2011/02/19

スノードロップ


スノードロップが咲き始めた。

Snowdrop ってなんて可愛らしい名前なんでしょう、と、小学校の頃、「フラワーフェアリー」の絵を見て思った。

東京の住宅街ではスノードロップは(少なくとも当時うちの近所では)みかけなかったから、ホンモノを見たのはもしかしてこっちに来てからかもしれない。名前のとおりの小さな可愛らしい花。

今朝はまた冷え込んで霜が下りて、花も氷漬けになってしまった。


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2011/02/18

謎の線路

Ballard の14th Avenue に残る廃線路。
20世紀初頭に、バラードからシアトルダウンタウンまで伸びていた市電があったというから、その名残りだと思われる。
その頃の写真アーカイブをみつけた。1920年代、何にもない〜〜。道が広い!!
たとえばこんな

1920年の写真にも、たぶんできたばかりと思われるテキサコガソリンスタンドが写ってる。ていうかたぶん新築のガソリンスタンドの写真を撮ったんだろうな。
市電は車との競争に負けて、1940年には廃線になった。

…はずなのに。
なぜか14th AvenueとNW Leary Way の角に残る、「電車踏切り」の標識。これは一体…?
1930年代から残ってるとも思えないので、何かのシャレなのだろうか。

シアトル市は今、市電をまた建設していて、ダウンタウンから、今絶賛再開発中のサウスレイク地区までの路線がつい3年くらい前に開通したばかり。
予算がないので滞ってるのだろうけど、バラードまで来る路線も青写真には載っている。
…から、この近所の人の「ここに市電を来させてみせる、絶対」という自主的な宣言なのかもしれない。

それとも、単に線路が好きな人が建てたのかもw

アメリカ人は、意外と古いものをそのままとっておくのが好きな人たちだ。

新しいものを建てたければ、わざわざ古いものを壊さなくてもほかに建てれば済むっていうくらい土地の余裕があるから、日本みたいにいちいち取り壊す必要ない、ていうのもあると思うけど。

シアトルの古い住宅街を歩いていると、 住人が古いものたちに愛着をもって住んでいるのだなと感じる。
地区によっては、ほとんどが築60年は超えた家ばかり。バラード地区では、半世紀以上前に建てられたそういう小さな古い家を、これから子育てをしようという若い夫婦が買って引っ越してくるケースがとても増えている。30代の若い夫婦が自分たちの2倍以上年取った家を大事にメンテナンスして住んでいるのは、はたから見ているだけでもなんだか嬉しい。家も嬉しそう。

このオイル会社の看板も、どのくらい古いのかわからないけど現役で、バラードの住人ご自慢の、ランドマークのひとつ。

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2011/02/17

Witch-hazel


桜も咲き始めちゃって、このまま春に突入なのかと思いきや、またキューッと寒さが戻ってきたシアトル。夜の気温も久々に氷点下近くに下がって、明日は小雪かみぞれの予報。
 
寒桜はまだ弱々しくおぼつかなげに花を開いてみた、て感じで満開という感じにはならない(その分、花の時期は桜らしからぬ長さで、何週間かは保ちそう)。
近所でいま満開なのが、金縷梅、マンサク。


この花、東京では庭木としてあまり見かけなかった気がする。このあたりの住宅街には、古くから日本の庭園師/植木屋さんが活躍したとみえて、日本や中国の庭木がとても多い。桜もモミジも豊富で、これまで見たことのないような種類もたくさん見かける。


春一番に花を咲かせるマンサクも人気の庭木。でも梅の木をまったく見かけないのはどういうわけなんだろう。 それからもうひとつ、ぜひ近所に植わっててほしいのに一度も見た事がないのが、秋に咲くキンモクセイ。もしかするとあまり香りの強い花木は敬遠されるのか、何か別の理由があるのか…。

