中が完全に機能停止してしまったらしい。

東京もそうだけど、雪に慣れていない都市はちょっと雪が降ると完全麻痺してしまうのですよね。
 

そのときに道路に積もった雪を溶かすために塩や化学物質を使わず、砂6000トンをふりかけたのが、雪はぜんぜん溶けずに固い氷になってしまい、2週間後にも車が動けない状態で、市長や交通局には非難ごうごうだったという。


当時の市長が「次の雪には塩を使います」と約束したので、来る大雪に備えて500トンの塩が用意されているとか。


今週は青空が続き、昼間は半袖で充分なくらいの爽やかなお天気。
去年の冬はずっとこんな晴天だったけど、それもまた異常気象な年であったらしく、「去年の冬をシアトルの冬だと思っちゃダメよ〜〜」と、長くからの住人はみんな口を揃えて忠告してくれる。

さて本当に雪は降るのでしょうか。運転する身としては、出来れば降るのは山だけにしてほしい。

2010/11/01

Halloween


今年のハロウィーンは雨、の予報が外れて、なんとかお天気がもちなおしたので、急いで近所のかぼちゃ写真を撮りにでかけた。
この界隈は子どもが多いこともあって、どこのおうちにもほぼ8割の確率で(きわめてテキトウな統計ですが)玄関の前にかぼちゃが並んでいます。

力作ぞろい。
パンプキン・カービング(彫刻)はやってみるとかなり楽しい。
このかぼちゃって、 日本のかぼちゃみたいに中身が詰まってなくって、しかも意外に柔らかいので、スーパーでこれ専用に売ってるぺらぺらのプラスチック製の糸のこみたいなので、けっこうスイスイ切れてしまう。細かい模様を作るのも実はそんなに難しくないのだ。


ここんちは大人のカービングパーティだったもよう。細工が凝ってます。


岡本太郎風?

ミニサイズのねこのかぼちゃがかわいい。


そしてもちろん、どこの近所にも1軒か2軒、ハロウィーンとなるとものすごくはりきってしまう家がある。ガレージにお化け屋敷を作って近所の子どもを待ち構えていたりw


 壁一面、大蜘蛛に襲われた家。夜はライトアップつき。

この近隣の一等賞はこの、煙突より高い死神。オリジナル作品らしい。迫力です。

クリスマスリースの前に秋用のリースをかけている家もある。


暗くなってくると仮装した子どもたちがキャンディ用のバケツをさげて走りだす。薄闇の中をこどもたちが羽根やお面をつけて走っている風景はなかなか素敵だけど、住宅街の運転にはくれぐれも注意が必要。

最近は昼間、安全な商店街でトリック・オア・トリートのイベントを開催するところも多い。こどもが小さいうちは、何を着せてどこに連れていくか、頭を悩ます一大イベントなのですよね。

2010/10/30

Ballard



今住んでいるバラード(Ballard)は、シアトル市内の北西部にある、わりあいに古い住宅街。もともとスカンジナビア系の人が多かった地域だ。

バラードのダウンタウンは、昔は漁師町で釣具とかボートの索具とかの店ばかり並んでいたそうだけど、今はすっかりオサレな町になってしまい、イタリアンレストランやカフェや個性的なブティックやワインショップやベーカリーが並ぶ。



これは新しいジェラート屋さん。そのとなりは、子ども用品の専門ブティックClover
大量生産でない玩具やオーガニック素材のベビー服などを扱う店で、うちの子どもにはもう全然関係ない領域になってしまったにもかかわらず、用もないのに覗いてしまう。
友人に赤ちゃんでも生まれた日には、この時とばかりにプレゼントを買いに走る。この犬ボウリングはずいぶん前に友人の出産祝い詰め合わせに購入したもの。あんまり可愛いので写真だけ撮っておいた。


あの危険なカニ漁船リアリティTV『Deadliest Catch』にフィーチャーされているカニ漁船のひとつも、実はこの界隈の波止場が本拠地。祖父の代からバラードの漁師だというカニ漁船長は、この間新聞のインタビューで、オサレになってしまった今のバラードは「何売ってんだかわかんない店ばっかり」と嘆いていた。

シアトルはどこもそうだけど、この町にも犬の姿が多い。
おりこうさんに店の外で我慢強く待っているわんこをよくみかける。お店のほうでも、犬用の水のいれものを店の外に置いてあったり、カフェでは犬おやつをただでくれたり、すごくドッグフレンドリー。


 このブティックのディスプレイは、乳がん啓蒙活動のピンクリボンでした。


犬も多いし、小さい子ども連れの若いお父さんお母さんも多い。 オサレな町並みにもベビーカーを押したママや赤ちゃんを背負ったパパが無理なく溶けこんでいる。シアトルはキッズにも、というか、子連れにフレンドリーな町だと思う。