マンサクの花にも、強くはないけれど沈丁花に似た品の良い香りがある。


 この花、私が勝手に写真の師匠の一人として崇めているフォトグラファーのジャンヌさん(とてもセクスィーにお花を撮る方です)の日記で以前に「錦糸卵みたい」と言われていて、それ以来、「錦糸卵の花」としてインプットされてしまった。たしかに見つめていると、ちらし寿司が食べたくなってくる。


 赤いのは、新年の日に路上に散らばる爆竹の包み紙みたい。


 英語名はWitch-hazel。魔女のハシバミ、というまた魅力的な名前。
 花の見た目が魔女っぽいからかと思ったら、そうではないらしい。


 ワシントン大近くの植物園にはいろんな種類のマンサクや、そのほかこの時期に花の咲く木をあつめた「Winter Garden 」がある。日本で「冬の庭」といったらまず思い浮かぶのは梅と沈丁花なのに、この二つはないらしい。日本庭園のほうにあるのかな?

梅探しの旅は続く…。



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2011/02/14

Shameful


先日タコマ美術館でタコマの中国人排斥メモリアルの写真を見たばかりだったが、今日の新聞に、シアトルでの中国人排斥から125周年の記念イベントがあったと大きな記事になっていた。

125年前、中国人たちが銃をつきつけられて追放されていったのと逆の道をたどって、埠頭から坂を上ってチャイナタウンの中華門まで、小さなパレードがあったそうです。

この中で、 キング郡のExecutive (郡の一番偉い人。「郡長」じゃないよね。この役職の日本語訳はなんていうんだろう。「主席行政執行官」じゃソ連みたいだし?)が、

"We gather to remember a shameful moment in our history,"
今日私たちは、私たちの歴史の中の、恥ずべき時を思い起こすために集まったのです。

と言っていた。

Shameful というのはとても強い言葉だ。役人や政治家が使うのはよほどの時。

中国人排斥のことはつい最近読んだ本『The Imperial Cruise』で知った。

19世紀半ば、清国とアメリカは自由移民協定を結び、大陸横断鉄道の建設や炭坑で働くために、たくさんの中国人が、おもに広州から、やってきた。安い賃金で良く働く中国人労働者が増えてくると社会全体に中国人への反感がつのって、中国からの移民を禁止する法案が通った。

すでにアメリカで生活していた中国人は法で守られていたはずなのに、各地で白人労働組合による排斥運動が暴走して、ワイオミングの炭坑町やロサンジェルスでは虐殺も起きた。
タコマやシアトルでも、銃で武装した暴徒が何百人も集まってチャイナタウンに押し掛け、中国人を追い出した。

当時の新聞が、中国人がすべての元凶みたいな、暴徒を煽る記事を書き立てていたことも大きく貢献した。

国の代表などが自国の過去の過ちを「恥」と認めると、必ず怒る人がいる。
過去の罪を認めることが「自虐」的だと思っている人が、少なからずいるらしい。どうしたらそういう考え方になるのかわからない。罪が重すぎて引き受けられないという深層の恐怖があるのかも?

次の世代が同じような馬鹿げた恐怖や妄想を抱かないように、過去にあった事実をきちんと認めて、共有していこうとするのはとても大事なこと。

けれど本当に大切なのは歴史的事実そのものだけではない。むしろその受け止め方とそこに生じる感情を(相手のも、自分のも)理解してみようとすることなのじゃないかしらね。

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2011/02/13

革命の朝


土曜日の新聞。エジプトの「革命」の写真を見ながらまったり朝ごはんを食べる、平和な土曜日。

エジプトというと、ちょっと前の『トリビアの泉』で
「スフィンクスの視線の先には、ケンタッキーフライドチキンがある」
というヘぇx20トリビアが衝撃的に頭に焼き付いていて、デモの映像を見ていてもつい、群衆の後ろにあるKFCが目についてしまった。

…シアトルにもエジプトの人は結構多いそうで、ベルビューとシアトルダウンタウンでも、小さなデモが行なわれたと、ラジオで言っていた。マイクロソフトで働いているエジプト人のセールスエンジニアが興奮気味に話していた。祖国の革命。いても立ってもいられないことだろう。


ハワイに遊びに行ってきた方から、ホノルル・クッキー・カンパニーのクッキーを頂いた。
いつもはパイナップルの形なのが、バレンタイン仕様でかわいいハート形。

Happy Valentine's Day!