2010/10/27

雨紅葉


シアトルに来て2度目の秋です。

今年は秋に入ってからぱっとしたお天気の日は少なく、週末も雨模様。

うちからもダウンタウンからも車で10分くらいのグリーン・レイク(Green Lake)は、池のまわり一周4.5キロくらいで散歩に最適なので、晴れると犬と歩く人と走る人と自転車の人ローラースケートの人で渋滞になるけれど、先週末は人も犬もまばらでした。

夏にはミニチュアの「ビーチ」に飛び込み台も設置されて、貸しボートも出て、池の上も周りもたいへん混み合ってますが、今はもう静まり返って鴨たちだけの世界でした。





ちょうど雨がぱらぱら振ってきて、色づいた葉に雨粒が落ちると、水彩絵の具を溶かしたような色あいに。さわったら手に絵の具がつくんじゃないかと思うような、鮮やかな赤色。

東海岸のニューイングランドから来た人に言わせると、ノースウエストには本当の紅葉はないのだそうです。
「こんなサビみたいな色は秋の色とはいわない」と、どこかのコラムに書いてあった。
…さようですか。
でも南国で10年過ごして秋の色に飢えた目には、充分鮮やかで綺麗です。



願わくばもうちょっとゆっくりしていってほしい秋の色。
今週の大風でずいぶん飛んでいってしまいましたが。

2010/10/23

母蜘蛛たち

10月は蜘蛛の季節。

9月ころから庭に蜘蛛の巣がものすごく多くなる。

通るたびに、庭の小道に新しく張られた見えない糸が顔を直撃するので、顔の前で手を振りながら家を出ていかなければならない。
大きな巣の真ん中には気の毒なミツバチや小さな蛾がいつもぐるぐる巻きになっている。
母蜘蛛はせっせと働き、栄養をつけて、冬の来る前に卵を目立たないところにひっそり産んでいなくなる。


霧の朝、ベランダにハロウィーン風のディスプレイが出来ていた。




ほんの一時だけのはかない飾り。

制作者本人たちには嬉しくもなんともない霧の朝だろうけれど。

2010/10/22

殺人山羊

先週、オリンピック半島のハイキングコースで、mountain goat にハイカーが襲われて亡くなるという悲惨な事故があった。
ここはつい2ヶ月ほど前に行ったばかりのとこ。たしかに、駐車場ハイキング道入り口に、「Mountain goat を見たら大声を出して追い払うように」「絶対に近づかないように」と注意書きが貼ってあった。

 …ヤギ?なんて思ったけど、冗談じゃなく怖いらしい。

こんな人です。

 この角がめちゃめちゃヤバそう。体重は130キロ超え。

襲われた人も、家族を先に逃がして追い払おうとしたところ、ヤギが向かって来てしまったらしい。

8月末にこの近くに行ったときには幸いヤギにはあわなかったが、鹿がたくさんいた。
鹿は野生なのに、いじめられたり狩られたりしたことがないので人をほとんど恐れない。大きな牡鹿がどんどん近づいて来たので、けっこう焦った。



私が行ったのは、オリンピック国立公園(Olympic National Park ) の、Hurricane  Ridgeというトレイル。簡単なコースなので小さな子ども連れも多かった。
ヤギが人を襲ったKlahhane Ridge は、もうちょっと健脚向けの隣のコース。8月に行ったとき、ほんとはこっちに行こうかなと思ってたのだ。




国立公園は車で入るときに1台15ドルくらいの入園料を徴収される。ここにこなくても、どこかに必ずまた行くだろうと思って、全国どこの国立公園も共通の年間パス85ドルを購入したのだが、結局どこにも行かないうちに10月がもう終わってしまいそう。
今頃はここも草紅葉が終わって、もうそろそろ霜が降りるころだろう。


この公園内のヤギの中でも攻撃的なのは数匹だということで、今はレンジャーがほかに目立って危なそうなのがいないかどうか見まわっているそうだ。この殺人ヤギは、当然のことながら血まみれのところを見つかって射殺されてしまった。


もともとヤギたちは1920年代に、多分狩猟のために外から持ち込まれたのが野生化して今では公園内に1000頭以上に増えてしまったもの。昔話題になった琵琶湖のブラックバスみたいなものでしょうか。

高山植物を踏み荒らすし、一掃してしまおうという意見がもうずいぶん前からあるらしい。

ヤギにしてみたら曾祖父さんのそのまた前からずっと住んでいる山であって、勝手に入ってきてウロウロしているのはハイカーのほうだ。どちらからしても迷惑な話。