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2011/02/12

Elliott Bay Book Company


リアル書店がどんどん少なくなっている昨今だけど、シアトルには元気なインディペンデント書店も健在。

Elliott Bay Book Company は30年以上の歴史ある老舗で、去年、パイオニア・スクウェアからキャピトル・ヒルに引っ越した。ちょうど最初にシアトルに遊びに来たころ、閉店するとか移転するとかの話が持ち上がっていたのだった。

 

この書店はシアトルの読書人にはとても大切にされているお店らしい。
ここ1店舗しかない本当のインディペンデント書店なのに活動は活発で、店員さんが書いた書評のレビュー誌を定期的に出したり、著者を招いてサイン会や講演会を頻繁に開催している。


キャピトル・ヒルの新店舗は広々してて、アットホームな雰囲気。店員さんは全身タトゥーのフレンドリーなお姉さんや、いかにも【書店員】というはんこがおでこに捺してあるようなアーツィな文学青年風など個性豊かで、とても楽しい。

 

今では普通になった書店内カフェを始めたのも、シアトルではここが最初だったそうです。


 
ところで今週のニュースでは、全国チェーンのBorder'sが破産目前で、全国200店舗を閉店する予定だとか!!
全米のショッピングモールから本屋さんがなくなってしまうことになるのですよ!
ショッピングモールの書店は憩いの場。ほかに行くところのなかったお父さんたちもたくさんいるのではないかと思われる。わたしのように、モールに行ったらとりあえず用はなくても本屋に行かないと落ち着かない人はどうすれば良いというのか。
本屋のないモールなんて、イクラの入っていない寿司桶のようではありませんか。

がんばれ書店!とにかく、この本屋さんにはぜひとも末永く続いてほしい。

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2011/02/10

如月春日

近所の桜がもう咲いている。

これ。幹や葉っぱはソメイヨシノにそっくりなんですけど、早く咲く種類なのかな。去年もこのくらいの時期に咲いていた。

まだ氷点下になって霜のおりる朝もあるなか、冷たい空気の中で心細そうな風情ではかなげに咲いているので、ちっとも桜らしくない。もうちょっと待ってから咲けば良いのに、なんてフライングな桜たち(この木1本だけじゃなく、あちこちでちらほら咲いている)。

どうせなら近所中一斉に咲いて一斉に散ってくれたほうが見る方は豪勢で楽しいのに。こんなところにもマイペースなシアトル魂?(違。

シアトルの気温は、実は例年、1月が一番寒い。

平均気温をまとめたサイトで見ると、
11月初旬: 最高気温 12度C/最低気温 6度C
12月初旬: 最高気温 8度C/最低気温 2.7度C
 1月初旬: 最高気温 7度C/最低気温 1.6度C
 2月初旬: 最高気温 8度C/最低気温 2度C
 3月初旬: 最高気温 11度C/最低気温 3度C

と、2月からすでにだんだん暖かくなってくるのがわかる。
関東地方では2月が一番寒かったような覚えがあるけど(すでにうろ覚え)。
もちろん、これは平均で、もっと寒い日もありますよー。
ちなみにシアトルの歴代最低気温記録は零下17度C。この冬の最低気温記録は、感謝祭前後の零下10度Cだった。

フライング桜だけでなく、いろんな木の芽やコブシのつぼみなんかも目立ってきた。

そしてお天気の良い日には、近所にふらふら出てくる家猫さんたちの姿が見られるようになってきた。

春の風物詩でありんす。

いつも遊びにきてくださってありがとうございます。
お帰りにはこちらを踏んでいただくとちょっと嬉しいかも。

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